この静かに暮らしたい殺人鬼に平穏を! 作:究極生命体になりかけた男
展開とかは考えついてるのに、その展開に至るまで工程というか道のりが中々思いつかない。
とはいえ、書いてたら一万字を超えちゃった。
だから、次回に分割してそれぞれ加筆だ!
文字数的には今の量で丁度良いですかね?
後、報告するまでの事じゃありませんが、少々表記を変えました。
一旦、読者の方にとってはどうでもいい話はそこらへんに置いときますね。
ジョジョのアニメのクオリティ、ヤバくね?(語彙力)
ここでアニメの感想を書いてしまうと、相当な量になりそうなので最新話の感想だけ言いますと、ギャングダンスがディモールト良しッ!
プライベートでの話なんですが、今自宅にリゼロ1〜9巻、オーバーロード1〜6巻、ジョジョリオン最新巻まであるのに、それぞれ読む時間が無い(これ書いてる暇があるなら読めというツッコミは無しで)…
…以上、前書きに何を書けばいいのか分からなくなってきた作者でした。
魔王軍幹部の襲来から早一週間が経った。
特に何のトラブルも無くのんびりと過ごしていた訳なのだが、一つだけ気懸りな事がある。
それは吉良についての事だ。
吉良は魔王軍の幹部のデュラハンとスタンドを巧みに操り戦っていた。
ポッと出の中ボスとは訳が違う魔王軍幹部なんて、俺たちのような駆け出し冒険者が手に負える敵じゃねえだろと思っていたが、吉良は魔王軍幹部のデュラハンとほんの短い時間だけとはいえ接戦を繰り広げた。
吉良は日本にいた時から、既に
それはともかくとして、めぐみんとアクアは吉良が戦っているのにも拘らず、遠慮無しに思い切り魔法を叩き込みやがった。
デュラハンには大ダメージを与えられたみたいだが、吉良は巻き込まれて敢え無く撃沈。
俺が最も恐れているような事態…以上の事が早くも起きてしまったのだ。
こうして、めぐみんとアクアの魔法が炸裂するとともに、俺の胃はとうとう終わりを迎えた。
「で、この前の事はどう説明してくれるのかね?」
「そ、それはですね………」
「思えば、この世界に来てからというもの、災難ばかりだ。平穏な生活を目指しているというのに、現状は真逆の事ばかり。くつろいで夜も熟睡できない。妙な敗北感まで覚えてきたよ」
俺と吉良はギルドにいた。
目の前にいるのは吉良吉影。
俺は今吉良の目の前で正座させられている。
小学生が先生から叱られるように、俺は吉良に説教的な事をされていふる。
吉良は愚痴をこぼし、俺はこの場を切り抜ける口実を考える。
っていうか、当事者のめぐみんとアクアがいないんだよ。
「す、すみません。めぐみんとアクアが…」
「言い訳はいらない。君はパーティのリーダーなんだろ?それならパーティメンバーをしっかりと管理するのが、リーダーの職務ってモンじゃあないのかね?」
「…ッ」
ぐうの音も出ない正論。
パーティメンバーを管理するのがリーダーの義務だとは認めるが、こういうのって連帯責任が妥当だよな?
