銀河の竜を駆る少女   作:Garbage

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死と罪の紋章

 

 

 

 

 

「紋章……また珍しいカードを使うのね」

 

 遊希の言った紋章、とは【紋章獣】のことを指す。紋章獣はレベル4のモンスターで構築されたデッキであり、ランク4のX召喚を得意とするデッキだ。そんな紋章に属するXモンスターはいずれもNo.に属するモンスターであり、希少価値の高いデッキとなっている。

 

《No.18 紋章祖プレイン・コート》

エクシーズ・効果モンスター

ランク4/光属性/サイキック族/攻2200/守2200

レベル4モンスター×2

フィールド上に同名モンスターが2体以上存在する場合、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。その同名モンスターの内の1体を選び、それ以外の同名モンスターを全て破壊する。この効果は相手ターンでも発動できる。

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手はこの効果で選んだモンスターと同名のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚できない。

また、このカードが墓地へ送られた場合、デッキから「紋章獣」と名のついたモンスター2体を墓地へ送る事ができる。

 

「でも私の銀河眼はエクシーズキラーであることを忘れていないかしら?」

「忘れるわけないじゃない。だからこうさせてもらうの。私はリンク2のヴァンパイア・サッカーとプレイン・コートをリンクマーカーにセット!」

―――No.をリンク素材にするだと?

「召喚条件は“効果モンスター2体”。サーキットコンバイン! 現れなさい、アンダークロックテイカー」

 

 現れたのはリンク2のアンダークロックテイカー。リンク2のヴァンパイア・サッカーとランク4のプレイン・コートを素材にしてリンク召喚するほどのモンスターではないが、鈴の狙いは当然そこではない。

 

「墓地へ送られたプレイン・コートの効果を発動! デッキから紋章獣モンスター2体を墓地へ送ることができるわ。墓地へ送るのは《紋章獣レオ》と《紋章獣アバコーンウェイ》」

「紋章獣限定とはいえ、一気に2回分のおろかな埋葬ということね……」

 

 プレイン・コートの墓地肥やし効果の発動条件はあくまでプレイン・コートを墓地へ送るだけでいい。そのためリンク召喚のための素材にすることで、能動的にその効果を発動できるのだ。

 

「墓地へ送られた紋章獣レオの効果を発動する」

 

《紋章獣レオ》

効果モンスター

星4/地属性/獣族/攻2000/守1000

このカードを召喚したターンのエンドフェイズ時、このカードを破壊する。また、このカードが墓地へ送られた時、デッキから「紋章獣レオ」以外の「紋章獣」と名のついたモンスター1体を手札に加える。

「紋章獣レオ」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

「墓地へ送られたレオの効果。デッキからレオ以外の紋章獣モンスター1体を手札に加える。手札に加えるのは2体目のアバコーンウェイ」

―――なるほど、プレイン・コートを素材にするわけだ。レオの効果を自分のターンで発動するために。

(ええ。デッキはどうやら【紋章獣】と【アンデット族】の混合……言わば【紋章アンデット】のようね)

 

 ゾンビ・マスターを中心としたレベル4のアンデット族、そして同じくレベル4のモンスターで統一された紋章獣。この2種類のモンスターを使い分けてランク4もしくはリンク召喚に繋げていく。それがこのデッキの特色だろう。元々の鈴のデッキであるカオス・MAXを軸とした青眼とは大きく異なるデッキではあるが、戦法ががらりと変わることから今までの鈴と同じイメージで対峙していては苦戦必至と言えよう。

 

「墓地の馬頭鬼の効果を発動。このカードを除外し、墓地のアンデット族モンスター1体を特殊召喚する。ゾンビ・マスターを特殊召喚。そしてゾンビ・マスターの効果を発動。手札のアバコーンウェイをコストに墓地のゴブリンゾンビを特殊召喚。そしてゾンビ・マスターとゴブリンゾンビをリンクマーカーにセット!」

