ぬらりひょんの孫 ~桜舞い、龍の如く!~   作:あこ姫

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御無沙汰でございます。4年チョイぶり位の投稿となりやす。


第三幕  少女、修行に赴く 壱

 私が目を覚ますと、そこは知らない天井が眼前に広がって…………るわけもなくて、完全に見覚えのある天井だったわ。

 私はふらりと起き上がる。

 

「此処は…………私の……部屋…………??」

 

 どうして、私は自分の部屋で寝ているのか。私はその理由を記憶が覚えている限り、思い出そうとする。

 

 

山吹の花、魔王の小槌、山吹乙女

 

 

……そうだ。

私は父さんが山ン本(あの野郎)に殺さるのが癪だから助けたんだ。

でも、私の治癒力じゃどうしても弱すぎて話にならんレベルだったけど、それでも絶対に助けたくって使ったんだ。龍妖怪の能力を。

龍の能力を行使して父さんに掛けられた呪いも解く事はできた。

でも、あの時に初めて使って慣れてないのと私自身の畏も弱いからほぼほぼ使い切って倒れてちゃったんだ。

 

「……父さんは、どうなったの、かな……」

 

私が誰も聴こえない様な音量で呟いた直後

 

「呼んだか……?龍桜菜」

 

父さんが襖を開けてぬらりと現れた。

いきなりの父さんの登場と自分のフラグ回収率の早さに思わず固まる私である。

 

「おい、龍桜菜どうしたんだ……?? 固まったりなんかして」

 

父さんが怪訝そうに此方を覗き込んでいる。

 

「え、あ、ううん。何でもないの。それよりも父さん……」

「……? なんだ」

 

私が質問を投げ掛けると父さんは眠たげな瞳の眼付きは変わらないが、言葉で表せない威圧感と言うか正体が不明な()()に充てられた様な感覚に陥った。

その状態に屈してては話にならない。と、自分を奮い立たせながらも質問を続ける。

 

「えっと、その……傷はもう大丈夫なの?」

「おぉ……傷な。結論から言うと()()()問題ないぜ」

 

父さんの返答に何か違和感を感じる私である。

父さんは今、何と言った?

 

 

『結論から言うと()()()問題ないぜ』

 

 

………………。

何故に父さんは今、『外面』を強調した?

これではまるで『内面』……父さん自身の畏に異常がある様な言い方ではないか。

 

この考えは飽くまで私の単なる憶測でしかないから父さん本人に真実を語って貰うしか他無いんだけど。

答えて貰えるか解らないけども一応は尋ねてみるか……。

 

「あのね、父さんは……何処か悪いの?」

「……どうしてそう思うんだ?」

 

私が尋ねると父さんは私を試すような返答をする。

 

「だって、『外面』って強調するんだもん。だから、『内面』……具体的に言って畏に異常があるんでしょ?」

 

私も父さんの試練?に応えるべく自分の考えを述べた。

 

「……驚いたな。まさか自分の娘に言い当てらるたァ思わなかったぜ。 ああ、その通りだよ。今の俺の畏は総量が減ってるんだ」

 

畏が減ってるって……大問題じゃん!

下手に戦闘とかできないじゃん!! 

え、そんなんで二代目総大将とか務まんの!?

 

「ああ。龍桜菜の察しているとおり今の俺の畏は普段の半分以下しか無ぇからとてもじゃねぇが総大将なんて務まんねぇから、親父に総大将の座を丸なg……返上してきた」

「………………」

 

父さんの告白に固まる私である。

前半部分はある程度察していたからそんなに驚かないんだけど、後半何て言った!?

『丸投げ』って言おうとしたよねぇ!? 明らかにさ。

普通に言い直しているけど絶対におじーちゃんと確実に何か……具体的に殴り合いあったよねぇ!?

 

「……で、当のおじーちゃんは納得したの?」

「ああ。つーか、させた。親父は『条件付きでなら』と言って苦虫潰した顔してたけど」

「ぇえ……。大丈夫なの、それ」

 

父さんの返答にドン引く私である。それ、絶対に納得行ってなくて最終的に渋々認めた感じだよねぇ?

 

「心配ねぇよ。なんだかんだ言って親父は上手くやるだろうしな」

 

父さんはけらけらと笑いながら流していた。流石は(元)総大将の器といった所か?

 

「それで、父さんはこれからどうするの?」

「俺か?俺ァ……遠野の半妖の里で隠居生活を送るさ。ま、龍桜菜とリクオの卒園式とか入学式とかの行事前には帰ってくるがな」

 

『半妖の里』ねぇ……。そういや、遠野の近くにあったな。

遠野ねぇ……あ。そうだ、そうだ。遠野だよ。

私は密かに思っていることを思い切って父さんに頼んでみることにする。

 

「ねぇ、父さん。お願いがあるの」

「『お願い』……? 何かあるのか?」

「うん。あのね、父さんが半妖の里に行く時に私も連れて行って欲しいの。 半妖の里って遠野にあるんでしょ?」

 

私のお願いを聞いて父さんは一瞬だけ固まったが直ぐに復活した。

 

「あ、あぁ……。確かにそうだが、どうしてまたそんな事言い出したんだ?第一それを俺が許可したって母さんや親父が何と言うか……」

「『どうして』って……それは勿論、強くなりたいから」

「強くなって、どうするんだ?」

 

私の答えに問い掛ける父さんの眼は私の答えに宿る意志を試しているかのように思えた。

 

「決まってるよ。そんなの。私は……護りたいから。私自身が大切だと思える存在を。それが味方だろうと敵だろうと人間だろうと妖怪だろうとね」

「それがお前のエゴだとしても……か?」

「勿論。そんなの承知の上だよ。私は私の仁義を貫き通すまでだしね。その為なら諦めないし何だってするよ」

 

父さんに私は自分の答えをハッキリと告げた後、父さんは「合格だ」と呟いた後に少しだけ笑っていた。

 

「解ったよ。ったく……親父が条件付きだって言ったのこういう事かよ……。ったく外堀から埋めるとか誰に似たんだか……」

 

どうやら、父さんの言葉から察するにおじーちゃんとの交渉成果が上手くいってたらしい。

まぁ、ぶっちゃけおじーちゃんとの交渉が骨折れたけどね。まさか一戦交えるとか思ってもみなかったし。

 

父さんの説得が完了したので私は晴れて修行の旅へと赴ける。

今のままじゃ絶対にアカンからな。納得いくまでの力を身につけねばな。

私は決意を新たに強固なモノとした。

 

「龍桜菜」

 

父さんに呼び止められる。

 

「……?どうしたの? わっ!」

 

返事を言い切る前に布団に戻された。

 

「修行に行く前にちゃんと体調を万全にしとけよ? 良いか、絶対にあ・ん・せ・いにしてるんだからな?」

 

強引に私は寝かされ、『安静する』様に念を押された。

 

「は、はぁーい…………」

 

私は父さんの要求に従うしか選択肢はなく、眠ることにした。

それを確認した父さんは私の部屋を後にする。

 

 

数日後。体調が完全回復した私は遠野へ向けて父さんと共に奴良組本家を後にするのだった。

 

 

続く。

 

 




本気で鯉伴様の口調に苦労した。
本編であんまり出番ないから(失礼)……。

次回はいよいよ遠野修行編開始。
なるべく早期に投稿するつもりではいるけど気長に待ってて欲しいのでありますよ。

それではまた次回のお話でお会いしませう。
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