銀河の竜を駆る少女   作:Garbage

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超戦士降臨

 

 

 

 

「遊希、ナイスデュエル!」

「そっちこそ」

 

 一足先にデュエルを終えた遊希と千春は互いの健闘を讃え合い、小さくハイタッチする。そうなると気になるのが蘭のデュエルであった。

 

「蘭さん、大丈夫かしら……」

「ブランクがあるのは否定できないし相手もシャドール……厳しいデュエルになるでしょうね」

(でも不思議と心配にならないのはなんでかしらね)

 

 心配する千春に対し、遊希は一デュエリストとしてあくまで客観的に物を見て言うが、何処となく不安な感じはしなかった。彼女のデュエルする姿がそれとなく、夫である竜司、そして娘である鈴と重なって見えたからだ。

 

 

 

☆TURN04(蘭)

 

「私のターン、ドローよ。ドローフェイズ、スタンバイフェイズを終えてメインフェイズ1に移行するわね。じゃあここで明と宵の逆転の効果を発動するわ。手札の戦士族・光属性・レベル8の《聖戦士カオス・ソルジャー》を墓地へ送り、デッキから戦士族・闇属性で同じレベルの《カオス・ソルジャー-宵闇の使者-》を手札に加えるわ」

 

 儀式モンスターの難しいところは手札に儀式モンスターと儀式魔法。儀式のための生贄が必要となる。そのため魔法カード1枚で召喚できる融合モンスターやモンスターのみで召喚できるSモンスターやXモンスターに比べて召喚難度が高いことは否めない。現にリーダー格の男は手札に儀式のための生贄が存在しなければ何の意味もない、と高を括っていた。

 

「墓地にカードが送られたことで混沌の場にカウンターが乗る。これで混沌の場のカウンターは上限の6つに達したわ」

 

混沌の場 魔力カウンター:5→6

 

「そして混沌の場の魔力カウンターを3つ取り除き、デッキから儀式魔法1枚を手札に加えるわ。2枚目の超戦士の萌芽を手札に」

 

混沌の場 魔力カウンター:6→3

 

「そして超戦士カオス・ソルジャーをコストに手札から魔法カード、トレード・インを発動。デッキからカードを2枚ドローするわ。それじゃあ反撃と行くわね。私は手札から儀式魔法、超戦士の萌芽を発動よ!」

 

《超戦士の萌芽》

儀式魔法

「カオス・ソルジャー」儀式モンスターの降臨に必要。

「超戦士の萌芽」は1ターンに1枚しか発動できない。

(1):レベルの合計が8になるように、以下のどちらかの組み合わせのモンスターを墓地へ送り、自分の手札・墓地から「カオス・ソルジャー」儀式モンスター1体を儀式召喚する。

●手札の光属性モンスター1体とデッキの闇属性モンスター1体

●手札の闇属性モンスター1体とデッキの光属性モンスター1体

 

「私は手札の光属性モンスター、開闢の騎士とデッキの闇属性モンスター《宵闇の騎士》の2体を儀式の生贄に捧げて墓地からカオス・ソルジャー儀式モンスターをを儀式召喚するわ」

「デッキのモンスターを生贄にし、墓地から儀式召喚だと!?」

 

 白と黒の鎧を身に纏った少年騎士の魂が灯火揺らめく祭壇の中へと消えていく。そして現れたのは紺色と赤色が入り混じった鎧を纏った一人の誇り高き騎士のようなモンスターだった。

 

「“一つの魂は開闢を導き、一つの魂は宵闇をもたらす。目覚めるは大地を揺るがす超戦士!”儀式召喚。現れなさい!《超戦士カオス・ソルジャー》!」

 

《超戦士カオス・ソルジャー》

儀式・効果モンスター

星8/地属性/戦士族/攻3000/守2500

「超戦士の儀式」により降臨。

自分は「超戦士カオス・ソルジャー」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。

(1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

(2):このカードが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。自分の手札・デッキ・墓地から「暗黒騎士ガイア」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

 

混沌の場 魔力カウンター:4→6

 

「儀式召喚なら一度の特殊召喚で儀式モンスターを出すことは容易いことよ? ちなみにこの超戦士カオス・ソルジャーは開闢の騎士と宵闇の騎士を生贄にしたからそれぞれのモンスターによって効果を付与されるわ」

 

《開闢の騎士》

効果モンスター

星4/光属性/戦士族/攻500/守2000

「開闢の騎士」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードを使用して儀式召喚した「カオス・ソルジャー」モンスターは以下の効果を得る。

●1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。

●このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。

(2):墓地のこのカードが除外された場合に発動できる。デッキから儀式魔法カード1枚を手札に加える。

 

《宵闇の騎士》

効果モンスター

星4/闇属性/戦士族/攻500/守2000

「宵闇の騎士」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードを使用して儀式召喚した「カオス・ソルジャー」モンスターは以下の効果を得る。

●1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する。

●1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。相手の手札をランダムに1枚選び、次の相手エンドフェイズまで裏側表示で除外する。

(2):墓地のこのカードが除外された場合に発動できる。デッキから儀式モンスター1体を手札に加える。

 

「よってこの超戦士カオス・ソルジャーは開闢の騎士と宵闇の騎士の(1)の効果を2つ得て1ターンに2回まで相手モンスターを除外できる。そして開闢の騎士の連続攻撃効果と宵闇の騎士の手札除外効果も得たわ」

「なんだと!?」

「早速使わせてもらうわね。私は超戦士カオス・ソルジャーの効果であなたの手札をランダムに1枚選んで次のあなたのエンドフェイズまでゲームから除外するわ!」

 

 超戦士の剣から放たれた闇の力によってリーダー格の男の手札1枚がゲームから除外されてしまった。

 

(っ……回収した影依融合が……!)