「またリンク召喚を……」

「召喚条件は“カード名が異なるモンスター2体”。サーキットコンバイン! 現れよ、暴食の罪背負いし獣。リンク2《トロイメア・ケルベロス》」

 

《トロイメア・ケルベロス》

リンク・効果モンスター

リンク2/地属性/悪魔族/攻1600

【リンクマーカー:上/左】

カード名が異なるモンスター2体

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、相手のメインモンスターゾーンの特殊召喚されたモンスター1体を対象として発動できる。

そのモンスターを破壊する。この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの相互リンク状態のモンスターは効果では破壊されない。

 

「墓地へ送られたゴブリンゾンビの効果。3枚目の馬頭鬼を手札に加える。そして墓地のアバコーンウェイの効果を発動!」

 

《紋章獣アバコーンウェイ》

効果モンスター

星4/風属性/ドラゴン族/攻1800/守900

このカードが墓地に存在する場合、このカード以外の自分の墓地の「紋章獣アバコーンウェイ」1体をゲームから除外して発動できる。自分の墓地の「紋章獣」と名のついたモンスター1体を選択して手札に加える。「紋章獣アバコーンウェイ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

「墓地に存在する2枚目のアバコーンウェイをゲームから除外し、墓地の紋章獣1体を手札に加える。私はレオを手札に戻す」

「ゾンビ・マスター用の手札コストを補充するということかしら? でももうこれ以上の展開はできないはずよ?」

「それはどうかしら?……うん、この言葉って何回言ってもいいよね。昔アカデミアに在籍していたプロデュエリストが書いた本の中にそんなタイトルの本があったようだけど」

「そんな本もあったわね……読んだことないけど」

「読んでおくことを勧めるわ。名著かどうかはわからないけど、ということで手札から速攻魔法、異次元からの埋葬を発動」

「は?」

―――なっ……!?

「除外されているモンスターを3体まで墓地に戻す。戻すのは馬頭鬼2体とアバコーンウェイよ」

「……っ」

 

 馬頭鬼の効果にターン制限はない。そのため墓地に戻すことでこのターン、あと2回その効果を発動することができるということである。それが何を意味するかわからない遊希と光子竜ではなかった。

 

「ということで戻した1枚目の馬頭鬼を再度除外して効果を発動。ゾンビ・マスターを特殊召喚。ゾンビ・マスターの効果で3枚目の馬頭鬼をコストにゴブリンゾンビを特殊召喚。更に墓地の《紋章獣ユニコーン》の効果を発動」

 

《紋章獣ユニコーン》

効果モンスター

星4/光属性/獣族/攻1100/守1600

墓地のこのカードをゲームから除外し、自分の墓地のサイキック族エクシーズモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。

「紋章獣ユニコーン」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

「墓地のこのカードをゲームから除外し、サイキック族Xモンスター1体を特殊召喚する。プレイン・コートを特殊召喚。そしてプレイン・コートとゾンビ・マスターとゴブリンゾンビをリンクマーカーにセット。召喚条件は“カード名の異なるモンスター2体以上”。サーキットコンバイン! 現れなさい、憤怒の罪背負いし獣。《トロイメア・ユニコーン》」

 

《トロイメア・ユニコーン》

リンク・効果モンスター

リンク3/闇属性/悪魔族/攻2200

【リンクマーカー:左/右/下】

カード名が異なるモンスター2体以上

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがリンク召喚に成功した場合、

手札を1枚捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主のデッキに戻す。この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる。

(2):自分ドローフェイズの通常のドローの枚数は、フィールドに相互リンク状態の「トロイメア」モンスターが存在する限り、その「トロイメア」モンスターの種類の数になる。

 

「墓地へ送られたゴブリンゾンビとプレイン・コートの効果を発動」

 

チェーン2(鈴):No.18 紋章祖プレイン・コート

チェーン1(鈴):ゴブリンゾンビ

 