なのに、ヘイトが向いているのは俺だけ。
何これ?理不尽過ぎて泣きたい。
「…別に怒っている訳じゃあない。確かにこの世界に来た時から、本当にロクな事しか起きていないとは感じてはいるがね」
そう言いつつ、【キラークイーン】がその手に持っていたペンをHBの鉛筆をへし折るように、ベキッと握力だけでへし折った。
これでビビるなという方が無理のある話だ。
俺だってこの世界に来てロクな事しか起きていないと感じている。
吉良に限った事ではない。
現にこの状況だってそうだ。
結局のところ、一番苦労しているのは間違いなく俺だ。
「……………」
ドドド…と漂うドス黒いというか、ブルッちまいそうな雰囲気。
うん、これ絶対怒ってるヤツだ。
本人は至って平常の態度を装っているんだろうが、怒りを全く隠しきれていない。
「おっと、ギルドのペンをへし折ってしまった。後で弁償しなくっちゃあな」
何というか、冷静さを保とうとしている態度が逆に怖い。
性格的に言えば、ネチネチと説教を垂れる教師よりも、タチが悪い感じじゃないんだろうか。
ただでさえこんななのに、スタンドという転生特典にも遅れを取らない、同等の能力を持っているのがさらに怖い。
『触れた物を爆弾に変える』能力。
それが【キラークイーン】の特殊能力。
なんとも殺意マシマシの能力だ。
正気の沙汰じゃない特殊能力をもっているからこそ(それだけではないが)、余計に吉良を怒らせたくなかった。
「カズマとヨシカゲ!こんなとこで何してんのよー?さっさと私のクエストを手伝って欲しいんですけどー」
その場の空気を読まず、俺と吉良がいるところに呑気にアクアが駆け寄ってくる。
「【キラークイーン】!!第一の爆弾ッ!!」
「へっ!?」
それは唐突な出来事だった。
ボン!と痛快に響く爆発音。
吉良は【キラークイーン】でアクアを吹っ飛ばした。
ちょっ、いくら何でも怖すぎだろ!!
呑気なアクアの様子を見て苛つきの臨界点を迎え、吉良はプッツンしたのであった。
流石に堪忍袋の尾が切れたらしい。
あの感じからしたら仕方が無い事だが、やっぱり人は怒らせるもんじゃないな。
特にこの男の場合は命取りになりかねない。
プシューと口から煙を吐きその場に倒れ込んだ黒焦げのアクア。
まさに因果応報というものだ。
自分がやった行いは、いずれ巡り巡って自分に返ってくるように世界ができているらしい。
「よく呑気に私の前に姿を現せたものだ。理解に困る」
「ど、どうして………プハッ…………」
「……一旦はこれで良しとしておくか」
吉良の気分は少しだけスッキリしたようだ。
それを見て何だか俺もスッキリした。
アクアは尊い犠牲になったのだ。
その反面、吉良は「何故【キラークイーン】の爆発を喰らってこの程度で済むのだ…」などと不服そうにブツブツ呟いていた。
本来だったらどうなるはずだったんだ…?
想像するだけでも恐ろしい。
アクアか倒れて黒焦げになっているのを、羨ましそうにダクネスが見ていたのは言うまであるまい。
「私にも今のしてくれないか?」
「だめだ」
♦
「いいからクエストを請けましょうよ!」
「「えー………」」
「私は元々君たちに雇われている身だから文句は無い」
「私も構わないのだが…」
クエストに行こうと提案するアクア。
それに対して、俺とめぐみんは不満の声を漏らし肩をすくめる。
吉良とダクネスは特に不満な様子は無い。
ダクネスは不満が無いというよりか、モジモジと興奮しているように見えるが。
モンスターに蹂躙される妄想でもしていたのだろう。
現状としては、魔王軍幹部の影響で掲示板に張り出されている受注可能なクエストは高難度のものに限られてくるし、懐が潤っている訳だからわざわざクエストを請ける必要が無い。
「カズマもめぐみんもお願いよおおお!もうバイト生活なんて嫌よおおお!!」
断ろうとしたところでアクアは食い下がりそうにない。
前に受けたゾンビメーカーの討伐も失敗に終わってしまい、収入源がバイトするくらいしか無かったのだ。
しかし、そんな事は俺の知った事ではない。
