Minecraftの世界に来てしまった高校生 作:q1a-_
徐々に夏の影が見え初める6月後半、俺こと
俺には両親がいない。4年程前に両親がとある事情で海外に出掛けていた時、不幸にも強盗にあい殺されてしまった。その日から俺の人生は変わった。両親が残した遺産はかなり多く、40年遊んで生活しても問題無い程残されていた。無論俺は多少趣味に使うものの遊んで生活する気は更々無く順調に中学を卒業、そこそこ良い高校に進学した。
俺はこの高校に進学したことを後悔するはめになった。理由は、俺の事情を知った不良の同級生がそこそこ高級な品を買わせようと頼んできた。勿論断ったのだが、その日を皮切りに陰湿なイジメを受けるようになってしまった。
更にこの学校の生徒達はオタクを嫌悪する風潮があり、俺がオタクだと知ると高校一の嫌われものになり、俺へのイジメが悪化、3学年になるまでの間、暴行、私物を壊されるなどの悪質なイジメが続いた。無論それ以外の理由もあるが…。
空は灰色の雲に覆われ、少し強めの雨が差している傘へ降り注ぐ。まるで己の心情を知るかのような天候だ。
「はぁ…。学校行きたくねえなぁ…」
今日は月曜日。楽しい土日はあっという間に過ぎ去り、今日から金曜日までイジメを受け続けると考えると憂鬱になる。
中学時代の友人達やMinecraftでメンタルはなんとか保たれているもののこの日はどうしても嫌だ。
俺が憂鬱な気持ちになりながら校舎に入り、下駄箱の靴を取り出す。
靴の中には蛙の死骸や画鋲が入っていたので近くのゴミ箱に捨てる。イジメに大分慣れてきたので一言言わせてもらう。
小学生かお前らは!?もう少し高校生らしいイジメをやれ!あれ、目から汗が……。
「リョウマ君おはよ!」
ふざけたことを考えていると不意に後ろから声をかけられる。振り向くとそこにはギャルゲーのヒロインが現実世界にやって来たと思うほどの可愛らしさを持つ学校一の美少女、
彼女はいじめられている俺に対し何故か接し、俺とそれなりに親しい関係を築いた。俺の虐めの発端である不良も、嫉妬で俺をパシろうとしたとか…。
「桜井、おはよう」
この学校唯一の友人が彼女だとは……、俺はなんて幸せ物なんだ!
「リョウマ君一緒に━━「お、薫ちゃんじゃーん」えっと、何かな佐藤君…」
桜井の言葉を遮ったのは俺へ虐めの発端である
彼は桜井に近付き、彼女の腕を掴む。
「あんな奴ほっといて一緒に教室行こうぜ薫ちゃん」
「えっと、うん」
桜井は声を徐々に小さくしながら頷く。それを見た彼は俺を見ながらニタニタと笑い、桜井と共に教室へと歩いていった。
俺としてはなんとかしたいが、相手は不良。しかも相当喧嘩慣れしているらしく舎弟もそれなりに居るのだとか……。
「はぁ、教室行くか…」
思わず独り言を呟き、教室へと向かう。教室に向かう途中同学年の生徒と何度かすれ違い、皆口を揃えて俺の陰口を言う。
教室に入っても同じく陰口を叩かれる。桜井は友人と楽しく話しているのだが、時折俺を心配そうな顔で俺を見る。当の俺はイヤホンを耳に装着し、お気に入りの曲を聞きながら先日買った本を読む。
それから暫く経ち、生徒全員が揃った頃に異変は起きた。
担任の教師が教室に入る直前、教室全体が白く光だし、俺を含む生徒達の視界を奪う。
「何が起こっているんだこれは!?」
「眩しすぎて何も見えねえぞ!」
生徒達は突然の出来事に対し混乱し、異変を感じた教師がドアを開けようとするが、何故か開かない。
生徒達は急に糸が切れた操り人形の様に倒れ始め、己の意識が遠ざかるのを感じながら意識を失った。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
(ここは……、何処だ?)
気が付くと良く分からない空間に俺は立っていた。辺りを見渡すが何処を見ても真っ白な空間が広がっているだけだった。
(これは、もしかして夢なのか?)
分からないが何故か夢だと思った。試しに頬をつねるも痛みを感じず改めて夢だと実感した。
夢と実感した直後、突然目の前に『M○JA○G』というMinecraftを作った会社のロゴが出現した。
ロゴが出現して少し経過した頃、見馴れたMinecraftのメニュー画面が現れ、画面中央にあったマウスカーソルが勝手に動きだし、俺が普段プレイしているワールドをロードし始めたところでまた意識を失った。