ケレンツェラ~世界の墓場・異常者の楽園~   作:(´・ω・`)レンジ

8 / 8
(´・ω・`)レンジです。第8話が完成しましたのでよろしければお付き合いください。


第8節 異常の花が満ちる時

「ここからは、我も見ているので不明瞭な点はないと思われる。」

 

と前置きを挟んで、デスタは話を進めた。

 

「彼女は貴様も乗ったであろう電車で連れて来られたのだ。」

 

「そして、貴様も受けた異常度の計測が行われたのだ…。」

 

「結果はその当初最高初期レートのレートDを授かった……。」

 

「しかし、彼女はこの島に着てから言葉を一つも発していなかったのだ…。」

 

「当然だな……。彼女の過去を知っていればその行動にも正当性が伺える。」

 

「まぁ、この島の人間は基本的には自己中心的な人間が大多数を占めるので

彼女に干渉する人間は皆無だった……。たった一人を除いてな。」

 

俺はデスタがその人物の名前を発する前に声にしていた。

 

「その人物こそが……。アリッサなのか?」

 

デスタは表情を変えることなく頷いた。

 

「そうだ……。アリッサ・ビーニング……。彼女の2つ年上にあたる少女だ。」

 

「彼女もレートDにあたる異常者だった。」

 

「そもそも、この島の異常レート検査はレート判定ともう一つの検査が行われるのは知っていたかい? 藤城歩?」

 

俺はJのあの検査の過去を振り返ったがそんな事をされた記憶が全く無く困惑した。

 

「何なんだ? その検査とは? 俺は何の検査をされたんだ?」

 

「俺はJから何もそんな事を聴いてもないし知りもしないぞ!?」

 

取り乱す歩をデスタがトーンを落としたドス黒い声で制止を促す。

 

「取り乱すでない……。貴様はまだ開花していないだけだ……。ただそれだけだ……。」

 

解らない……。一体何が開花してないんだ!?

 

そんな中デスタは話を続けた。

 

「もう一つの検査とはその固体が有する異常の名称だ……。慌てるほどでもない……。」

 

「その当時のディーナは貴様と同様に開花していなかったのだよ…。」

 

「だから、その話しもする必要も無かったという訳だ…。」

 

「アリッサは固体の異常名称が判明されていたのだ。」

 

「アリッサの異常名称は()()()()()()()()。」

 

「その異常名称はまさに彼女を表すには一番であった名称だった…。」

 

「彼女は頭脳明晰であり、明るい性格をしており誰とでも友人を作ろうとした……。」

 

「外の世界では人気者であったであろう人間だが……。この島はそうでは無い……。外の世界の正常がこの島ではどれだけ異常であるか……。貴様も経験したであろう?」

 

「彼女の異常性は突発で起こる、凶暴性にあった……。」

 

「身体の限界を超えた力量で、自らの敵とみなした者を容赦無く血で染めた…。」

 

「表は明るく、友人思いの人間で・裏は自身の赴くままに暴虐を振るう暴君……。」

 

「どちらかしか、その体で生きる事しかできない人間……。片割れが表面化する場合もう片割れは裏で死人となる……。」

 

「まさに……。()()()()()()()()……。これ以上に彼女を表す言葉はなかった。」

 

「彼女は何とかしてディーナに振り向いて欲しかったのだろうな……。」

 

「ディーナに会えば、毎日おどけて見せて……。話しかけ……。」

 

「どれだけ無視されても、彼女は声をかけるのを辞めなかった……。」

 

「何が彼女をそうさせたのか……。我には理解に苦しむな……。」

 

「そして、5ヶ月の月日が過ぎる時……。ディーナはやっと重い唇を開けた…。」

 

「何で私に構うの?一人ににさせてよ……。」

 

「ディーナにとっては拒絶の言葉であったのであろう……。しかし、彼女は嬉しかったのであろうな……。彼女は。」

 

「やっと話してくれた!! 長かったんだから!! だってあなたはこの中で違うと思ったもん!!」

 