「そしてバトルフェイズ。超戦士カオス・ソルジャーでエルシャドール・ミドラーシュを攻撃!“ハイパー・カオス・ブレード”!!」

 

超戦士カオス・ソルジャー ATK3000 VS エルシャドール・ミドラーシュ ATK2200

 

「リバースカードオープン! 罠カード《堕ち影の蠢き》発動!」

 

《堕ち影の蠢き》

通常罠

(1):デッキから「シャドール」カード1枚を墓地へ送る。その後、自分フィールドの裏側守備表示の「シャドール」モンスターを任意の数だけ選んで表側守備表示にできる。

 

「俺はデッキから2体目のシャドール・ビーストを墓地に送る! そしてビーストの効果で1枚ドローだ!」

 

リーダー LP8000→7200

 

「相手モンスターを破壊し、墓地に送ったことで超戦士カオス・ソルジャー本来の効果が発動。破壊したモンスターの攻撃力分のダメージをあなたのライフに与えるわ!」

「その効果にチェーンしてエルシャドール・ミドラーシュの効果を発動!」

 

チェーン2(リーダー):エルシャドール・ミドラーシュ

チェーン1(蘭):超戦士カオス・ソルジャー

 

「チェーン2のミドラーシュの効果で俺は墓地の影依の霊核を手札に加える」

「チェーン1の超戦士カオス・ソルジャーの効果でミドラーシュの攻撃力分のダメージを受けてもらうわ」

 

リーダー LP7200→5000

 

「さらに儀式の生贄にした開闢の騎士の効果。超戦士カオス・ソルジャーはさらにもう1回続けて攻撃ができるわ。“ハイパー・カオス・ダブルブレード”!!」

 

超戦士カオス・ソルジャー ATK3000

 

リーダー LP5000→2000

 

「ぐっ!!……この野郎!!」

「あら、私は野郎じゃないわよ? 言葉は正しく使いなさい。バトルフェイズを終了。私はこれでターンエンドよ」

 

 

リーダー LP2000 手札6枚

デッキ:31 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠:0 墓地:7 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:14(0)

蘭 LP7200 手札3枚

デッキ:26 メインモンスターゾーン:1(超戦士カオス・ソルジャー)EXゾーン:0 魔法・罠:2(混沌の場(カウンター:6)、明と宵の逆転)墓地:9 Pゾーン:青/赤 除外:0 エクストラデッキ:15(0)

 

リーダー

 □□□□□

 □□□□□□

  □ □

混□□超□□

 □明□□□

 

 

○凡例

超・・・超戦士カオス・ソルジャー

 

 

 相当のブランクがあったにも関わらず、わずか1ターンでリーダーのライフを6000も削ってみせた蘭。そのタクティクスの巧さに遊希と千春は思わず感嘆の言葉を漏らした。

 

「すごい……とてもブランクがあるとは思えないわ」

「ええ、元々凄腕のデュエリストだったんでしょうね。でもまだ決まったわけじゃない……」

 

 しかし、ライフが1でも残っている限りデュエルは続く。リーダーの手札はシャドール・ビーストの効果などで6枚に増えており、それだけの手札があればここからの逆転も十分に可能であったのだ。

 

 

☆TURN05(リーダー)

 

「ここまでコケにされてこのまま終われるかよ!! ドロー!!」

 

 このターンで超戦士カオス・ソルジャーをなんとかしなければリーダー格の男に次の自分のターンは回ってこない。さらに手札の影依融合をこのターンの終了時まで除外されてしまっているため、ここでの彼のドローが明暗を分けるといって差し支えなかった。

 

「俺は闇の誘惑を発動! デッキから2枚ドローし、手札の闇属性モンスター、終末の騎士をゲームから除外!……さて、前のターンのお返しをしてやるぜ」

 

 すると、リーダーの墓地に眠っているはずのモンスターの姿が浮かび上がる。戦闘で破壊されたはずのミドラーシュ、ヘッジホッグ。影依融合の素材となったビーストとリザード、堕ち影の蠢きの効果で墓地に送られた2体目のビースト。いずれもシャドールモンスターであり、闇属性のモンスター5体の姿だ。

 

「俺の墓地には闇属性モンスターはが5体存在し、かつ自分フィールドにモンスターはいない! よってこいつを特殊召喚できる! 来い!《ダーク・クリエイター》!」

 