乗り気じゃない俺とめぐみんを見て、アクアは藁にも縋るような思いで泣きながらクエスト同行を請う。
「…ったく、しょうがねえなぁ。丁度良いくらいのレベルのクエストなら手伝ってやるよ」
アクアがあまりに泣き叫ぶので、俺はアクアのクエストを手伝ってやることにした。
この調子で駄々をこねられてはキリがない。
「このクエストはどうかしら?」
「それくらいなら簡単そうだし別にいいだろう」
アクアが掲示板から、『マンティコアとグリフォンの討伐』といういかにも物騒そうなクエストを持ってきたので、言うまでも無く一度は却下した。
選び直した結果、決定したクエストは『汚れた湖の浄化』。
前者と比べれば比較的に簡単そうなクエストだ。
浄化、水の女神がやりそうな事ではあるな。
そう考えれば、水の女神であるアクアうってつけのクエスト…なのかもしれない。
湖の浄化をするだけで、三十万エリス貰えるから割と美味しいクエストだと言える。
「…で、君が湖を浄化している間、私たちはそれを邪魔するモンスターから護衛していればいいんだね?えっと、確かブルータルアリゲーターと言っていたっけか?」
目的の湖にブルータルアリゲーターというモンスターが出現するとのこと。
それに加えて、パーティ内で浄化魔法を使えるのはアクア一人だけだ。
アクアが再起不能になればこのクエストは詰みである。
だから、アクアが湖を浄化している間は、アクアがモンスターに襲われないように護衛しなければならない。
湖の浄化は半日くらい掛かるらしいので意外とキツい。
「そういう事ね。ほんの一、二週間前までチート持ちとはいえ無知の素人だったというのに、随分と冒険者として様になってきたんじゃないかしら、ヨシカゲ」
「お前は人の事言ってられんだろーが」
謎の上から目線な態度のアクアに俺はツッコミを入れる。
まだ冒険者稼業でまともな生活を送れていない奴が、言える台詞じゃないと思うのだが。
「…余計なお世話だ。私のスタンドをチート呼ばわりするとは心外だ。チートというのはイカサマ、騙すという意味であって、私のスタンドとは違う。一緒にしないでくれたまえ」
(初めて出会ったときから思っていたが、コイツ、この吉良吉影を馬鹿にしているのか……ッ!)
アクアの言葉に眉をピクリと動かす吉良。
苛立ちを感じているようだ。
吉良さん、怒りを隠しきれていませんよ。
いつもアクアは俺をヒヤヒヤさせやがる。
チート呼ばわりされたくない気持ちは分かるが、そう呼ばれるのも仕方がない。
実際吉良がチート持ちである事は間違いではないし。
「…ところで、興味本位で聞きたいのだが、湖の浄化とはどのようにやるのかね?やはり魔法を使うのかね?」
「そうね。手で水に触れて浄化魔法をかけ続ければいいわ」
「日本とかだったら、浄水場や何やらで薬撒いたりとかして水を浄化してたんだろうが、魔法というのはつくづく便利なモノだ」
「これも私が高貴な水の女神アクアだからできる事よ!」
「…別に私は神とか信仰している訳じゃあないし、かと言って否定するつもりじゃあないが、女神を自称するのはやめた方が良いと思うのだが。カルト的な宗教信仰者がいたら、何をされるか分かったもんじゃないからな」
真剣に人を心配するように吉良はアクアを諭す。
誰にも女神として認知されていないアクアだが、日頃の態度や性格からして仕方のない事だ。
俺もアクアの事を女神と思った事無いし。
安全面から考えても吉良の考えは正しい。
「何よおおお!私は正真正銘、水の水の女神アクアよおおおお!」
「魔法か。覚えておくのも悪くなさそうだ」
「ちょ、ちょっとヨシカゲえええ!!」
「この世界でしか使えないものなのだから、覚えておきたいかもな」
アクアを鬱陶しく思ったのか、吉良は泣き喚くアクアをスルーして話題を逸らそうとする。
アクアのメンタルがやたらと豆腐みたいに柔らかく感じるのは、吉良の対応が冷た過ぎるから、そうなっているに他ならない。
この世界に来てメンタルを鍛えられた俺でもあんな感じで迫られるのは正直キツい。
