仮面ライダービルド&HUGっとプリキュア 輝く未来をビルドせよ!   作:ブラッド族族長

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まる1ヶ月お待たせして申し訳ありませんでした!
なるべく早く投稿できるよう努力致します。

仮面ライダービルドももうすぐ最終回。
ジオウも来月に始まりますが、この小説もその熱に負けないよう頑張ります!

それでは第2話Apartをどうぞ!


第2話 輝きのデストロイヤー
PartA


-桐崎戦兎と万丈龍斗が謎のガーディアンたちから逃げていた頃-

 

「もう1ヶ月になるのか……」

 

ラヴェニール学園から離れた公園のベンチで、金髪の少女、輝木(かがやき)ほまれは空を見て呟いた。

 

「馬鹿龍斗…どこ行ったんだよ…」

 

「あら?ほまれちゃん?」

 

空を見ながら龍斗の名を呟くほまれの前に、一人の長い茶髪の女性、万丈香澄が声をかけた。

 

「あっ…香澄お姉さん」

 

「こんな所で会うなんて奇遇ね」

 

「ええ…そうですね」

 

ほまれの隣に座りながら、香澄は他愛もない会話をする。香澄は初めは明るく振る舞ってはいたが、次第に表情は暗くなっていく。

 

「龍斗…どこに行ったのかしらね…」

 

「はい。私も心配です…」

 

「警察は捜索中だって言ってるんだけど…」

 

「あいつ、お姉さんに心配かけて…」

 

そう言ってほまれは呆れたようにため息をつく。

そんなほまれを見た香澄は微笑みながら言う。

 

「ふふ、ほまれちゃんだけよ。龍斗のことそう言ってくれるのは」

 

「そ、そんなわけじゃ…」

 

ほまれは顔を赤らめながら否定するように手を振ったが、香澄はその様子を微笑みながら見る。

 

「いつか…ほまれちゃんがまたリングで滑る姿が見れること、私も、きっと龍斗も待っているわ」

 

「……」

 

香澄のその言葉に、ほまれは沈んだように顔を見せる。

その表情を見て、香澄はベンチから立ち上がる。

 

「それじゃあ、私は行くわ。もしかしたら龍斗が帰ってくるかもしれないし」

 

そう言い残し、香澄は歩いて行った。

ほまれは一人項垂れながらベンチに一人残っていた。

 

「私はもう…跳べませんよ…」

 

 

 

 

その頃――

 

戦兎は龍斗をnascitaに連れてきていた。

 

「なんだここ?」

 

「俺の居候先の喫茶店、nascita」

 

そう言って戦兎は龍斗を店の中に入れた。

そこにはお客さんが一人もいない店内でコーヒーを淹れている惣呀がいた。

帰って来た戦兎たちを見るなり、よっ!と言って手を振る。

 

「お帰り戦兎。そっちの彼が例の万丈龍斗か」

 

「誰だこのおっさん?」

 

「nascitaのマスターの石動惣呀さん」

 

戦兎がそう言って惣呀を紹介すると、惣呀は淹れていたコーヒーのカップを龍斗に差し出す。

 

「取り敢えずお近づきの印に一杯」

 

「あっ、どうも。………うっ!?」

 

惣呀からもらったコーヒーを一口飲むと、龍斗はその顔をしかめる。

 

「なんだよこのコーヒー…不味い!」

 

「この店にお客さんが一人もいないのは、これが理由」

 

「道理で……」

 

店を見渡して客がいない理由を、龍斗はようやく理解した。そんなことをしていると、戦兎と惣呀は冷蔵庫のほうに歩いていく。

 

「まあ挨拶はここらへんにして、ついてこい」

 

「ついてこいってどこへ?」

 

「地下だよ。その方がゆっくり話せるからな」

 

そう言って惣呀は冷蔵庫の扉を開けた。その先には地下室への道だった。

その光景に龍斗は驚きを隠せずにいた。

 

「すげぇ…秘密基地って感じだな!」

 

「まあ、確かにな。ほら行くぞ」

 

そう言って戦兎は龍斗を連れて地下室へ連れて行った。

 

 

 

 

その頃―――

 

ビルドがガーディアンたちを誘導してくれたおかげで、はなたちプリキュアたちはハリーが住んでいる樹木のある建物まで逃げることができた。

 

