ハイスクールD×D 紅の目を持つ忍   作:藤堂桐戸

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戦闘シーンは苦手だ(-ω-;)


2話 忍達は人間界へ

 

ミライ達は森や川をまたぎ、山等を二日間、少しの休みを挟み、走りながら忍妖塔に向かっていた。

 

忍妖塔は忍の国と妖怪の国のどちらにも属していない、忍妖湖の地に建てられた二対の塔で出来た塔である。大戦後、忍と妖怪の水遁で復活したこの湖は、湖の中心に建てられた忍妖塔から張られている結界で守られている。そして塔への道は無く、塔の周りは水だけであり、湖には強力な水棲守護獣が居るため、忍や妖怪は簡単には塔に行けないのである

 

 

「そろそろ着く頃なんだが……」

 

「人間界か、楽しみだな~!一体どんな技術があるんだろう!」

 

「はあ……遊びに行くんじゃないんですよ、にとりさん」

 

 

ミライ達は森の中を走っていた。木の枝を足場に飛び、雑談をしながら移動していた。結果的に隊長は知的ですぐ作戦が練れる文に決定したが、文自身は不服なようだった。ミライは地図を見ながら走り、にとりは目が輝き、楽しみなのか、鼻歌を歌いながら移動していた。そのにとりの光景に椛は呆れていた

 

 

「!……着いたな」

 

「見えてきましたね」

 

 

ミライ達は森を抜け、目の前に広大な湖が見えて来た。そして湖の畔に一人の奇妙な老人が立っており、ミライ達は警戒しながら老人の近くに移動する

 

 

「あんたは……何者だ?」

 

(この老人、何か変だ……)

 

 

ミライは腰の刀に手を添え、老人に対して睨みつける。そんなミライの警戒に対し、老人は気にする様子も無く平然と話し出す

 

 

「……私は管理者、移し身の鏡を守る者だ。貴様らの道を作る為にここに居る。今結界を開ける、私は貴様らを試させてもらおう」

 

 

老人はそう言うと、湖に張られていた結界の一部に穴を開ける。そして老人の体はたちまち水に変化し、老人が居た場所に水たまりが出来る

 

 

「水分身か……」

 

 

ミライは警戒を解き、湖にある塔を見る。塔といっても巨大という訳ではなく、湖の中心にある小島の中心にポツンと建っていて一見普通の塔にも見えるが、塔の中からは禍々しい何かが発せられていた。そして椛達も塔を見ながら話し出す

 

 

「試すって、どういう事?」

 

「どうやらこの湖には、蒼水蛇と呼ばれる怪物が住んでいるんです。塔へは道がありませんから、塔に行くのにも簡単ではないはずです。ミライさん、どうしますか?」

 

 

文がミライを見て言うと、ミライはゆっくりと結界の中に入り、湖の水面に立って言う

 

 

「文の風遁とにとりの水遁を使う。後は出て来たら説明する。それと、にとりは泳がずに走れよ!」

 

「風遁と水遁?……あ、何となく分かりましたよ!」

 

「「??」」

 

 

ミライはそう言うと、水面を走り出して塔に向かい始める。文は空を飛んでミライに続き、にとりと椛は訳が分からずにいたが、ミライと文が行くのを見て慌てて走り出す

 

 

「ねぇ、なんで泳いじゃ駄目なの?…それに、撃退するのになんで風遁と水遁なの?」

 

「泳いでたら巻き込まれるからだ。それと蒼水蛇とは戦わない、足止めをするだけだ。だから文とにとりは、それなりにチャクラを使う事になる。今の内にチャクラを練っておいてくれ」

 

「了解しました~!」

 

「よく分からないけど、練っておくね!」

 

 

文以外は水面を走りながら塔に向かい、文とにとりは移動しながらチャクラを練っていく。そして数分間ミライ達が警戒しながら走り続けていると、ミライ達の前に、水面に気泡が出ているのが見えてきた

 

 

「出てくるぞ!」

 

 

ミライ達は立ち止まり、気泡が出ていた場所から一体の怪物が出てくる。蒼緑の鱗に覆われ、巨大な胴体に双頭を持つ怪物がミライ達の前に立ちはだかる

 

 

「これが、蒼水蛇……」

 

「見とれている暇はないぞ、文は風遁で巨大な渦を、にとりは水遁で渦の方へと流せ!俺と椛は印を結ぶ時間稼ぎをする!」

 

「「了解!!」」

 

 

「シャァァァァァ!!!」

 

 

蒼水蛇の咆哮を合図にミライ達は散開する。その間に文とにとりは蒼水蛇から離れて印を結び始める。そしてミライと椛は左右から様子を伺う

 

 

(こいつ、かなり強いな……やはり戦うには分が悪い!!)