多分、メンタルを根こそぎ抉られるだろう。
「魔法ですか!それなら爆裂魔法を覚えてみてはいかがでしょう!!」
「ん?」
吉良の言葉に激しく反応するめぐみん。
まるで獲物を目の前にした肉食獣のようだ。
かなり爆裂魔法に執着しているらしい。
「ヨシカゲの【キラークイーン】の能力も爆裂させる能力ですし、魔法でも爆裂を極めましょう!」
「…そうか」
「まず魔法に爆裂魔法以外の選択肢はありえません!そう、ありえませんとも!」
「…ああ」
「【キラークイーン】プラス【エクスプロージョン】!爆裂二刀流ッ!どう考えても絶対にカッコイイです!!」
「…そうだな」
「さあ共に爆裂道を歩もうじゃありませんか!!」
「……考えておこう」
爆裂系統の技が二個に増えたとしても無意味だろ。
無意味というより、たった一撃の爆裂魔法の為だけに、めぐみんのように力尽きても困るというのが本音だ。
まあ、これはめぐみんに限っての話だから、いらぬ心配だろう。
それに、爆裂二刀流って何だよ。
言葉の響きがカッコイイのは認める。
吉良はめぐみんの爆裂道への熱心な勧誘を適当に受け流す。
気のせいか、めぐみんの背後に妖刀を持った二刀流の銀騎士のヴィジョンが見えた気がした。
「取り敢えずだ。アクアが安全に湖の浄化をできるようにすればいい訳だろう?それなら俺に良い案がある」
「その案とは、本当に大丈夫なんだろうな?日頃の君たちを見ていると心配だ」
吉良の心配をよそに、俺たちは早速街の近くにある目的の湖に向かった。
♢
目的の湖は依頼にあった通りに濁り淀んでいた。
モンスターなんて現れそうに無い程の汚れっぷりだが、ブルータルアリゲーターには住み良い生息地らしい。
「あの…今の私、売られていく希少モンスターみたいな気分なんですけど……本当にこれでやるの………?」
「当たり前だろ。俺の考えた完璧な作戦に何の不満があるんだ?」
「不満しかないわ」
モンスターの運搬用のオリの中に入っているアクアが俺に話しかける。
オリは鋼鉄製で並みのモンスターが攻撃したところで、頑丈なので壊れる事はまずありえないだろう。
絵面的には酷いものではあるが、モンスターに襲われてもオリの中のアクアにまで攻撃は届く事無く、安全に湖の浄化ができる。
そういう訳で、アクアをオリに入れた状態で湖の深さの浅い所に投入した。
後は時間が経過するのを待つだけだ。
「…安全に作業を進める点では理にかなった作戦ではあるが、もっと別の方法は無かったのかね?」
「考えついた限りではこれが最善の策だと思います」
「……そうか」
何とも言えないような複雑な表情の吉良に俺はそう答えた。
♦︎
「ブルータルアリゲーター、現れませんね。このまま何事も無く終わってくれたら良いのですが」
「湖の浄化には半日掛かるとは聞いたが、こんなにも長いとは思いもしなかった…。……ブルータルアリゲーターとやらが現れていないだけマシだと思うべきか」
「そうですね」
めぐみんと吉良はフラグとしか思えない台詞を息を吸って吐くようにサラッと言う。
アクアをオリごと湖に投入して二時間が過ぎた。
俺たちはアクアが湖を浄化しているのをじっと見ていた。
「……何だ?奥の方に何か見えるが……」
「えっ?何処です?」
「あれって、もしかして…」
「噂をすれば何とやら…」
と、ダクネスが突如、湖に謎の物体が現れた事に気づく。
しかも、物体は少なくとも四、五個以上はある。
アクアがいる方へとゆっくりと迫ってくる物体、いや、あれは生物だ。
その生物は地球に存在しているワニと酷似した見た目を持つ、ブルータルアリゲーターだった。
「カ、カズマさん!なんか群れでやってきたんですけど!!」
姿を現したブルータルアリゲーターの群れを目の前にして、アクアはオリの中から凄まじい絶叫を上げた。
「群れでブルータルアリゲーターが現れたみたいだが.彼女は大丈夫なのかね……?」
「…………多分」
「まあ、私の知った事ではないし、どうでもいいがな」
吉良の問い掛けに対し、自信無さ気に答える。
