先のムーツとの対戦を考慮し第二形態に変身したフリーザはネイルを抱き抱え丸腰のムーツの背中を串刺しにしようとした。が、ムーツは衝撃波でフリーザを吹き飛ばした。
「ネイル、覚悟は出来てるか?融合するぞ」
「ああ、後は頼むぞ。ムーツ」
第二形態が通用しないと悟ったフリーザはすかさず第三形態に変身した。しかし、その第三形態も既に時代遅れとなっていた。
表のヒーローと裏のヒーローが融合して生れたスーパーナメック星人を越える存在。それはフリーザが恐怖していた伝説の超サイヤ人に勝る恐怖をフリーザに与えた。
フリーザは最終形態となった。100%の最終形態に…
両者の実力は均衡していた。だがムーツにはフリーザほどの技が無かった。そこだけが有利不利を分けるポイントであった。
しかし激しい肉弾戦のためフリーザの優位的な遠距離からのデスビーム等の技が使用できなかった。唯一の有利不利は自動的に消えていた。
ムーツとフリーザの拳がぶつかり合えば下の大地にクレーターが生まれ、ムーツとフリーザの蹴りがぶつかり合えば大気が星を一周するほどの衝撃波を生んだ。
どこまでも戦闘に合理性を求めた戦いをしているムーツの攻撃はフリーザには読みやすかった。
先代ムーツはスラッグとの戦いを通して同等の戦力での戦い方を心得ていたが、今のムーツは先程まで均衡した勝負を経験してこなかったため、技術や戦術を必要とする勝負にはあまり長けていなかった。
完全にムーツの攻撃を読みきり繰り出したパンチを、避けたフリーザは尻尾でムーツを捕縛し、サンドバッグ状態にした。
「おーほっほぉ!これで終わりですよぉ!」
フリーザのデスビームがムーツの額を貫こうとしていたその時。
「気円斬!」
フリーザの背後からクリリンの放った気円斬が襲い掛かった。
孫悟空と合流したクリリン達はブルマを連れてくる途中に二人の戦闘に遭遇したのだ。
「ちっ、目障りな奴め!」
フリーザは尻尾をムーツから離し回避に専念し、その後クリリンを爆散させた。
「クリリーン!」
孫悟空は怒った、そして超サイヤ人へと覚醒したものの、原作とは地の力が違いすぎ、二人の戦いに介入することはできなかった。
しかし、クリリンの気円斬により九死に一生を得たムーツはフリーザの背後から接近し、気を腕に込めフリーザの背骨を殴った。
吹っ飛んだフリーザは孫悟飯の元に飛んでいったが、超サイヤ人になり動きが追えるようになった孫悟空が孫悟飯を抱き抱え、紙一重の差で衝突を回避した。
激しい力の衝突により、二人の戦った場所は荒れた土地となっていた。水の上で戦えば大きな津波を生み、ムーツの守るべきナメック星そのものが危険な状態となっていった。
「貴方ほどの強者は初めてですよ、ただ貴方はただ私に勝つだけではいけない。それが、私の勝機となるのです」
「どういうことだ?」
「こういうことですよ!」
フリーザは天高く飛び、特大のデスボールをムーツに投げた。
「おーほっほっ、星を守らないといけないというのは大変ですねぇ~この攻撃を避けてしまえばこの星は三十分後には爆発するでしょう」
ムーツはデスボールを両手で受け止める。自分の力では押し負けることは無かったが押し返すこともできなかった。
「ほう、中々頑張りますねぇならこれでどうだぁ!」
フリーザはだめ押しのデスボールを追加した。
「くぅ!たかがエネルギー球のひとつやふたつ…私は負けはせんぞ!」
しかし、気持ちだけでどうにかなる問題ではなかった。ムーツは徐々にデスボールに押され始めていた…
そのデスボールとムーツの衝突による力の揺れは、生き残ったナメック星人の住む村からもわかった。
「…行くぞ」
「長老、今何とおっしゃったのですか?」
「我々も行くぞと行っておるのだ」
「ムーツの元にですか?」
「そうだ」
「ならば我々若い者に任せてください。長老様は子供達を守ってやってください」
「……すまん、任せた」