ハイスクールD×D 紅の目を持つ忍   作:藤堂桐戸

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口調等が違う等が多々違う場合がございます<(_ _)>


1話 長期任務の始まり

『火影室』

 

木の葉の里を一望出来る場所に位置し、部屋には壁に歴代の火影の写真が飾ってあったり、机やその周りに巻物や本等が溢れており、火影の多忙さがよく分かる部屋であった。そんな火影室に一人の人間、二人の天狗、一人の河童が集まっていた

 

 

「で、呼び出した本人が居ないってどういう事だ?」

 

「さあ~?でも、私達を呼ぶって事は重要任務であることは確実ですよね!」

 

「全員木の葉屈指の実力者だよね。どんな任務なんだろう?」

 

「私達を集めないと倒せない妖怪や忍が居るとか、そういう事なのでは?」

 

 

火影室に着いたミライと椛だが、呼び出した火影本人が居ないため、一緒に居た少女と火影室で雑談をしていた。ミライと椛の他に、二人の少女が居た。白い半袖シャツと黒いスカートを着て、赤い山伏風の帽子を被った、鴉天狗、風遁使いの『射命丸文』水色の上着と水色のポケット付きのスカートを着て、緑の帽子と大きなリュックを身につけた、河童、水遁使いの『河城にとり』である。どちらもミライの強さに惹かれ、木の葉に移住してきた妖怪である。

 

椛、文、にとりの三人も木の葉では屈指の実力者であり、ミライと違い上忍であるが、上忍クラスの任務こなす中忍のミライと任務をこなす事が多い。ミライの火遁と雷遁、椛の土遁、文の風遁、にとりの水遁、それぞれ得意な遁術があり、それぞれの遁術を使わせれば木の葉一だと大国の間では名高い実力を持っている

 

 

「もう集まっておったか、すまぬな。遅れてしまったな」

 

 

火影室の扉が開き、中に入って来たのは火影を示す火影帽子を被った老人であった。老人の名は『猿飛ヒルゼン』木の葉の三代目火影である。世にも珍しい五遁全てを扱える忍で、三十年以上木の葉を守って来た実力者である

 

 

「急ぎだと聞いて飛んで来たのに、少し待たされたぞ」

 

「はははっ…すまぬな。今さっきまで重要な会議をしていたのだ。許してくれ、ミライ」

 

 

ミライは火影を睨みながら言うが、火影は笑いながら執務椅子に座り込む。そして椅子に座るや否や、神妙な顔立ちをして話し始める

 

 

「さて、お主らに…これから人間界での任務を言い渡す!」

 

「「!?」」

 

 

火影の言葉を聞いた言葉にミライ達は緊迫した表情になる。任務にはAからDまでのランクがあり、上忍等の忍の位で遂行する任務が変わってくる。そして、任務にはAの上、Sランクという特殊なランクがある。これは、大名や影の側近護衛、特殊な妖怪や忍を討伐する時に使われるランクである。本来これは暗部と呼ばれる精鋭部隊がやる任務なのだが、暗部の手に負えない任務の場合は、ミライ達のような実力者に与えるのだ。しかし、今回のはそのどれにも当てはまらない人間界での任務である

 

 

「何故俺達が人間界に?人間界での不祥事等は普通『表』の連中が処理する筈だろ?」

 

 

ミライが指す『表』とはすなわち人間界に居る忍や妖怪の事である。天照大御神を長に忍や妖怪達が一般の人間達には解決出来ない他勢力による事件等を処理する集団があり、忍里のような里を形成していた。普通ならここに居る忍や妖怪が事件や不祥事等を処理する筈なのだが、今回は『裏』への何かしらの任務を任せた事が異例の出来事なのである。『表』の人間界、『裏』の妖忍界、この2つの世界に繋がりはあるが、余程の事件が起きない限りお互い干渉はしないのである。

 

 

 

「まずは話を聞け、これを見て欲しい」

 

 