 

 

「シャァァ!!!」

 

 

蒼水蛇はミライと椛に対してブレスを吐く。ミライ達はこれを躱し、蒼水蛇の周りを走りながらスキがないか見ていた。それに対し蒼水蛇はミライに向かって双頭で噛みついてくる

 

 

「!……早いな!?」

 

 

ミライは一回目の噛みつきを速く移動して躱し、二回目の噛みつきをジャンプして躱し、蒼水蛇の頭を足蹴にして高く飛び越える

 

 

「準備出来ましたよ、にとりさん!」

 

「こっちも出来た、行くよ!」

 

 

文とにとりの印を結び終わり、二人は息を合わせて術を発動する

 

 

「風遁・大旋風!!」

 

「水遁・大流乱の術!!」

 

 

湖に文が起こした巨大な風が巻き上がり、湖に巨大な渦が生じる。そしてにとりが起こした水流で蒼水蛇を渦の方へと流そうとするが、蒼水蛇は水流に逆らってミライ達の方へと突き進む

 

 

「チッ……簡単にはいかないか、椛!」

 

「分かりました!」

 

 

流れに逆らって突き進む蒼水蛇を見て、ミライと椛は素早く印を結び始め、チャクラを練り始め術の準備をする

 

 

「火遁・豪火球の術!!」

 

「雷遁・電撃弾の術!!」

 

 

ミライが吐く豪火と椛が起こした七発の電の弾丸が蒼水蛇の方に勢いよく向かっていく

 

 

蒼水蛇「シャァァ!??」

 

 

豪火と電の弾丸が蒼水蛇に命中し爆破が起きる。ミライ達の攻撃に怯んで歩みを止め、蒼水蛇は水流に向かって勢いよく流されて行った

 

 

「水流に巻き込まれる前に、急いで塔へ行くぞ!!」

 

 

「「はい!!」」

 

 

蒼水蛇が流されて行くのを見て自分達も水流に巻き込まれまいと、ミライ達は急いで塔がある小島へと向かって行った

 

 

 

忍妖塔にて……

 

 

蒼水蛇を撃退し、ミライ達は忍妖塔がある小島に無事に到着した。そして小島に着いた瞬間、管理者を名乗る老人が現れ、「塔を案内する」と一言言うと、老人は塔の方へと向かって行った。ミライ達もそれを追いかけるように老人と共に塔の中に入って行った

 

 

「何なんだ?この武具や物の数は……」

 

「不気味だね……」

 

「おまけに、何処か禍禍しい雰囲気を感じますね」

 

 

ミライ達は老人に案内され、塔の中を歩いていたが、周りには、壁から床に至るまで様々な武具や物で溢れており、それぞれの武具や物には不気味なオーラを放っていた

 

 

「ここには移し身の鏡の他にも、先人達の武具や宝具が納められておる。それぞれ特殊な能力や絶大な威力を持つ物ばかりで、物によっては危険過ぎる物もある。それらをここに封印し、私は外部からの略奪者からこれらを守っているのだ」

 

 

管理者である老人は壁や床にある武具や物を見ながら話す。そしてそれらを見ていたミライ達だが、文はある物を見つけて驚愕する

 

 

「なっ!……芭蕉扇まであるなんて!?」

 

「芭蕉扇……確か、天狗一族が管理していた宝具の一つだよな。こんな所にあったのか」

 

 

ミライ達は歩きながら壁にある扇を見て話していた。その扇は周りよりも一際強いオーラを放っていた

 

『芭蕉扇』

火・風・雷・土・水の全ての属性が、大量のチャクラを費する代わりに、一振り扇げば絶大な威力が出る天狗一族が管理していた宝具の一つである

 

 

「芭蕉扇……天狗一族の長、大天狗が封印するように渡してきたのだ。もう百年も前の話だがな。………それよりも、着いたぞ」

 

 

老人がそう言うと、ミライ達は目を見張る。ミライ達の前には長い階段がある祭壇があり、その祭壇の上には今までの物よりも強いオーラを放つ鏡があった

 

 

「行くぞ、もう時間も少ないからな……」

 

 

管理者はそう言うと、階段を上り始めた。ミライ達も管理者と同じように階段を登り始める。そして五分程登ったところで鏡をの前に到着する。鏡の枠は金等が埋め込まれた豪華な造りの枠組みであり、鏡自体にも円状に呪式が刻まれていた

 

 

「これが、移し身の鏡……」

 

 

ミライ達が鏡に見とれていると、老人が鏡の隣に移動してミライ達を睨みながら言う

 

 

「鏡の前に移動しろ、今から印を教える。私と同じようにして結び、移し身の術と言うのだ。行くぞ……」

 

 

老人はそう言うと印を結び始める。ミライ達は鏡の前に移動し、老人の手元を見ながら同じように印を結び始める。そして最後の印を結ぶと老人は話し出す

 

 

「忍妖界に戻りたい時は、この印を逆の順で結べばいい。人間界の何処に居ようと、印を結べば必ずここに戻ってこれる。この鏡は、転移者のチャクラを記録するからな。覚悟は良いな?」

 

「「はい!!」」

 

 

 

ミライ達が大きな返事をすると、管理者は笑みを浮かべて嬉しそうに話し出す

 

 

「いけ!若者達よ!!」

 

 

「「移し身の術!!」」

 

 

管理者がそう言うと、ミライ達は術を発動させる。そして鏡が淡く光り出し、呪式が赤く光り出すと、ミライ達を鏡の中へと吸い込む。そしてその光景を、どこか懐かしむように、管理者は見ていた

 

次に続く……

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