仮面ライダービルド&HUGっとプリキュア 輝く未来をビルドせよ! 作:ブラッド族族長
今回初めてなのですが文字色を使わせてもらいました。
至らぬところあればご指摘どうぞm(__)m
暗雲が立ち込めるスカイウォールの近くの工場では少年、万丈龍斗が怪物に襲われていた。
「うわぁぁ!」
「オシマイダー!」
その怪物の腕はフォークリフトの爪のような形状をしており、特徴的なのは胸に社員証らしきものをぶら下げている。それはクライアス社が使役する怪物、"オシマイダー"である。その近くには若者風な出で立ちをした褐色肌の青年、クライアス社"あざばぶ支社"の係長、チャラリートがいた。
「いい加減、大人しく捕まれよ。万丈龍斗ちゃんよぉ!」
「ふざけんな!またモルモットにされてたまるか!」
「ウッザ。オシマイダー!痛い目見せてやれ!」
「オシマイダー!」
チャラリートの言葉に、オシマイダーは鋭い爪を持った両腕を龍斗に向けて振り下ろす。
龍斗はそれをすれすれでかわし続ける。
「もういい加減諦めてくんない?オレちゃんもリストルさんにいきなりお前を捕まえろって追加の仕事押し付けられて困ってんの。わかる?」
「テメェの事情なんか知るかよ!」
面倒くさそうに言うチャラリートに対して龍斗は言い返しながらオシマイダーに向かって殴り掛かる。
しかしオシマイダーは怯むこともなく、まるで蚊に刺されたような反応をするだけだった。
「ウソだろ…?」
「プリキュアでもあるまいし、普通の人間がオシマイダーに勝てるわけないっしょ!」
「オシマイダーァ!」
自分のパンチが効いていないことに驚いている龍斗をオシマイダーは横から腕で払い吹き飛ばした。
龍斗は工場の壁に激突する。口を切ってしまったのか、口元から血を流す。
「クソ……ここまで…なのかよ…」
「手間かけさせてくれちゃって~…うん?何の音だ?」
壁に叩き付けられ、動かなくなった龍斗をチャラリートは回収しようと歩み寄ると、遠くからバイクの駆動音が聞こえてくる。
それはマシンビルダーに乗った戦兎だった。
「なんだぁ?あのバイクは」
チャラリートをよそに、戦兎は手に持った銃型の武器、ドリルクラッシャー・ガンモードをオシマイダーに向けて撃つ。銃弾はすべてオシマイダーに当たり、オシマイダーはのけぞった。
「なっ…!」
驚くチャラリートに対して戦兎はマシンビルダーから降りた。そして手に赤い兎の顔があるボトル、ラビットフルボトルを振った。すると、戦兎は常人とは思えないスピードでチャラリートから龍斗を抱え離れた。
「ウソだろ?!」
「大丈夫か?」
「その力…お前もあいつらに何かされたのか…?それとも仲間なのか?」
「あいつら…?」
「あの、ガスマスクの連中だよ」
助けた龍斗の言葉に、戦兎は驚きの表情を浮かべた。もしかしたら自分と同じく捕まっていた人間ではないかと。
「じゃあ、コウモリ男を見なかったか?コウモリのデザインがされてる黒ずくめの男…」
「おい!こっちを無視して話してんじゃねぇ!オシマイダー!やれぇ!」
「オシマイダーァァ!」
自分を無視して二人だけで話をしている戦兎と龍斗にチャラリートは苛立ちながら、オシマイダーに指示を出した。オシマイダーはそれに従い両腕を振り下ろした。戦兎は龍斗を抱えながらその攻撃をかわした。
そこにはなとさあや、そしてはぐたんを抱いているハリーが工場の陰からその様子を見つけた。
「あれって桐埼くんと…万丈くん!?」
「あの人が万丈くん?」
「おいおいヤバいで!はよ助けにいかんと!」
「行くよ!」
「ええ!」
そう言ってはなとさあやはスマホに似たアイテム、”プリハート”を構える。