火影が懐から一枚の写真を取り出し、ミライがそれを受け取る。写真にはコンクリート造りの建物と木造の建物が写った上空写真であった。ミライは写真を一目見た後、近くに居た椛に写真を渡す

 

 

「さっきの建物は?見たことの無い巨大な建物だったが…」

 

「お主らが見覚えが無いのは当然じゃ。何せ、これは人間界の建造物じゃからな」

 

「人間界の…ですか?」

 

「何故、人間界の建造物を私達に?」

 

 

文達が写真を見ながら疑問に思っていると、火影はキセルに火を付けて、一息吸うと喋り始める

 

 

「ふぅ……お主らは、これから人間界に行き、その写真に写っている学校に潜入してもらいたい」

 

「へぇ~これ学校なんだ。木の葉のアカデミーとは全然違うね!」  

 

 

火影は煙を吐きながら喋り、にとりは写真の建物を興味津々に見ていた

 

 

「建築物に興味を示している場合か、にとり。それで、何故俺達が人間界の学校に潜入するんだ?敵がそこにいるって分かってるなら、さっさと向こうが始末すればいい。それで解決じゃないのか?」

 

 

「そうは行かぬ事情があるんじゃよ、これも見て欲しい」

 

 

ミライが火影にそう聞くと、懐から一枚の写真を取り出す。写真には赤髪の少女と黒髪で眼鏡をかけた少女が写っていた

 

 

「これが早々に始末出来ぬ理由じゃ。赤髪の少女と黒髪の少女がおるじゃろう?この二人は人間ではなく、人間界に住んでいる悪魔と呼ばれる生物なんじゃ」

 

「悪魔?」

 

 

火影が出した写真を回して見ていたミライ達は何なのか分からずにいたが、文だけ、懐から取り出した手帳を開いて、ページをめくっていた

 

 

「ありました!…えっと、冥界という世界に住む三大勢力の一つで、人間の魂を喰らう生物。外見は人間と変わらないが、悪魔の証である黒い蝙蝠のような翼を持つ。永遠に近い寿命を持ち、魔法と呼ばれる特殊な術を使って戦う生物……ですか、本当に外見は人間の少女と変わりませんね」

 

 

文は手帳に書かれていた事を読むと、持っている写真をまじまじと見ていた。その話を聞いていたにとりは頭を抱えて震えていた

 

 

「人間の魂を食べるなんて、おっかない生物だね……」

 

 

「まあ、私達妖怪も似たような存在だと思いますけどね」

 

 

「人間を喰う妖怪なんか、この世界じゃ珍しくないけどな。まあ、向こう世界じゃ少ないのかもしれないな。あと、なんでにとりは震えているんだ?」

 

 

ミライと椛は震えているにとりを見て呆れていた。その間、何故か文はにとりに寄り添って何かを話していた

 

 

「んんっ!…話を戻していいかの?」

 

「ああ、悪い。それで、この悪魔とやらが一体どうしたんだ?表の奴らが始末出来ない感じにはみえないんだが?」

 

 

火影が咳払いをして、話を沈める。それに反応してミライ達が真面目な顔立ちになり、火影を睨みながら話す

 

 

「その理由は後に分かるじゃろうな。報告によると近頃、人間界で不穏な動きがあるのだ。人間界で活動している忍の情報では、悪魔が人間を殺して、死んだ人間を使って悪魔にしていっているとな」

 

 

 「「!?」」

 

 

(人間を悪魔に……妖怪化みたいな現象の事を言っているのか?)

 

火影の言葉にミライ達は驚愕する。ミライ達の顔には、冷や汗が流れていた

 

 

『妖怪化』

妖怪の血や肉を人間が食べたり、体に移植したりすると発症する現象である。取り込んだ妖怪によって違いはあるが、大半は人間でも妖怪でもない人外に成り果てる。妖怪化になった人間を元に戻す方法は未だ無いとされている

 

 

「その悪魔達がこの忍妖界に侵入してきたら、この世界の平穏が失われてしまう。もしそうなってしまったら、先人達の努力が無駄になってしまう。それを食い止めようと、五大国が協力し合い、悪魔達の行動を阻止しようと動き出したのだ。そして、人間界での悪魔の調査、討伐任務を受けた先遣隊を木の葉が出すことになったのだ。だから、お主らが選出されたのじゃ」

