この静かに暮らしたい殺人鬼に平穏を! 作:究極生命体になりかけた男
急にお気に入りなどが増えてビックリ。
皆さん、ありがとうございますッ!!
このペースが続くといいなぁ。
最近北斗の拳を読み返したんだけど雑魚達が楽しそうだと思った。
世紀末って何でこんなにバイタリティに溢れてるんだろうか。
私には常日頃から強く願っている事がある。
それは『植物の心』のような『平穏な生活』を送る事。
この思想は子供の頃から変わらない不変の真理であり、これからも揺らぐ事は無い、絶対だ。
だから、私は空条承太郎達に追い詰められようとしていた時も杜王町から決して逃れる事は無かった。
この信念があったからこそ私は【キラークイーン】無敵の能力【バイツァダスト】を発動させる事ができた。
あの時感じた深い『絶望』が私を『成長』させてくれたのだ。
この世界に初めて来た時と同様、最悪な時にこそ『チャンス』は訪れる、私は自分に味方してくれる『運命』を信じている。
しかし、時として『運命』は非情である。
私の目の前にあるのは膨大な借金の山。
あろう事か、私は最低でも八百万エリスもの借金を抱える事態になってしまったのである。
私は抜き差しならない状況に途方に暮れていた。
この件に関してはもはや私の手だけに負える話ではない。
私はひとまず宿屋に戻って今後の方針について考えを整理しようとした。
しかし、信じているはずの『運命』は私にそんな事をする時間さえも与えてくれない。
私は有無を言うまでも無く宿屋から追い出されてしまった。
そして、挙げ句の果てに貯め込んでいた所持金もその大半が借金の返済へと持っていかれてしまった(【
あまりにも酷過ぎる仕打ちだ。
これだけでもかなり厳しい局面に突入しているというのに、季節はもう既に冬を迎えてしまっている。
この世界の冬はまつ毛が凍りつく程に寒いらしい。
杜王町と同じだ。
寝床が無い生活を送る事になれば最悪の場合、凍死してしまうかもしれない。
未曾有の危機だ。
「あの小娘、絶対に殺してやるッ!!」
それだけに私をこんな人生における深淵に陥れたアクアには、自分でも底の見えない怒りを感じている。
トラブルには巻き込まれ、借金まで背負わされるという始末。
『屈辱』を感じるし、深い『絶望』に落ち込んでいる。
私は今『運命』の『下り坂』に立たされているのかもしれない。
本当に私の人生には浮き沈みというものが多い。
多額の借金を抱える私は行く当ても無いので、腹わたを煮えくり返すくらいの苛つきを噛み締めながらも、ギルドへと足を運んだ。
「あ!ヨシカゲじゃない!」
そこで偶然居合わせたアクアが呑気に私の下まで駆け寄ってくる。
側にはいつもの三人がいる。
よくもまあ、能天気に私の側に駆け寄ってこれるものだ。
「【キラークイーン】…」
「へ!?」
アクアにかけてやる憐れみや慈悲なんてものは無い。
【キラークイーン】でアクアの顔面を鷲掴みにして爆破させてやった。
だが、相変わらず黒焦げになって倒れるだけで、木っ端微塵に吹き飛ぶ事は無いようだ。
言うまでもなく、これだけで私の気は治る事は無い。
できる事なら、じわじわとなぶり殺しにしてやりたい。
広瀬康一をなぶった時以上の苦痛を与えてから。
「このくそったれが!疫病神か貴様は!」
「どうして私が……」
養豚場の豚を見るような目でアクアを見下ろすと、アクアは口から黒煙を吐いてその場に倒れ込んだ。
「またですか。一体アクアは何をやらかしたんです?」
近くにいためぐみんがやれやれと呆れたようにため息を吐く。
他人事みたいに言うが、貴様も関係者なんだぞッ!
【接触弾】を爆裂魔法で掻き消されずデュラハンに命中させられれば、一撃必殺とまでいかなくても多少なりダメージになっていたはず。
そうしたら、アクアに
「出会い頭に爆破とは羨ましいぞ!いつもアクアばかりずるい!」
誕生日プレゼントを買い与えられた子供のようにダクネスは目を輝かせる。
罵ると逆に喜ぶから口には出さないでおくが、その被虐嗜好はどうにかならんのか?
おかげで得体の知れないものを見た時のような、不穏な身震いが止まらなくなるじゃあないか。
「ご褒美じゃねえんだから。しょうがねえなぁ〜〜〜ッ!…って吉良さん、またこのバカがどうしかしたんですか?」
カズマはダクネスに悠長にツッコミを入れた後に、恐る恐るといった様子で私の顔を見る。
わざわざ私の口から説明しないと分からないか?