「「ミライクリスタル!!」」
二人はそれぞれピンクと青いハートの形をした結晶、”ミライクリスタル”を取り出し、プリハートにセットした。そしてプリハートの下部をスライドさせ、ハート形へと変わった。
「「ハート キラッと!」」
プリハートを振り、二人はそれぞれピンク色、青色を基調にした衣装に変わっていく。髪の色もそれぞれ変わっていった。
「輝く未来を抱きしめて!みんなを応援!元気のプリキュア!キュアエール!!」
「輝く未来を抱きしめて!みんなを癒す!知恵のプリキュア!!キュアアンジュ!!」
はなは元気のプリキュア、"キュアエール"に、さあやは知恵のプリキュア、"キュアアンジュ"へと変身した。
二人は戦兎たちを攻撃しているオシマイダーに飛び蹴りを放ち、オシマイダーは後ろから倒れた。
「来たな、プリキュア!」
「ここは私たちに任せて!桐崎くんと万丈くんは離れていて!」
「その声もしかして…野々さん!?じゃあ隣の青い子は、薬師寺さん?」
「えっ?薬師寺!?」
声で二人の正体に気づいた戦兎。そのうちの1人がさあやと知ると、龍斗は驚く。
「ウソっ!?一発でバレた!?」
「い、今はオシマイダーが先だよ!エール」
「さっきから無視ばっかしてんじゃ、ねぇ!」
「オシマイダー!」
いきなり正体がバレたことに戸惑うエールを、アンジュが宥める。そんな様子でさっきから無視されてるチャラリートはイライラしながらオシマイダーに攻撃させる。
振り下ろされた腕をエールとアンジュは受け止め、押し返す。
「今のうちに!」
「わかった!ほら行くぞ!」
「お、おう…!」
戦兎は龍斗を連れて工場の物陰に隠れた。そして戦兎はビルドフォンに水色のカメラが描かれてるボトル、カメラフルボトルを差し込んだ。
《《Camera!》
「マスター、モニターできてる?」
そう言って戦兎はカメラフルボトルの力で撮影しているビルドフォンを通じて見ている惣呀に聞いた。
『おう、ばっちり映ってるぞ。にしてもあの怪物、オシマイダーとか言ったか?センサーに反応しない辺り、スマッシュとは全く違うな』
「やっぱりか。多分あの怪物を完全に倒せるのは彼女たちだけみたいだな。もっともさっきの攻撃が効いてたあたり絶対って訳じゃないみたいだな…」
プリキュアたちの戦いを分析しながら戦兎は自分の考えを述べていると、万丈は状況についていけず戸惑っていた。
「なんなんだよあれ…なんで薬師寺が…」
「えっ?お前薬師寺さん知ってるの?」
「知ってるもなにも、俺あいつらに捕まるまでは同じクラスメイトだったからな」
「なるほどな。ってことはお前が噂の万丈龍斗ってことか…」
戦兎は龍斗の言葉に納得し、学園で聞いた噂の人物だと理解した。
「なんでお前がオレのこと知ってんだよ?」
「お前ラヴェニールの生徒だろ?俺、今日そこに転校してきたんだよ」
「そうか。ならオレの噂知ってて当然か…」
そう言って納得した龍斗。その時、空から何かが戦兎たちの後ろに落ちてきた。
それは岩のようなフォルムをした怪人、ストロングスマッシュだった。
「なんだこいつは…あのデカイのの仲間か!?」
「違う、こいつはスマッシュだ。人間が怪人になった姿だ。倒さない限り、何を言っても通じない」
そう言ってると、ストロングスマッシュは戦兎と龍斗に向かって襲いかかる。
それを見たアンジュはすぐに二人の元に向かった。
「桐崎くんたちが危ない!エール、こっちお願い!」
「任せて!」
そう言い交わし、アンジュは戦兎たちの前に出てストロングスマッシュに対峙する。プリハートが青く輝き、アンジュは手を前に突き出す。
「フレフレ!ハート・フェザー!!」