まさか、ブルータルアリゲーターが群れで行動するモンスターだとはちっとも思ってもいなかった。
想定外の事態に少し不安になった。
♢
「【ピュリフィケーション】ッ!【ピュリフィケーション】ッ!!」
一心不乱に浄化魔法の【ピュリフィケーション】を唱えるアクアの声が響く。
上級職であるアークプリーストの冒険者とは、思えない程の喚きっぷりだ。
ブルータルアリゲーターの群れがオリを囲み、それを
オリからメキメキと金属音が響き、それがオリの中のアクアの恐怖心を煽る。
アクアが湖の浄化を始めて四時間近く経過していた。
「ちょっと今、メキッて変な音がしたんですけど!鳴っちゃいけない音が聞こえたんですけど!!」
アクアは泣き叫ぶが、モンスターにそんな事が分かるはずもなくオリを噛るのをやめない。
「本当にこれで大丈夫なのかね?」
「…ちょっとヤバいかも」
「最近、先の展開が何となくだが、分かる気がしてきた」
俺たちはその光景を見ているしかなかった。
精々できることといえば、湖からオリを引き上げてクエストをリタイアするくらいのことしかない。
しかし、アクアがクエストリタイアを選ぶ訳も無く…。
「【ピュリフィケーション】ッ!【ピュリフィケーション】ッ!」
ただただ浄化魔法を湖に掛けているだけだった。
「……ハァ…………」
「ため息なんか、ついてないでどうにかしてよ!!」
「やれやれだ…」
アクアを見かねた吉良は気怠そうにため息を吐くと、アクアは自分勝手な物言いで吉良に助けを求めた。
しかし、助けに行こうにも、ブルータルアリゲーターが群れでオリを襲っているところを、助け行くのは非常に無謀な行為だ。
魔法でブルータルアリゲーターに遠距離攻撃すれば、それはそれでよいのだが、生憎、俺のパーティでまともに攻撃魔法を使えるのはめぐみんしかいない。
ただし、湖諸共吹っ飛んでしまう事になるという条件付きであるが。
「……仕方がないな。その代わり文句は無しだ」
「何でもいいから早く助けてよ!!」
「よし、ゆけ【シアーハートアタック】」
『コッチヲ見ロォ』
【キラークイーン】がいつものように幽霊かの如く姿を現わす。
そして、左拳を握りしめ前に突き出す。
すると、その拳からギャルギャルとキャタピラ音を立て、禍々しい声を上げる不気味な見た目をした物体が射出された。
その物体は【シアーハートアタック】というらしい。
何かデジャヴを感じるが、今は気にしないでおこう。
「何です!あれは!?」
「【シアーハートアタック】。【キラークイーン】の左手から射出される追撃爆弾だ」
「追撃爆弾!?」
「随分と固そうだな」
めぐみんがヒーローやヒロインに憧れる子供のような眼差しで吉良を見る。
厨二病気質のあるめぐみんの心には、どストライクだったに違いない。
ダクネスの言い方は卑猥にしか感じられない。
追撃爆弾…相変わらず物騒な吉良のスタンド能力だ。
爆弾というくらいなのだから、ブルータルアリゲーターに近寄らずとも攻撃が可能…なのかもしれない。
「【キラークイーン】第二の爆弾【シアーハートアタック】は狙った標的は必ず仕留める」
(彼らの反応からして、墓場での出来事とかはバレていなかったみたいだな)
「おおっ!」
第二の爆弾…そういう事か。
吉良は【キラークイーン】のスタンド能力を使う時、毎度「第一の爆弾」と言っていた。
今回射出した【シアーハートアタック】が第二の爆弾だと言うのなら、『爆弾に変える』能力が第一の爆弾という事になるのだろう。
そう考えれば、つじつまが合う。
接近戦だけでなく、飛び道具を用いた遠距離戦も可能という何ともチートな性能だ。
『コッチヲ見ロォッ!!』
ブルータルアリゲーターの群れ目掛けて突撃する、正面に髑髏のついた青いボディの爆弾戦車【シアーハートアタック】。
【キラークイーン】といい、【シアーハートアタック】といい、ごく普通の元サラリーマンのおっさんが操るにはあまりに物騒な力だ。
「おお!ブルータルアリゲーターの群れに突っ込んでいきますよ!!」
「爆弾なんだから当たり前だろ」
爆弾は投げ込むものだと知らないのか?