「チェーン2のプレイン・コートの効果で2体目の紋章獣ユニコーンと《紋章獣ツインヘッド・イーグル》を墓地へ送る。チェーン1のゴブリンゾンビの効果で《屍界のバンシー》を手札に加える。そして2枚目の馬頭鬼を除外し、墓地のゾンビ・マスターを特殊召喚。そしてゾンビ・マスターの効果。屍界のバンシーをコストに墓地のゴブリンゾンビを特殊召喚。そしてゾンビ・マスターとゴブリンゾンビをリンクマーカーにセット。サーキットコンバイン!」

 

 もう何度ゾンビ・マスターとゴブリンゾンビはリンク召喚のために墓地へ送られているのだろうか。アンデット族故生きながら死んでいるようなものであるが、ここまでフィールドと墓地をめざましく行ったり来たりしている様を見るのは遊希は初めてであった。最もこの状況で笑っていられるほど遊希のメンタルは強くない。

 

「現れなさい、怠惰の罪を背負いし怪鳥。《トロイメア・フェニックス》」

 

《トロイメア・フェニックス》

リンク・効果モンスター

リンク2/炎属性/悪魔族/攻1900

【リンクマーカー:上/右】

カード名が異なるモンスター2体

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの相互リンク状態のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

「トロイメア・フェニックス……まさかあんた」

―――遊希、鈴のフィールドは……

(ええ。改めてあの子の狙いがわかったわ)

「ゴブリンゾンビの効果でデッキから《グローアップ・ブルーム》を手札に加える。そして2体目の馬頭鬼の効果でゾンビ・マスターを特殊召喚。ゾンビ・マスターの効果で手札のグローアップ・ブルームをコストにゴブリンゾンビを特殊召喚。そしてリンク2のトロイメア・フェニックスとゾンビ・マスター、ゴブリンゾンビの3体をリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! 現れなさい、傲慢の罪を背負いし合成獣。リンク4《トロイメア・グリフォン》!」

 

《トロイメア・グリフォン》

リンク・効果モンスター

リンク4/光属性/悪魔族/攻2500

【リンクマーカー:上/左/右/下】

カード名が異なるモンスター2体以上

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、自分の墓地の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを自分フィールドにセットする。そのカードはこのターン発動できない。この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる。

(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、フィールドの特殊召喚されたモンスターはリンク状態でなければ効果を発動できない。

 

「リンク召喚に成功したトロイメア・グリフォン、そして墓地へ送られたゴブリンゾンビの効果を発動」

 

チェーン2(鈴):トロイメア・グリフォン

チェーン1(鈴):ゴブリンゾンビ

 

「チェーン2のトロイメア・グリフォンの効果。手札1枚をコストに墓地の魔法・罠カード1枚をあたしのフィールドにセットする。セットするのは速攻魔法、異次元からの埋葬。そしてトロイメア・グリフォンが相互リンク状態だった場合、更に1枚ドロー。そしてチェーン1のゴブリンゾンビの効果で2体目のゾンビ・マスターを手札に加える」

「鈴の墓地にはまだ最後の馬頭鬼がいる……」

「条件は満たしているけど、先に屍界のバンシーの効果を発動するわ」

 

《屍界のバンシー》

効果モンスター

星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守200

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、フィールドゾーンの「アンデットワールド」は効果の対象にならず、効果では破壊されない。

(2):フィールド・墓地のこのカードを除外して発動できる。手札・デッキから「アンデットワールド」1枚を選んで発動する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

「墓地の屍界のバンシーをゲームから除外し、デッキからフィールド魔法《アンデットワールド》を発動」

 

《アンデットワールド》

フィールド魔法

(1):フィールドの表側表示モンスター及び墓地のモンスターは全てアンデット族になる。

(2):お互いはアンデット族モンスターしかアドバンス召喚できない。

 

「これでフィールドのモンスターは全てアンデット族へと変化する。そして最後の馬頭鬼の効果! 墓地のグローアップ・ブルームを特殊召喚!」

 