アンジュが突き出した手からハートの形をした青い盾が現れた。ストロングスマッシュの攻撃をそれで防ごうとした。
「フンッ!」
「キャアッ!」
ストロングスマッシュの重たい一撃の前にハート・フェザーは砕け散り、アンジュはその衝撃で吹き飛ばされた。
「アンジュ!」
「おお!なんかわかんないけどいい感じじゃーん!オシマイダー、今のうちにやっちまえ!」
「オシマイダー!」
アンジュがストロングスマッシュにやられたのを見てエールは驚愕する。その隙をついてオシマイダーは腕の爪でエールを持ち上げ投げ飛ばした。
「キャアァァ!」
「エール!」
「は~ぎゅ~…!」
エールもピンチに陥ってることにハリーとはぐたんも声をあげる。
一方ストロングスマッシュはアンジュに止めを刺そうと拳を振り上げる。
「ッ!」
「薬師寺から離れろぉ!岩野郎!」
龍斗は意を決してストロングスマッシュの背中に殴りかかる。しかしアンジュでも通じなかった攻撃を生身の人間である龍斗の攻撃では傷ひとつつかなかった。ストロングスマッシュは後ろを振り向き龍斗に拳で振り払った。
「ぐあっ!」
「万丈くん!」
龍斗が吹き飛ばされたのを見たアンジュは悲鳴をあげる。そんな龍斗を見た戦兎はやれやれと言った顔で龍斗の傍に歩み寄る。
「生身でスマッシュに殴りかかるなんて、いい根性してんじゃん」
「お前…」
「でもま、ここからは俺に任せろ」
そう言って戦兎は懐からあるアイテムを取り出した。それは差し込み口らしきものが2つあり、レバーのようなものが取り付けられたドライバー、ビルドドライバーを腰に着けた。するとベルトが戦兎の腰に巻かれた。
「さあ、実験を始めようか!」
そう言って戦兎はラビットフルボトルと、青い戦車の前面が描かれたボトル、タンクフルボトルを取り出し、振った。
戦兎の周りには、いくつもの数式が現れる。
そして、戦兎はその2本のフルボトルをドライバーの差し込み口に差し込んだ。
《
《BestMuch!!》
ビルドドライバーから電子音が鳴り、戦兎はドライバーの横にあるレバーを回す。するとベルトから管が2本現れ、戦兎の周囲を囲うように出現した。
「なにあれ?!」
「な、なんだありゃ!?」
「何が起こるんや!?」
エールやチャラリートたちも驚きを隠せずにいた。
そして戦兎の周囲に出現した物体、スナップライドビルダーの前後にはそれぞれ、赤い右側、青い左側の人型の型のようなものが出現した。
《Are you Ready?》
「変身!!」
その掛け声と共に、前後のハーフボディは戦兎の方へ向かい結合された。
そこには顔に赤いラビットの横顔、青い戦車の側面が左右にあった。
《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!!Yeah!》
それが、戦兎が変身する戦士、仮面ライダービルド
ラビットタンクフォームの姿であった。
その姿に、エールたちプリキュアや敵であるチャラリート、そして龍斗やハリーたちは驚愕していた。
「勝利の法則は決まった!」
決め台詞を言うと、ビルドR/Tはストロングスマッシュに向かって兎のように飛び上がる。そしてストロングスマッシュの懐に飛び込むとパンチによるラッシュで殴りかかる。
「オラオラオラッ!」
「グオッ!」
ラッシュし、ストロングスマッシュの後ろに回ると、ビルドドライバーから管が現れ、そこからドリルクラッシャー・ブレードモードが出現した。ビルドはそれを手に取り、ストロングスマッシュを切りつける。
「ハッ!なにボサッとしてるんだオシマイダー!お前もやれ!」
「オ、オシマイダー!」
