スーパーナメック星人、突然変異により生まれた高い戦闘力を有するナメック星人に与えられる呼び名である。
かつて、ナメック星人全滅の危機に陥った異常気象のさい、ピッコロ、最長老、そしてスラッグの他に生き延びたものがいたという…
そのナメック星人は悪の心により力を得たスラッグの対となる存在であった。異常気象の際には逃げ遅れるも持ち前の体の丈夫さで奇跡的に耐え抜きその後他の星に脱出したという。
現在、ナメック星人は異常気象ではない理由で全滅の危機を迎えている。
フリーザ軍による村人の虐殺が行われているのだ。
原作、と呼ばれるものと全く同じ時間である。
フリーザの命令により、フリーザ本隊とは別行動でドラゴンボールを回収していた部隊があった。
この部隊を率いるフリーザ軍の兵士アプールは、村長のムーリにドラゴンボールを寄越すよう迫っていた。
既に村のナメック星人が二人殺されている。
「何があっても、心の汚れた者にドラゴンボールを譲る気はない!」
「強情なじじいだ!ならば、今度は全員あの世に葬り去ってからドラゴンボールを奪わせてもらう!行くぞお前ら!」
アプールの部下が飛び出した瞬間、その部下の首が彼方に飛んでいった。
「だ、誰だ!」
アプール達も、ムーリの村の者達も、そこに立つたくましい一人のナメック星人に視線を送っていた。
「あ、あれは…」
ムーリは気が付いた。かつて悪の心で同族を脅かしたスラッグを封じ込めるかのように誕生したもう一人のスーパーナメック星人。この星にたどり着いてからは戦闘タイプ故に卵を産めぬとされていたが、自分の寿命が近づいたとき、一人の子供を産み死んでいった。そのとき生まれたナメック星人。スーパーナメック星人ムーツの唯一の子孫、ムーツジュニア。
正義の心を持つが、気性が比較的荒く、自分にも他人にも厳しく接する彼は、どこの村にも属さず一人暮らしているという。その戦士が、ナメック星人全滅の危機の為に姿を表したのだと。
「貴様らだけか?この星を荒らすものは」
アプールはフリーザのことを話そうとはしなかった。しかし、アプールの中のフリーザ様に報告すれば倒してくれるだろうという心の余裕を見透かされた。
「貴様らのボスはどこにいる?」
「し、知るものか!お前ら!奴を殺せ!」
アプールの部下は瞬きをするまもなく全滅した。
「貴様のボスに報告しろ!今すぐこの星を離れるなら見逃してやるとな!」
アプールは慌ててフリーザの元に飛んでいった。
「ムーリ、大丈夫か?」
「ムーツ、助かったぞ。しかし、他の村は既にいくつか壊滅させられている。どうか、残っているナメック星人を救ってくれぬか?」
「承知した。ところで、奴等の狙いはドラゴンボールなのだな?」
「そのようだ」
「もし、我がいないときに奴等が来たら、おとなしく渡してくれ。安心してくれ、我が必ず取り返す。今は、命を第一に考えてれ」
ムーツは逃げたアプールの気を追い、まだ見ぬ敵のボスの元へと向かった。
ネイルが皆に親しまれ頼りにされる表のヒーローだとすれば、ムーツは皆にあまり親しまれぬがネイル以上の力を持ち、万が一の時に現れる裏のヒーロー。
もし、ムーツが敗れるようならばこの星に希望はない。頼んだぞ…ムーツジュニア!
ムーリの願いはひとつだけ、これ以上犠牲者を出さないことだった。
前々から考えていた作品なのですが、あまり長くならなそうなので投稿させていただきます。