フリーザが拠点となる宇宙船を止めている大地ここでアプールの後を尾行していたムーツは、敵のボスであるフリーザを目視で確認した。少し離れた岩場から隠れて見ていたのにも関わらず、フリーザの強大で邪悪な気は、身が震えるほどのものだった。
アプールがフリーザに先程のことを報告した。耳のよいムーツはそれを聞き取り、彼らは逃げる気がないのを確信した。
不意討ちでフリーザを倒す。それがムーツの考えた最良の作戦だった。
ムーツは本能的にフリーザが本気でないのを理解していた。それと同時に今ならばフリーザを倒せることも理解していた。
自らの戦闘力を最大まで高め、フリーザの身体を目掛け突撃した。
推定戦闘力60万の拳が、フリーザの腹に穴を開けた。
それは、フリーザが初めて命の危険を感じるほどのダメージを受けた瞬間だった。
「フリーザ様!?」
回りにいた兵士が事態に気付き、一瞬にして現れたムーツを迎撃する。
兵士を倒すのに時間はかからなかった。しかし、フリーザはその僅かな時間で変身を終えていた。これは不意討ちによる奇襲に失敗したことも意味していた。
「貴様か、アプールが言っていたナメック星人は」
ムーツは黙っていた。口を開ければ、目の前に聳え立つ悪の具現化のような気の恐怖に負けてしまいそうだったからだ。
「言え!」
両手でムーツの体を掴む、その動きの速さにムーツは何も出来なかった。
「何も話さないならば貴様の五体をひとつずつ引きちぎる」
フリーザは始めにムーツの左腕を引きちぎり、空の彼方へと飛ばした。
「ぐぅ!」
ムーツから悲痛の声が漏れる。
「ドラゴンボールはどこの村にあるか?貴方はわかりますよね?」
「知るものか!」
「ほう…」
フリーザはムーツの右腕を引きちぎり、先程とは反対方向の空の彼方へと腕を飛ばした。
「貴方ほどの実力者が何も知らないはず無いでしょうが。全く、ナメック星人は何故こんなに強情なのですかねぇ」
「……」
「また黙りますか!」
ムーツの右足を引きちぎり、足で踏み潰した。
「この世に悪が栄えた試しはない。かつてのナメック星でもそうだったと聞いている。もし、ここで俺が死んだとしても貴様は誰かに倒されるだろう」
「やっと喋ったかと思ったら…下らないことを。今まさに貴方の言う悪が栄えているのですよぉ!」
フリーザはムーツの左足を右手で握りつぶした。
「これで後は頭だけ…どうやら貴方も他のナメック星人同様愚か者のようですね。それほどの力があれば、私の護衛だって任せられる存在でしたのに」
「貴様の護衛をするくらいならば死ぬほうがマシだ」
「くっくっく、ならば死になさい!」
ムーツの頭をもぎ取り、腕同様空の彼方へと投げた。
その場に残った体はしばらく痙攣したあと完全に硬直し、ザーボンによりベジータが運び込まれ復活する際に、ベジータのエネルギー波に巻き込まれ消滅したという。
展開をかなり早めにしてます。即座に完結させるくらいの気持ちです。