ビルドの登場に唖然としていたチャラリートであったが我に帰り、オシマイダーに攻撃を指示した。
オシマイダーは爪をビルド目掛けて振り下ろした。
「あっ!桐崎くん、危ない!」
「ッ!おっと!」
エールの叫びで、ビルドは気付きオシマイダーの攻撃をドリルクラッシャーで受け止めた。そして青い戦車を思わせる右足を踏み込み、次に赤い左足を使い、飛び上がる勢いで押し返した。
「何ィ!?」
驚いてるチャラリートをよそに、ビルドはそばで倒れていたキュアアンジュに手を差しのべる。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとう…えっと」
「仮面ライダービルド!以後よろしく!」
「ビルド…」
「あの怪人、スマッシュは俺に任せてくれ。あのオシマイダーとかいう方のを頼む」
「わかったわ!」
ビルドに起こされながらアンジュは頷き、エールのもとへ行った。そしてビルドもストロングスマッシュのほうへ向き直る。
「さて、新しいボトルを試してみるか」
そう言ってビルドが腰の横にあるボトルホルダーから取り出したのは、昨日戦ったニードルスマッシュから採取した成分で作られた、ハリネズミフルボトルであった。ラビットフルボトルを抜きそこにハリネズミフルボトルを差し込んだ。
《
電子音と共に再びレバーを回すビルド。するとスナップライドビルダーが出現し、今度は前面に白いハーフボディが形成された。
《Are you Ready?》
「ビルドアップ!」
掛け声と共に前面のハーフボディが結合し、今度は白と青いボディのトライアルフォーム、ハリネズミタンクフォームへと変わった。
「半分色が変わった!?」
「はぎゅー」
ハリーとはぐたんもその姿に驚く。ビルドはストロングスマッシュが拳を振り下ろそうと接近してくる。
「ほいっと!」
「ウアーッ!」
右手の棘状になった握り拳で殴り付ける。すると握り拳の棘が伸び、いくつもの棘がストロングスマッシュに突き刺さる。
その様子をオシマイダーを相手にしながら目にしていたエールとアンジュも驚いていた。
「すごい、桐崎くん…いえ、仮面ライダービルド」
「私たちも負けてられないね、アンジュ!」
「ええ!」
ビルドの戦いに圧巻しながらも自分たちは目の前のオシマイダーに向き直る。オシマイダーは両腕の爪でプリキュアたちを倒そうとするが、エールとアンジュは左右にかわし、懐に飛び込み同時にパンチを繰り出しよろけさせた。
「「はぁっ!」」
すかさず、同時にキックを叩き込みオシマイダーを転ばせるエールとアンジュ。そしてエールは両手にポンポンを出現させた。その時、エールのプリハートがピンク色に輝き出す。
「フレフレ!ハート・フォー・ユー!!」
大きなハートピンク色のハートマークを作りだし、それをオシマイダーに向けて放った。オシマイダーはピンク色の光に包まれた。
「ヤメサセテモライマス!」
という言葉と共にオシマイダーは浄化され消滅し、先ほどまで暗かった辺りの空間は本来の色を取り戻すように明るくなった。
「ヤッベー…リストルさんになんて報告しよう…!」
そんな捨て台詞を吐いてチャラリートは逃げていった。
「やっぱりプリキュアでなら完全に倒せるのか。これはこっちも負けてられないな」
そう言ってビルドは右手の棘で攻撃をいなしながら、ストロングスマッシュを殴り付けて吹き飛ばす。
「これでフィニッシュだ!」
そう言ってビルドはハリネズミフルボトルを抜き、再びラビットフルボトルを差しんで、再びラビットタンクフォームにチェンジした。
《ラビットタンク!Yeah!》
