ケレンツェラ~世界の墓場・異常者の楽園~   作:(´・ω・`)レンジ

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(´・ω・`)レンジです。第5話が完成しましたのでよろしければお付き合いください。


第5節 異常更生施設

逃げるかの様に教室に入り込んだ…。

 

ここに来てディーナの様子に変化が出た。

 

ディーナは何も喋らなくなり…。全てに興味をなくした顔をしていた。

 

そして教室の中には誰も俺の存在に反応する奴もいなかった。

 

「俺がいた世界では人気者になっていてもおかしくないシチュエーションなのにな。」

 

そう呟く…。クラスの連中は全員下を向き…。そして震えていた…。

 

そこに唯一知っている顔が声をかける。

 

「歩か…。ここは異常者が異常と思う…。場所…。ここに来る時に聞いたであろう…。この学校こそが更生プログラム施設なのだよ」

 

放送が流れる。

 

「ようこそ!! 久しぶりな人は久しぶり!! 昨日会った人はおはよう!! みんなの指導者グロヴィッツだよ!! 今日から新学期だよ~!! みんなが心躍らす新学期!!  良い響きだよね~♪ みんなは今年も更生プログラムを受けてもらって社会の適合するように頑張ろうね~。」

 

放送からグロヴィッツの陽気な声が聞こえてきた。

 

「私も心が痛いのだよ…。私の同胞達が更生プログラムを受けて悶絶して発狂してる姿を見てると凄く胸がね……。こう……。ウキウキするんだよね~!!! 私はレートGだから外の異常者からすれば私は更生不可能と判断されてるから、もうこの施設に通う事なんて無いんだよね~♪」

 

グロヴィッツはあざ笑いながら言葉を続ける。

 

「これから君たちの担任の先生がもう少ししたら到着すると思うんだけど…。逆らわないほうが良いと思うよ~♪ 何たって今年担当する奴らはレートFだからね~♪ 下手に逆らうと簡単に殺されるから気をつけてね♪ アハハハハ」

 

「当然だけど逃げる事は出来ないよ!! 君たちはこの異常になる為の苦痛を受けるかわりに、この天国にいるんだから!! 当然だよね? 逃げる奴は拘束して私の研究施設に来させるように担任に指示してるから、まぁ私に会いたいと言うなら無理にとは言わないけどね~。」

 

「おっと、時間のようだね~。もう少し話していたいところだが仕方ない…。君たちが更生して異常者になる事を期待してるよ!! じゃあね♪ アハハハハ」

 

グロヴィッツの放送が切れた。

 

その直後に教室全体が騒ぎが起きた…。

 

全体がその絶望を何らかの形で表現していた…。

 

泣き喚く・自分の手を掻き毟る・ノートにひたすら書き残す奴…。

 

俺は何故このように反応するのかが全く理解不能だった。

 

ディーナは呟く。

 

「レートF………。奴以来だな……。私がこのクラスにいるって事はそういう事か……。こんな事をしでかすのは奴ぐらいか……。今年は運が良いかもしれないな…。」

 

そういっている内に教室の扉が開く…。

 

今…。この扉が開く…。それは…。

 

俺は知らないうちに…。口に出していた…。

 

「レートF…。」

 

そして、そのレートF…。俺達の担任が姿を現した…。

 

俺は………。何も言えなかった……。ただ震えた……。あの恐怖を昨日知ったばかりだったから……。

 

担任は言った。

 

「今日からこのクラスを受け持つ事となった……。クローバーJだ……。最初に言っておく……。私はお前達を異常者にする気も無いし、プログラムも受けさせる気もさらさら無い…。」

 

「何故ならここは楽園だから!! 苦痛を感じる事は地獄と同じ!! だから私はここに居る!! 私もこの役割は最初は辞退したんだ…。けどね…。フフフフフ………。そこに金の卵がいれば話は別だよ……。その卵がどんな形で孵化して成体になるか私は凄く気になる!! こんな役割、誰にも譲るわけないでしょう!!」

 

その後にも何か言おうとしていたが…。

 

それをディーナの声が遮った…。

 

「クローバーJ!! 会いたかったぞ……。やっと……。やっと表舞台に引きずり出せた!! 壊してやる!! 殺してやる!! 骨の形すら判らないぐらいにな!!」

 

クローバーJは無表情でかつ威圧するかのようにディーナに返した。

 

「吼えるな………。犬は黙ってろ…。」

 

「お前も廃人にして検体にしてやろうか? アリッサと同様にな……。アハ…。アハハハハハ。」

 

「お前は歩が成長する踏み台だ……。アリッサの時のようにより良い人材に育成してくれたまえ!! アハハハハ。」

 

ディーナが狂気に染まった顔でこちらを向く。

 

「そうか…。お前はJのお気に入りなんだ……。じゃあ一週間なんて待たなくていいや……。ルールなんていいや!!! Jはアタシの世界に一人しか居ない友達を殺したんだ!! じゃあ、Jのお気に入りをこわしちゃえ……。エヘヘ。」

 

Jは淡々と言葉を返す。

 

「やってみればいいだろう…。どうせ無駄に終わるがな……。所詮万年レートDのお姫様にはこの金の卵には勝てないだろうがな。」

 

「まぁ、殺された場合は本気で貴様をとことん陵辱して精神を犯してやろう…。ディーナ・ワーデン」

 

ディーナは声を荒げてJに叫ぶ。

 

「その後は、貴様だJ!! 貴様の全てを壊してから殺してやる!! 全てを奪ってやる!!」

 

そして、ディーナは俺に笑顔で。

 

「私のために死んでね♪ お前がJのお気に入りだから悪いんだ。」

 

俺は…。逃げるのではなく…。戦う決意を固めた…。

 

おそらく幾多の悲しみを背負った少女を壊したのは別の人間だとしても…。

 

ここまで狂わしたのは紛れもなく奴だ…。俺は覚悟した。

 

「俺は死なない…。お前をこの呪縛から解放してやる…。」

 

ディーナは怒り狂った

 

「知った口を利くな!! アリッサは…貴様と違う!!」

 

この教室で初めてJが大声で言葉を発した。

 

「時間は本日の13時!! それ以前に死合を始めた場合は、ディーナ・ワーデン……。今度は何を壊させたい? アハハハハ」

 

ディーナは時間だけを聞き、教室を飛び出した…。

 

そしてJは俺に近づき…。

 

「君なら勝てるよ…。私が保障してあげる……。君は素晴らしい人材だ!! 来年まで待てないよ!! 君の過去…。そして私が…。島越 藍の時から気になっていたんだからね。アハハハハ」

 

俺は初めてJの狂気を感じなかった……。俺は……。

 

俺は…。彼女を救いたい…。ただそれだけを考えていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




(´・ω・`)レンジです。
ここまで見てくれた閲覧者様方ありがとうございます。
新キャラが登場しないので、少しこれからの投稿頻度でも書かせていただきます。
私自身あまり書きなれていない事もありまして、書く速度も遅いので4~5日間隔で投稿出来たらと思っています。
なるべく早く投稿できるよう精進していきます。

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