一般的異世界日帰り旅行   作:地獄星バロー

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どうやらこのブラックホールもどきは、俺が元の世界に戻れるの関係していると見ていいだろう。

 

このように普通じゃないことはこの普通の世界には起こることはない、

 

ならば、普通じゃない世界の住人である俺に関わってるんだろう。もしくは昨晩の作戦が成功したかなんかだ。

理由は分からんがこの事態はチャンスであり、ピンチでもある。

 

もしこのままこの世界に残れば確実に死ぬし、アムルもレッカも消えて無くなるだろう。

 

だから、もう選択肢は1つしかない。アムルとレッカ、3人で一緒に俺の世界に戻ってやろうじゃないか。

 

と、いうことなので現在アムルと一緒にレッカの家に向かってるなうってところだ。

 

「レッカァ!!」

 

レッカの家に着いた俺達は叫んだ。しかし、返事がない。なんでだよ…

 

「まさか、私達と同じ様にレッカもどっかに飛び出したんじゃ?」

 

とアムルは推測する。確証がないがあり得る。アムル、一応家の中に入って調べてくれ。

 

俺は付近を探してくる。レッカの家の玄関で待ち合わせよう。

 

「うん、分かった!ちゃんと戻ってきてよ!」

 

実は俺は宛がある…………

 

訳などなく、ただひたすら走りまくってレッカの名を叫んだ。あまりにも必死すぎて気が付いたらどこがどこだが分かんなくってた、が迷うことはなかった。

それは当然だ。俺達がこう時間を喰ってる間にもブラックホールもどきも活動してる訳で俺らがいる場所も吸い込まれ始めたのだ。だから今現在戦争に巻き込まれた街の様なザマで、おかげで辺り一面見渡せれるのだ。だからどこがどこだろうが大体把握出来る。

幸いにもレッカの家はまだ残っていたし、アムルもそこにいた。

SF映画の様な被害に巻き込まれた俺も危うく死にかけたがなんとか無事だ。

 

結局手掛かりを掴めなかった俺はもう吸い込まれたのか…という最悪な可能性も否定出来ずに家の玄関に戻ろうとした。

 

その時、俺は見つけた、

 

1人の少女が崩れた街の中に佇んで泣いているところを。

 

レッカだ。おい…何してんだ。

 

「きっしーさん…私、怖いんです…次から次へとおかしなことが起きて…私の中の価値観が壊れるのが…もう無理なんですぅ…いたっ」

 

俺は気が付いたらレッカを殴っていた。

 

「俺だってこの世界に来た時、最初はそうだった。苦しい、辛い、なにもかも違う…でもレッカのお陰で分かった。何万光年先は遠い未来じゃない。それは時間の単位じゃなくて、例え何もかもがバラバラな俺達でもきっと分かり合える時が来るって。レッカ大先生の演説のお陰で色々見方が変わったよ。ありがとな、だから生きよう。元の世界で俺は絶対お前と普通について口論したい…」

 

「元の…世界で……分かりました。さっきの嘆きは無しにしてください。どうやらきっしーさんはまだ普通の良さが分からないようですからね!」

 

レッカは自分に言い聞かせたように立ち上がった。

 

それでこそ俺が知ってるレッカだ。

 

そのすぐ後、アムルが俺とレッカの元に走って来た。どうやら説得していた俺を見つけたらしい。

 

やっと2人と心が通じた。

 

しかし、ブラックホールが目の前を立ち塞がる。ここまでか…

 

でも、後悔なんかしてなかった。

 

 

 

 

 

 

 

俺はその時、赤、青、緑色に輝く巨大な光のような何かに助けられた気がした。

 

でもはっきりとは思い出せないし、もしかしたら今までの冒険は夢だったのかもしれない。

 

俺が目覚めた場所は俺が倒れた近くの総合病院だった。親によると散歩してた時に貧血で倒れて、一日中目を覚まさなかったらしい。

 

ただ、発見された時、同じ場所見知らぬ2人の少女も倒れていたという。

 

 

紫のショートと青のツインテールの女の子が。

 

 

その2人とはすぐに仲良くなった。

しかも偶然にも、GW明けに俺の小学校に転校するという。

 

え?名前はなんだって?はて、難しい漢字の名前だから忘れちまったな。

 

でもまた会えるし、その時にまた名前を聞けばいい。

 

 

こうしてよく分からないまま終わった日帰り異世界旅行だが、俺も今はだんだん忘れつつある。

 

もしかしたら本当はレッカやアムルじゃない名前だったかもしれないし、普通な世界じゃなかったかもしれない。

 

でも、病院で出会った2人も同じ夢を見ていたらしいし、今は転校前の街より面白いことや悲しいことが沢山起きて、前よりずっと楽しいと2人は言っている。

ひょっとして、それ転校前じゃなくて転生前じゃ、と俺は言うがその後いつも2人に「はい?」と見られるので深く考えないでいる。

 

だが、俺はあの出来事から1つ学んだことがある、誰になんと言われようと、俺が今いる世界は普通じゃない、非日常の塊だって。

 

そう考えた方が、前よりずっと楽しくいられる。だからあれから6年経った今の俺は精一杯非日常を楽しんでいる。

 

 

 

きっと全ての決着がつく時が来るだろう。その時に、俺の新しい冒険が始まるんだ。

 




この物語の続きはこちらです。
https://syosetu.org/novel/162351/

更にその続きです。
https://syosetu.org/novel/171046/

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