そして再びドライバーのレバーを回し始めた。その様子にストロングスマッシュや周りの者たちも不思議そうに見る。
「ちょっと待ってて」
そう言ってビルドは後ろに下がり、助走をつけるように左足で地面を蹴り、ジャンプした。すると、ストロングスマッシュの前にグラフを模した滑走路が出現し、X軸を思わせる部分がストロングスマッシュを挟んで拘束した。
ビルドは滑走路に沿うように滑り戦車の履帯を思わせる右足を構えキックの体制のままストロングスマッシュに向かっていく。
《Ready go!ボルテックフィニッシュ!Yeah!》
「ハアアアーッ!」
電子音と共に、ビルドはストロングスマッシュに右足のキックを叩き込んだ。
「ハアッー!」
必殺技によりストロングスマッシュは絶叫をあげるように爆発した。
「すげぇ…」
その様子を見ていた龍斗は驚きながらそう言う他なかった。
ビルドは空のボトル、エンプティボトルを取り出し、ストロングスマッシュに向ける。するとストロングスマッシュから粒子が現れ、次々とエンプティボトルに集約された。粒子が全てエンプティボトルに収まると、ストロングスマッシュの姿が1人の男性の姿になっていた。
龍斗は何かを思い出したように男に駆け寄った。
「おい、あんた。ガスマスクの奴らのとこにいたよな?」
「なんの話だよ…ここどこなんだよ?」
「とぼけんじゃねぇよ!」
龍斗の問いにわからないように答える男に、龍斗は胸ぐらを掴む。そしてビルドに向き直って口を開いた。
「本当なんだよ。俺もこのおっさんも体に何かされたんだ」
「お前の話が本当なら…あれはスマッシュの人体実験?」
「なあ。なんの話しとるんや?」
ビルドと龍斗の話にハリーやプリキュアたちも歩み寄って聞く。
「どうして万丈くんが、クライアス社に襲われていたの?」
「それに人体実験って…」
「それは……」
ビルドが話そうとすると、どこからかバイク音が聞こえてきた。その方向を見ると、そこには何台もの黒いバイクに乗った人らしきものたちがいた。
その顔はヘルメットを思わせる形をしていて、体も機械を思わせるものだった。
「あれって…ガーディアン?」
「でもなんか違う…?」
ガーディアンとは難波重工という会社が開発した治安用のアンドロイドである。各都市で配備されている。ちなみに東都で配備されているガーディアンは東都の服を着用しており、機械部分は顔以外隠されている。
目の前にいるガーディアンたちは手に持っているライフルをビルドたちに向けてきた。
〈万丈龍斗ヲ確認。捕獲スル〉
ガーディアンの一体がそう言うと、他のガーディアンが一斉に発砲を開始した。ビルドやプリキュアたちは龍斗やハリー、はぐたんを抱えて物陰に隠れた。
「えー!?いきなり撃ってきた!」
「お前を狙ってるみたいだな…」
物陰に隠れながらビルドは龍斗を見て言う。
その言葉にみんなの視線が龍斗に集まった。
「あのガーディアンも、例のガスマスクの連中のなのか…?」
「かもな」
「どないすんねん?このままやと蜂の巣やで」
「俺がこいつを連れて奴らを引き寄せる。その隙にお前たちは逃げろ」
ビルドはそう言ってビルドフォンにライオンフルボトルを装填し、マシンビルダーに変形させた。
「「スマホがバイクに!?」」
「ほら、早く乗れ」
驚くエールと龍斗をよそに、ビルドはマシンビルダーに乗り、龍斗にヘルメットを渡した。
龍斗は一瞬戸惑うが、ビルドはため息をしつつ後部を叩く。
「乗れよ!」
「お、おう…」
「待って!」
ビルドに言われるまま、龍斗はマシンビルダーに乗り、発進しようとするが、そこにエールが声をかけた。
「気をつけてね…桐崎くん」
「…ああ!ありがとう野々さん。いや、キュアエール!」