《ダーク・クリエイター》

効果モンスター

星8/闇属性/雷族/攻2300/守3000

このカードは通常召喚できない。自分の墓地に闇属性モンスターが5体以上存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に特殊召喚できる。

1ターンに1度、自分の墓地の闇属性モンスター1体をゲームから除外する事で、自分の墓地の闇属性モンスター1体を選択して特殊召喚する。

 

「ダーク・クリエイター……確か闇属性デッキの強力なカードよね」

「そしてダーク・クリエイターの効果を発動! 墓地の闇属性モンスター1体を除外し、墓地の闇属性モンスター1体を特殊召喚する! 俺はシャドール・ビーストをゲームから除外し、エルシャドール・ミドラーシュを特殊召喚する!」

 

 エルシャドール・ミドラーシュが蘇生されたことで、リーダー格の男のフィールドには2体の闇属性モンスターが並ぶ。この瞬間、蘭は気づいた。リーダー格の男の墓地に存在する闇属性モンスターの数に。

 

「……まさか」

「気付いたようだな! 俺の墓地の闇属性モンスターは3体ちょうど! よってこいつを手札から特殊召喚できる! 壊しつくせ!《ダーク・アームド・ドラゴン》!!」

 

《ダーク・アームド・ドラゴン》

効果モンスター(制限カード)

星7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守1000

このカードは通常召喚できない。自分の墓地の闇属性モンスターが3体の場合のみ特殊召喚できる。

自分のメインフェイズ時に自分の墓地の闇属性モンスター1体をゲームから除外する事で、フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

 

 元々はLvモンスターとして登場したアームド・ドラゴンが所謂ダークモンスターとしてリメイクされたのがこのダーク・アームド・ドラゴンである。特殊召喚の条件は墓地の闇属性モンスターの数を3体ちょうどにしなければならないなど、工夫が必要なモンスターではあるが、特殊召喚に成功さえしてしまえば、ターン制限のない除去効果が襲い掛かる。

 

「……いい引きをしているのね。デュエリストとしての才能は申し分ないわ。でもその才能はこんなことに活かすためのものじゃないのに」

「なんとでも言いやがれ! 俺はダーク・アームド・ドラゴンの効果を発動! 墓地のシャドール・ヘッジホッグをゲームから除外して超戦士カオス・ソルジャーを破壊する! “ダーク・ジェノサイド・カッター”!!」

 

 ダーク・アームド・ドラゴンから放たれた漆黒の刃によって超戦士カオス・ソルジャーは無残にも破壊されてしまう。しかし、超戦士はその死においても未来を繋ぐ。

 

「超戦士カオス・ソルジャーが相手の効果で破壊されて墓地に送られた時、私はデッキ・手札・墓地から「暗黒騎士ガイア」モンスター1体を特殊召喚できるわ! 私はデッキから《覚醒の暗黒騎士ガイア》を特殊召喚よ」

 

《覚醒の暗黒騎士ガイア》

効果モンスター

星7/闇属性/戦士族/攻2300/守2100

「覚醒の暗黒騎士ガイア」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、このカードはリリースなしで召喚できる。

(2):このカードがリリースされた場合に発動できる。自分の手札・墓地から「カオス・ソルジャー」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

(3):「カオス・ソルジャー」モンスターの儀式召喚を行う場合、必要なレベル分のモンスターの内の1体として、墓地のこのカードを除外できる。

 

「壁モンスターを出してきたか。だが無駄だ! ダーク・アームド・ドラゴンの効果は墓地に闇属性がいる限り発動できる! シャドール・リザードを除外し、覚醒の暗黒騎士ガイアも破壊!」

 

 しかし、超戦士の遺したガイアすらもダーク・アームド・ドラゴンの凶刃の前に斃れる。

 

「……ごめんなさい、ガイア」

「モンスターを気遣ってる場合じゃねえぜ! 俺は手札から《シャドール・ドラゴン》を召喚!」

 

《シャドール・ドラゴン》

リバース・効果モンスター

星4/闇属性/魔法使い族/攻1900/守0

「シャドール・ドラゴン」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。

(1):このカードがリバースした場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。

(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

 

「バトルだ! まずはシャドール・ドラゴンでダイレクトアタック!」

 

シャドール・ドラゴン

 

蘭 LP7200→5300

 

「まだだ! エルシャドール・ミドラーシュでダイレクトアタック!」

 

エルシャドール・ミドラーシュ ATK2200

 

蘭 LP5300→3100

 

「さらにダーク・クリエイターで追撃!!」

 

ダーク・クリエイター ATK2300

 

蘭 LP3100→800

 

「きゃあっ!!」

「これで終わりだ!! ダーク・アームド・ドラゴンでダイレクトアタック!! “ダーク・アームド・パニッシャー”!!」

 

ダーク・アームド・ドラゴン ATK2800

 

「蘭さん!!」

 

 蘭にダーク・アームド・ドラゴンの攻撃が迫る。千春が思わず蘭の名を呼んだ時。彼女の手札から金色の輝く小さな球体上のモンスターがぴょこん、と飛び出したのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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