でも、自らが爆弾として標的を自動追尾するっていうパターンは、珍しい気がする。
『コッチヲ見ロッテ言ッテルンダゼッ!!』
随分と自己主張の激しい声を上げながら、ブルータルアリゲーターとの至近距離まで突入する。
そして、パワフルな爆発。
爆発によって砂埃がモクモクと巻き上げられる。
めぐみんの爆裂魔法と比べたら大した事は無いが、それでも威力は十分だ。
「ちょっと嘘でしょ!!私も巻き込まれたらどうすんのよ!!」
「文句は無しだと言ったはずだ」
「そんなのありえないから!」
「少しの間だけだ。我慢したまえ」
【シアーハートアタック】の爆発を目の前にして、悲鳴と抗議の声を上げるアクア。
しかし、吉良はそれを躊躇する様子は全く無い。
仲間を助けるというよりも、日頃のこの世界に対する私怨を晴らしているようにしか見えない。
ただの八つ当たりだ。
これを我慢しろと言うのだから鬼だ。
「見てくださいカズマ!あの【シアーハートアタック】、爆発しましたよ!」
「言われなくても見りゃあ分かる」
「なんだかとても楽しそうだな」
「絶対に行くなよ」
「なっ、何を失礼な!」
「いや、止めなかったら行くだろ」
それぞれ別の意味で興奮するめぐみんとダクネス。
その原因となった吉良にも後始末をしてもらいたいものだ。
それが野暮な話だという事は十分理解している。
「後はのんびりと待つだけだ」
「え…待つだけですか?爆発し終わったのに?」
「【シアーハートアタック】の爆発は一度きりではなく。そう
「え…なにそれ!?」
巻き上がった砂埃が晴れると、そこには無傷の【シアーハートアタック】の姿があった。
おまけにブルータルアリゲーターが大きくダメージを受けている。
爆発程度では傷一つさえ付かない上に、何度でも高い威力で爆発するというトンデモ性能を兼ね備えている。
ダイヤモンドのように最高位の硬度を誇る代わりに、ハンマーで叩くだけで砕けるという事は無い。
「ヨシカゲ、【シアーハートアタック】とやらは爆発だけじゃなく、頑丈さにかけても凄そうだが、どれくらい硬いのだ?」
「…そうだな……私の知る限り、最も強い、『時を止める』能力を持つスタンド使いを相手取っても、破壊できない程には頑丈だ」
(…空条承太郎だ。私が最も警戒していたスタンド使い…。)
「『時を止める』能力だと…ッ!?そんな事ができるのか!?……時を止めてからのプレイも………。いや、でもその場合、体感が無いのでは……」
「………何か勘違いをしていないか?」
(アクアやめぐみんのように、特に問題を起こしているわけではないとはいえ、ここまで酷いと気が引ける…)
【シアーハートアタック】から『時を止める』能力に完全に興味を移し、ダクネスは一人で興奮している一方で、吉良はそんなダクネスにドン引きした。
『時を止める』能力って、そんな能力を持つ人間が日本にいたっていうのか!?
吉良の周りの人間はどうなってんだよ!
そして、どんな所に住んでたんだよ!!
吉良という男が俺の中でどんどんヤバそうな人間となりつつある。
というか、ダクネスの発想が非常に残念だ。
『今ノ爆発ハ人間ジャネェッ!!』
【シアハートアタック】の不気味な声が聞こえると、再び爆発が起こった。
ブルータルアリゲーターという標的を始末し終えるまで、爆発し続けるのであろう。
アクアがブルータルアリゲーターの群れに襲われるだけでも、悲惨な状況だったのに、【シアハートアタック】の乱入により、まさにカオスな状況になってしまった。
「よーし!これで万事解決だな!」
「これの何処が万事解決なのよおおお!!」
アクアは今まで一番大きな悲鳴を上げた。
感想の返信で次話でミツルギが登場するとキッパリ予告したばかり(一ヶ月前)なのに……スマンありゃウソだった
吉良「バイツァダスト…。爆殺させ時を巻き戻す能力…」
ダクネス「それだったら恥ずかしい事し放題だな」
カズマ「やっぱり発想が変態だ…」
吉良「このやりとり自体を無かった事にしておこう…。バイツァダスト!!」
???「ザ・ワールド・オーバーヘヴン」