そう言い返し、ビルドは龍斗を乗せて、ガーディアンたちが気づくようにマシンビルダーを走らせた。
〈ターゲット発見。追跡スル〉
ガーディアンたちもバイクに乗り、ビルドたちを追跡するよえに走り出す。
「今のうちにワイらも逃げるで!」
ハリーの言葉でエールとアンジュもビルドが行った道とは逆の方向で走り出す。
その様子を物陰から見ている人物に気づくことなく。
*
その頃ビルドは、龍斗を後ろに乗せガーディアンたちからマシンビルダーを駆り逃走を続けていた。
「伏せてろ!」
ビルドが後ろにいる龍斗にいうと、左手にドリルクラッシャー・ガンモードを持ち、後ろから追ってきてるガーディアンたちに向かって撃つ。
そしてドライバーに装填されているタンクフルボトルを取り出し、ドリルクラッシャーのスロットに装填する。
《Ready go!》
「耳も塞いでろ!」
《ボルテックブレイク!!》
ビルドの言葉に、龍斗は右手はビルドに掴まり、片耳を左手で押さえた。
重低音の発射音がドリルクラッシャーから鳴り響き、青い弾丸が何発か発射されいくつかは地面に当たり、大きな爆発を起こす。
その爆発に巻き込まれたガーディアンたちはバイクから放り投げられたり、ひっくり返っていた。
「すげぇ…!」
「まっ、ざっとこんなもん」
ガーディアンたちを巻いたビルドは変身を解除し、戦兎の姿へと戻った。
「さて、このままnascitaにお前を連れていく」
「なんで俺を…」
「お前は連中に狙われている。今家に帰せば奴らに捕まるぞ」
そう言って戦兎はnascitaに向けてマシンビルダーを向ける。
龍斗はその言葉に少しの間黙りこんだ。
「どうしたよ?」
「じゃあ、連絡させてほしい。家に姉貴がいるんだ。たった1人の家族が…俺が無事ってことだけは連絡させてくれ」
「…わかった。でもまずはnascitaについてからだ。急ぐぞ!」
戦兎の言葉に頷き、再びマシンビルダーの戦兎の後ろに乗った。
「っていうかお前中学生だろ?いいのかよバイク乗って」
「乗るときはほぼ変身してるし、バレないように細心の注意は払ってるよ」
「本当かよ…」
「というかお前、ズボンのチャック全開だぞ」
戦兎の唐突な忠告に、龍斗は自分のズボンを見るとチャックは全開で、中のトランクスがちらりと…
「いつから気付いてたんだよ!?」
「割と最初の辺りからだよ」
「なんでもっと早く言わないんだよ!あっ、もしかして薬師寺たちにも…」
「見られてたかもな。っていうか自分で気付けよ馬鹿」
「馬鹿ってなんだよ、馬鹿って!」
そんなやり取りをしながら二人はnascitaへとマシンビルダーを走らせた。
その姿をスカイウォールの縁から見ている男がいた。それは黒を基調としたボディに、胸と顔にはコウモリの意匠が施されている。そして頭部には煙突のような角が生えていた。この男こそ戦兎が探しているコウモリ男、"ナイトローグ"である。
「戦争の始まりだ…!」
ナイトローグは戦兎たちの姿を捉えながらそう呟いた。
文字色どうでしたでしょうか?
本当ならカメラフルボトルとキュアアンジュのあたりは水色にしたかったのですが、カラーコードとかいれてもならなかったので渋々青色になりました。
今後ビルドのベストマッチとかにはなるべく文字色使っていこうと思います。
カメラフルボトルのあたりは私のオリジナルです。
仮面ライダーフォーゼのカメラスイッチ参考にしています。せっかくカメラのフルボトルあるならこういう使い方ありなんじゃないかと思ったので。
次回はビルドの2話よりの話ですが、しっかりプリキュアたちも絡ませられるようにしたいです。
お楽しみに!