この静かに暮らしたい殺人鬼に平穏を!   作:究極生命体になりかけた男

11 / 14
久しぶりの投稿。
楽しみにしてださった方には本当に申し訳無い。
もう一つお詫びしなければならないのが今回から分割して投稿しようとしている事です。
そうしないとモチベが持ちそうにないので…orz
でも書きたい。
ストーリーの進行がアニメの再放送にも抜かれるという始末。
本当にすみません。
投稿速度が伸びるといいなあ…。

ジョジョ五部、やっとボスが登場しましたね。
ヌメヌメ動いてビックリした。
それより最近杉本鈴美の声優がルナと同じと知ってビックリした。


吉良吉影は冬を越したい
ジェントリー・ウィープスな冬 その①


…まただ、また爪が伸びる。

目に見える速さでグギギと不快な音を立てて伸びている。

ほんの数秒の間に一センチも伸びてしまった。

人は爪が伸びるのを自らの意思で抑えられないように、胸の内に秘めた『性』を隠したままにする事はできない。

急激に爪が伸びる時期とはそういう時期だ。

 

思えばこの世界に転生してからというもの、まだ一人として私の側には『彼女』ができていない。

【キラークイーン】で始末してやろうとした事はあったが、それでもまだ人を殺してはいない(厳密には【キラークイーン】で爆弾に変えても死なないというのが正しい。この世界の人間は不死身なのか)

 

私の目指す『植物の心』のような『平穏な生活』がこの世界には無い。

私の『性』は完全に鎖で縛られている。

つまり爪が伸びる時期というのは、精神的に追い詰められている時期という訳でもあるのだ。

 

「…すまない。何を言っているのか全く理解できないのだが…?」

 

私は今冒険者ギルドのクエストの受付カウンターにいる。

そこで申し訳なさそうな態度で私と話しているのはギルド職員の女だ。

彼女の名前はルナ、受付嬢をしている。

私が亀ユーに勤めていた頃の同僚なら「彼女の名前は『ルナ』。仕事は熱心にこなすし、可愛らしさただよう顔と物腰をしているため、男性冒険者にはもてるんだぜ」と自慢げに紹介している事だろう。

 

「大変申し上げにくいのですが、キラヨシカゲ様に八百万エリスが請求されています…」

 

「そんな事を言っているんじゃあないッ!!なぜ私が八百万エリスもの大金を払わなければならんのかと聞いているんだッ!!」

 

いきなり八百万エリスもの大金を払えと言われても、「はい分かりました」と答えられるはずが無いだろう。

八百万エリスという額は、はっきり言って今の私にとって払いきれない額だ。

そこまでの額の請求をされる覚えも無いし、ふざけているのか?

 

「それがですね、この前魔王軍幹部のデュラハンが襲来した時にアクア様が街の門を破壊されてしまったので、その修繕費としてアクア様が所属しているパーティーには合計四千万エリスが請求されているのです…」

 

融通が効かない女だ。

それだけに可愛らしい手と顔が勿体無い

私の下にくれば清い心になれるというのに、殺す事ができないのは辛い事だ。

今すぐにでも背後から忍び寄って、そのポキリと折れてしまいそうな首を絞めてやりたい。

だが、そんな事はしない。

彼女が居なくなるって事は、その分私達冒険者に支障を来たす事に成りかねないからね。

 

「私は正式にはあのパーティーには属していない。ただの雇われ冒険者だ、この請求は私には関係無い」

 

私に門の修繕費が請求するってのは、的外れな事だ。

寧ろデュラハン戦で一番貢献したのは私なのだから、特別報酬が出ても良いくらいじゃあないのか?

事実、デュラハンにトドメを刺したのは他ならぬ私だ。

 

「パーティーには属していなくても、クエスト中に出てしまった損害賠償は、その時のパーティーメンバーが連帯して負わなければならないという規則になっていますので…」

 

「待て待て待て待て。それじゃあ尚更私は関係無い。何せデュラハンが襲来してきた時のクエストは、私は単独で参加したのだからな」

 

「え?ですが、クエスト終了後に記入された書類には、アクア様のパーティーメンバーの欄にキラヨシカゲ様のお名前が…」

 

「は…?そんな話聞いていないぞ。…そういえば、デュラハンを倒した後にクエスト完了の報告をギルドにしてくると言っていた。あのくそったれ女神……やってくれたなッ!」

 

女神といっても疫病神が良いところだ。

いつも何か良くない事を巻き起こす。

今回に限ってはクエスト終了後の重要な書類に、人様の名前を勝手に書き込むという始末だ。

常識しても度が過ぎる。

そもそも文明的なレベルに差があるからか、この世界の法律は日本みたいに厳格な整備がなされておらず、かなりいい加減な所が多い。

本人確認ぐらいまともにしろ。

 

「どうかされましたか?」

 

「…いや何でも無い」

 

何を言っているんだ私はッ!

何でもあるんじゃあないかッ!

不当な借金を背負わされようとしているのだぞッ!

 

「そ、そうですか」

 

「何でも無いじゃなくてどうにかならないのか?」

 

「そう仰られましても規則だとしか言いようが…。正式な手続きが踏まれた上で、キラヨシカゲ様を含めたパーティーにデュラハン討伐の報酬が支払われてしまっていますので、取り返しがつかないと言うか何と言うか」

 

「何だとォ!?そんな話、聞いちゃあいないぞッ!私を蚊帳の外においてする事じゃあないだろ…ッ!!」

 

「そういう理由もあってパーティー登録及び賠償の取り消しは不可能になっていますね…」

 

この吉良吉影が多額の借金を背負わされるだと…ッ!

『平穏な生活』を目標している私が、どうして毎度毎度こんなにも酷い目に遭わなければならんのだ…ッ!

いつも通りならまだマシだが、今回の場合は生活そのものに直結する非常事態だ。

もはや『『安心』なんてない所』だとか、そういった尺度で計り知れる事ではない。

 

「あの小娘、今度こそ【キラークイーン】の能力で消し飛ばしてやるッ!!」

 

「キラヨシカゲ様、落ち着いてください!!」

 

こうして四面楚歌な世界で、借金という新たなトラブルを抱える事になってしまった。

今日は一段と爪の伸びが早い。




分割投稿という事は小ネタ集が増えるね!ヤッター(小並感)

ルナ「裁いてもらうがいいわッ!」

吉良吉影「わたしはいくら…払わされるんだ……?あ…ああ」

ルナ「さあ……?でも『安心』なんてない額(・・・)よ…少なくとも…………」四千万エリスドーン

吉良吉影「うわああああああああああ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。