「その後も、彼女はディーナに話しかけた……。最初は嫌々ながら対応していたディーナも時を重ねる事により、昔の明るさが顔を覗かせる事も多くなった。」

 

「凄い事に、その翌年には同じ部屋割りで同居する仲までに進んだ。」

 

「レートDで、アリッサとディーナは唯一無二の友人であると言える存在となった。」

 

「アリッサはディーナと関わる事により、今までの突発的な激情発作の頻度が減っていった……。約1週に一度の頻度の発作が月に1度の頻度になったようだった…。」

 

「不思議に発作が起きても彼女の為と言い、自制をきかせれる程に、自身の異常を

制御できるほどの成長を見せたのであった…。」

 

「このまま幸せな時間が続くと誰もが思っていた時に、アリッサに不幸が押し寄せた…。」

 

「ディーナと出会って3年の月日が過ぎたある日…。」

 

「原因不明の常時型での激情が起きたのだ……。」

 

「通常では30分もあればその激情は収まるのだが……。常時型激情を発生してからはその激情時間は4倍以上に膨れ上がり……更に日に日にその時間が延びていった……。」

 

「アリッサの激情状態の被害者はこの島の上層部にも伝わる程の数に達したと聞く。」

 

「しかし、アリッサはディーナだけは……。ディーナだけは傷つけはしなかった…。」

 

「常時型異常を発症し、激情状態で理性も崩壊状態でも関わらずに……。」

 

「彼女は何を思ってディーナに近づいて……。彼女は何を彼女に求めたのか…。」

 

「アリッサとディーナに何かしらの共通点があったのだろうか?我とてその過去の疑問が晴れない…。」

 

「アリッサの過去の経歴は不明であり……。唯一の友と言えるディーナも口を割ろうとしない。」

 

アリッサは過去にどの様な経歴を経てこの島に来たのか……。

 

そして、ディーナに何故近づいたのか…。

 

デスタも第三者としての視点からでしか考えるとしかできない……。

 

俺はデスタに友好的な感情が芽生えた。

 

そして、その言葉を俺は少し笑いながら口にした。

 

「お前も後悔してるんだな……。解らない……。疑問が晴れない……。今の俺と同じだ。」

 

「お前の言い方は基本的に第三者として立った中立姿勢で感情がと乏しい奴だと

思っていた……。けど、違う!! 少し見直したよ!!」

 

デスタは苦々しく笑いながら言った。

 

「我とて、その程度の感情は持ち合わせておる……。ただ、無駄に感情を表に出すと残るのは無念と後悔だけだと知っているからな……。話しを戻そう…。」

 

何故か、最後の言葉は少し悲しそうだった…。

 

「彼女の常時型激情状態が進行していく中で、事態を収束に向かわせる為に上層部が研究員と戦闘専用のレートC部隊を派遣したのだ……。」

 

「上層部の考えは、所詮レートDの異常者1人に対して30を越える戦闘員を向かわせれば事態の収束が約束されると思っていたのであろう…。」

 

「しかし、これを期に状況は深刻さを増す……。」

 

「あろう事かアリッサは戦闘員30人をわずか30分で血で染めたのだ……。」

 

「戦闘専用レートCは通常団体レートでDに匹敵する奴らだ……。それを僅か30分で…。」

 

「予想を裏切る結果に対して、上層部では色々な案が浮上されたと聞く……。」

 

「戦闘専用レートⅮに引き上げ…。又は殺処分にするか……。他にも案はあったらしいが。」

 

「その現状を判断する為に一人のレートFが送りこまれた……。」

 

「レートFは更に細かく階級区分がされており、トランプの絵札で階級が決まる。」

 

「その階級はハーツQ……。そして……。後のクローバJだ……。」

 

遂に、現したディーナの仇……。

 

俺は、彼女の本当の悲劇を知る……。

 

 

 

 




(´・ω・`)レンジです。
ここまでお付き合いありがとうございます。
色々の予定でごたごたしたので投稿が遅れてしまいました・・・。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。