《グローアップ・ブルーム》

チューナー・効果モンスター

星1/闇属性/アンデット族/攻0/守0

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが墓地へ送られた場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキからレベル5以上のアンデット族モンスター1体を手札に加える。フィールドゾーンに「アンデットワールド」が存在する場合、手札に加えず特殊召喚する事もできる。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はアンデット族モンスターしか特殊召喚できない。

 

「そしてこれが最後の一手。私はレベル1のグローアップ・ブルームをリンクマーカーにセット! サーキットコンバイン! 召喚条件は“レベル1モンスター1体”! 現れなさい、リンクリボー! 特殊召喚されるのはトロイメア・グリフォンの上のゾーンよ!」

「エクストラ・リンク……」

 

 

 

 リンクリボー    ←アンダークロックテイカー

   ↓             ↓

   ↑             ↑

 トロイメア  トロイメア  トロイメア

←  ・  →←  ・  →←  ・

 グリフォン  ユニコーン  ケルベロス

   ↓      ↓

 

 

 

 鈴のフィールドには右のEXゾーンにリンクマーカーが左と下に向いているアンダークロックテイカー、アンダークロックテイカーの下側のゾーンにリンクマーカーが上と左に向いているトロイメア・ケルベロス、ケルベロスの左側のゾーンにはリンクマーカーが左右と下の三か所に向いているトロイメア・ユニコーン、ユニコーンの左側のゾーンにはリンクマーカーが上下左右の四か所に向いているトロイメア・グリフォンが存在している。

 本来EXゾーンはそれぞれ1つしか使用できないのだが、双方のEXゾーンを繋げる形でリンクマーカーを繋げた場合、もう片方のEXゾーンを使用できる。そのゾーンに鈴はリンクマーカーが下に向いているリンクリボーをリンク召喚した。双方のEXゾーンを繋げること―――これを“エクストラ・リンク”と呼ぶのだ。

 

「これであんたはEXゾーンを使えない。墓地に送られたグローアップ・ブルームの効果を発動。このカードが墓地へ送られた場合、このカードをゲームから除外してデッキからレベル5以上のアンデット族モンスター1体を手札に加える。そしてフィールドゾーンにアンデットワールドが存在する場合、あたしはこのモンスターを手札に加えず特殊召喚できる。レベル8の《死霊王 ドーハスーラ》を特殊召喚。これであたしはターンエンドよ」

 

《死霊王 ドーハスーラ》

効果モンスター

星8/闇属性/アンデット族/攻2800/守2000

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):「死霊王 ドーハスーラ」以外のアンデット族モンスターの効果が発動した時に発動できる。以下の効果から1つを選んで適用する。このターン、自分の「死霊王 ドーハスーラ」の効果で同じ効果を適用できない。

●その効果を無効にする。

●自分または相手の、フィールド・墓地のモンスター1体を選んで除外する。

(2):フィールドゾーンに表側表示でカードが存在する場合、自分・相手のスタンバイフェイズに発動できる。このカードを墓地から守備表示で特殊召喚する。

 

 

鈴 LP8000 手札4枚

デッキ:37 メインモンスターゾーン:4(死霊王 ドーハスーラ、トロイメア・グリフォン、トロイメア・ユニコーン、トロイメア・ケルベロス)EXゾーン:2(アンダークロックテイカー、リンクリボー)魔法・罠(Pゾーン:青/赤):1 フィールド:1(アンデットワールド)墓地:13 除外:6 EXデッキ:8(0)

遊希 LP8000 手札5枚

デッキ:40 メインモンスターゾーン:0 EXゾーン:0 魔法・罠(Pゾーン:青/赤):0 フィールド:0 墓地:5 除外:0 EXデッキ:15(0)

 

 

 □□伏□□

ア死ケユグ□

  ク リ

 □□□□□□

 □□□□□

遊希

 

 

○凡例

ア・・・アンデットワールド

ク・・・アンダークロックテイカー

ケ・・・トロイメア・ケルベロス

ユ・・・トロイメア・ユニコーン

グ・・・トロイメア・グリフォン

リ・・・リンクリボー

死・・・死霊王 ドーハスーラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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