いや、どうせアクアの事だから私にも借金が課せられてしまった事を話しちゃあいないんだろう。
「どうもこうも無い。この小娘のせいで一人八百万エリスも借金を背負わされているそうじゃあないか」
「ああ…その事ですね…」
「お陰で私は所持金の大半を持っていかれるは、宿屋を追い出されるはで大忙しだ」
「え………………」
カズマはまるで雷に打たれたみたいに絶句して、顔を俯かせる。
その表情は肥溜めに溺れかけたネズミなんかよりも絶望しきっている。
やはりカズマは私の借金の事をアクアから聞いていなかったようだ。
そして、大きく空気を吸い込むと大きく口を開いた。
「………アクアが本当にすみませんでしたああああああ!!」
カズマはドラムを叩くように顔面を何度も地面に叩きつけ土下座する。
最初はアクアに魔法の指示を出したカズマも吹っ飛ばしてやろうと思ったが、何だか気が引けてきた。
…アクアに対してはもう何も言う事は無い。
「デカい声を出すんじゃあない。変に視線を集めちまうじゃあないか。顔を上げたまえ」
どんな窮地に立たされようとも私の『平穏な生活』を求める気持ちは変わらない。
しかし、四千万エリス(一人八百万エリス)という膨大な借金の前では元も子も無い話だ。
「謝罪は要らない。重要なのは四千万エリスもの膨大な借金を返す手立てがあるのかという事だ」
「…無いです。地道にクエストをこなして、その報酬で返済するしかないです…」
カズマは土下座の体制のまま顔を上げる。
出血してはいないが、額は真っ赤になっている。
借金返済の為に命の危険と隣り合わせのクエストに行かなければならない。
果たしてこれが人類の脅威である魔王軍の幹部を倒した私達に対する正当な待遇なのだろうか。
私はただ『平穏な生活』を求めていただけなのに…。
アクアが唱えた魔法が原因で招いたこの現状だが、私達に何の救済処置も施そうとしない政府や法律もクソったれだ。
この街の領主にはクレームを入れてやる。
「……やはりひたすらクエストに行くしかないか…。四千万エリスなんてシャレにならん額だぞ………」
しかし、文句ばかり言ってはいられない。
こうなった以上、暗闇よりも深い闇に進むべき道を切り拓く『覚悟』をせねばなるまい。
『平穏な生活』のために借金という名の『試練』を乗り越える『覚悟』を持つのだ…ッ!
過程や方法などどうでも良い。
借金を完済するという『結果』のみが今の全てだ。
借金を返せれば良かろうなのだ。
「激しい『喜び』はいらない。その代わり深い『絶望』も無い。『植物の心』のような『平穏な生活』こそ私の目標だったのに………。このくそったれ共が…ッ!」
再び爪が伸びるのを感じる。
爪が伸びているというのに、絶好調どころか絶不調だ。
「…クエストへ行こう」
「え?今なんて…?」
「クエストへ行こうと言ったのだよ。アクアが蒔いた種を刈り取ってやろうと言っているのだ。…私が自らクエストに行く事を提案するのが意外だと思っていたのかね?」
「あ、まあ…確かにそうは思いましたけど…」
「あのマヌケが門を破壊なんてしなければ、こうは言わなかったがね…。…で、どうなんだ?クエストに行かないのか?」
「これから行こうとしてたんですけど、どのクエストに決めようか悩んでて…」
「白狼の群れの掃討に、一撃熊の討伐…。どれも物騒そうなものばかりだ」
クエスト掲示板に張り出されたクエストの依頼が書かれた用紙を一通り見る。
この冬という季節には、ジャイアントトードのような雑魚は冬眠に入ってしまい、受注可能なクエストはどうしても高難度のものに限られてしまう。
馬小屋生活がメジャーらしい冒険者にとって冬という季節は凍死してしまうリスクがある(どんなに生活が苦しくても馬小屋で寝泊まりするのは絶対にご免だ)。
冬の過酷さはモンスターとて例外ではない。
モンスターはモンスターで餌となる食物がメッキリと減ってしまい、モンスター同士の生存競争はさらに熾烈さを増すのだ。
そんな過酷な冬に生きるモンスターは血肉に飢えた獰猛なモンスターばかり。
それだけ冬のクエストは初級冒険者が受けるにはハードルが高い。
「…機動要塞デストロイヤーの偵察?」
私の視界にとある奇妙な内容のクエストが入り込む。
機動要塞デストロイヤー、子供が見るような怪獣映画にでも出てきそうな安っぽいネーミングのモンスターだ。
いや、でも要塞というくらいなのだからモンスターとは違うヤツなのか?
「カズマ、これは興味本位の質問だが、ここに貼られている機動要塞デストロイヤーという何なのだ?」
「分かりません。俺も初めて見ました」
「そうか」
「二人ともあの機動要塞デストロイヤーを知らないんですか?機動要塞デストロイヤーといったら、ワシャワシャと動いて全てを蹂躙する子供達に妙に人気があるヤツです」
「そうだ。それに加えて巨大で高速で移動する」
めぐみんとダクネスが、機動要塞デストロイヤーとやらについてガサツながらも教えてくれたが、正直イメージが湧かない。
カズマも私と同じ事を思っているようだ。
名前からして絶対に遭遇したくないような物騒なヤツだという事だけは確かだ。
もっともそんなヤツと遭遇する事なんて
「かなり有名なヤツっぽいな…」
「そうみたいですね」
「それは当然だ。なんたって機動要塞デストロイヤーなのだからな」
「話を戻すが、クエストはどうするのだ?」
「「「…」」」
何も考え付いていないのが、丸分かりなくらいに息詰まるカズマ一行。
「雪精なんてどうかしら!!」
ムクリと起き上がって、声を張り上げるのは先程の【キラークイーン】で爆破されたはずのアクア。
こいつはスタンドに対する何らかの耐性でも持っているとでも言うのか。
そう思うとなんだか段々と気が滅入ってくる。
「復活早っ!!」
カズマの声がこだました。
吉良めぐみんその③
めぐみん「第一の爆弾ッ!くっ…」倒れる
デュラハンの城 ドグオオオン
カズマ「今日の爆裂は80点かな」
めぐみん「よく分かってるじゃあないか」
カズマ「まあそれなりにはな」
めぐみん「しかしキラークイーンの能力一回だけで力尽きてしまうとは体力の無さを実感したよ」
カズマ「確かにそうだ」
めぐみん「今度スポーツジムで『体力』をつけなくっちゃあな。でもあーゆートコでは、一週間もフロに入ってないヤツがチン…」
カズマ「だからその見た目で言うなああああ!後世界観ンンン!」