 

「なるほど。そして、俺達がこの学校に潜入して、この二人の悪魔を監視、必要とあれば討伐すると。そういう事か?」

 

「そうじゃな。これを持っているといい。忍具や非常食が大量に入っておる。お主らには必須だろう」

 

 

火影はそう言うと、ミライに二つの巻物に差し出し、ミライはその二つの巻物を受け取る

 

 

「ありがとうございます。しかし、どうやって人間界に行くんだ?忍妖界と人間界は隔離されている。一体、どんな方法で?」

 

「忍妖塔の内部に、『移し身の鏡』という物がある。それを使って人間界に移動するのだ。その鏡の前である印を結ぶと、人間界に移動出来る。鏡の管理者に印を教えて貰い、この任務を遂行して欲しい」

 

火影は本の山から地図を出して説明を始め、ミライ達はそれを覗き込むように見ていた

 

 

(忍妖塔……忍の足なら二日ってところか。これは、ひと月とかそんな短いレベルの任務じゃないな)

 

 

『妖忍塔』

 

かつて一人の忍と大妖怪が戦った忍妖湖の地にある忍妖塔。二つの塔で出来たこの塔は、忍と妖怪、二つの勢力の共存を示す為に作られた塔であり、内部には移し身の鏡と呼ばれる異世界へ移動出来る鏡が納められている

 

 

「部隊長は各自で決めるのじゃ。移動開始は今夜だ。向こうとは時間の流れが違うからの、向こうの時間でひと月後に任務開始とする。人間界の知識等は、向こうに用意しておる。それでは、任務開始じゃ!」

 

 

「「了解!」」

 

 

ミライ達は火影室から出て行き、各自解散して準備を始め出した

 

 

 

深夜……

 

任務の準備を終え、ミライは一人、木の葉にある墓地に来ていた。この墓地には、木の葉の英雄やかつての功績者が眠っている。そして、この墓地にはミライの父『うちはトウガ』が眠っており、ミライは父の墓石の前でしゃがんで手を合わせ祈っていた

 

 

(父さん……しばらくはこっちに帰れそうにないかな……必ず帰って来るから、心配しないでいいよ…)

 

「それじゃあ、行ってくるよ。父さん」

 

ミライは任務の度に父の墓石に祈っていた。父に祈る事で、ミライは自分は生きている、生かされたという事を自覚出来るのだ

 

ミライは墓石の前で立ち上がり、墓石を見て微笑んだ。そして墓地から出て行き、里の入り口に向かい始める

 

 

里の入り口にて……

 

 

「お祈りは、済んだみたいですね」

 

「今回は長いですよ?ミライさん」

 

「下手したら帰れないかもしれないよ~?」

 

 

里の入り口に着くと、準備を終えた文達が入り口前で待っていた。そしてそれを聞いたミライは微笑みながら話し始める

 

 

「俺は必ず里に帰るつもりだ。絶対に死ぬつもりは無い」

 

「ふふっ」

 

 

「あははっ!ミライらしいね!」

 

ミライは文達を睨みながら言う。そして、それを聞いた文達も、その場で笑い始める

 

 

「ところで、この隊の隊長は誰にしましょうか?」

 

「「……」」

 

椛が何気なく言った言葉が四人の沈黙を生んだ。

皆隊長をやりたくはないのだ。何せ全員個性が目立ちすぎて全員を一括させる事が難しいのである。そんな中、ミライがため息を吐きながら話し出す

 

「それを含めて話は道中にしよう。移動しながらでも、そう言う事は話せるしな………先遣隊、出発するぞ!」

 

 

「「了解!!」」

 

 

ミライはそう言うと、忍妖塔に向かって走り出す。椛とにとりもそれに続き、文は翼を出して飛び、ミライに続いて忍妖塔に向かい始めた

 

次に続く……

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