「なんとか撒けたようやな…」

 

「桐埼くん、ビルドのおかげだね」

 

「は~ぎゅ~」

 

はぐたんを抱きかかえたハリーとさあやは安堵しながら言う。

さあやの言葉に、はなは心配そうな表情を見せる。

 

「桐埼くんたち大丈夫かな…?」

 

「お前も見たやろ?あいつなら多分大丈夫やって」

 

「でも…」

 

ハリーが安心させるように言うがそれでもはなの表情は変わらずにいた。

 

「だったら、会いにいけばいいんじゃないかしら?」

 

入口の方から聞き覚えのない女性の声が聞こえ、はなたちはすぐにその方向に目を向けた。

そこには眼鏡をかけた大人の女性、増子茉莉の姿があった。

 

「あ、貴女は…?」

 

「私は増子茉莉。フリーのジャーナリストよ」

 

「そ、そのジャーナリストさんが何でここに…?」

 

よそよそしくハリーは増子に尋ねる。

増子は懐からスマホを取り出して答える。

 

「そりゃ、噂のヒーローたちを取材するためよ。ね?

 

プリキュアのお二人さん」

 

「「「!!」」」

 

増子の言葉にはなたちは目を見開く。プリキュアの正体は秘密になっている。

ハリー曰く「ヒーローは正体を隠す方がミステリアスでかっこいいから」であるようなのだが。

 

「ななな、なんでバレとるんや!」

 

「さっき変身して戦ってたでしょ。ここに収めてあるんだよね」

 

そう言って増子は先程工場区でオシマイダーやスマッシュと戦っていた動画を見せる。

そこには自分たちが変身する姿から映っていた。

 

「さ、最初から全部撮られてる…」

 

「めちょっく!」

 

「安心して。今のところは公開するつもりはないわ。貴女たちはあくまでついでだったし」

 

「ほ、ほんまか!?」

 

そう言って増子はスマホを懐に戻した。

その言葉にはなたちは安堵したようにため息を吐く。

そしてはなは先ほど増子が言っていた言葉について尋ねた。

 

「それより、さっきの会いに行けばいいって…」

 

「言葉通りの意味よ。私は最近東都で噂になってる"仮面ライダー"を取材してるの。今から彼らがいる場所に行こうと思ってるの。よかったら一緒にこない?」

 

「ど、どうして私たちを…?」

 

さあやは戸惑いを持ちながらも増子に疑問を投げ掛ける。なぜ自分たちを仮面ライダーである戦兎たちのところに連れていこうとするのか。

 

「仮面ライダーとプリキュア、ジャーナリストとしては両方を取材できるまたとない機会だもの」

 

「たしかに筋は通ってはいるが…」

 

「行きます!」

 

増子の提案に、ハリーは戸惑っていたが、それに答えたのははなであった。

 

「はなちゃん」

 

「桐崎くんたちにお礼言いたいし。同じヒーローとして、話したいことだってあるし!」

 

はなのその言葉に、さあやは意を決して頷く。

 

「ええ。私も彼に助けてもらったもの。お礼が言いたい」

 

「二人が行くんやったらわいも行くで」

 

「はぎゅはぎゅ~!」

 

さあやに続いて、ハリーも頷き、はぐたんも頷くように笑顔で笑う。

その様子を見ていた増子も自然と笑みを浮かべた。

 

「話は決まったみたいね。それじゃあ早速行きましょう」

 

増子はそう言って入り口を出た。それをはなたちは追うようについていった。

 

 

 

 

ー万丈宅ー

 

その頃香澄は家へと足を進めていた。

家の前に見覚えのない車が駐車してあった。近くには黒服の男たちが立っていた。

 

「あの…家になにか?」

 

「万丈香澄さんですね?」

 

「そうですけど…あなたたちは?」

 

香澄の問いに男たちは香澄に近づき、スタンガンで気絶させた。

 

「万丈香澄を確保しました」

 

『よし、すぐに施設に移送しろ』

 

「了解しました」

 

端末から聞こえる加工されているであろう声に従い、男たちは香澄を車に乗せてそのまま走らせていった。

 

 

 

 

 

 




ようやく自分の推しキャラを出せました。
ほまれははぐプリだと一番好きなキャラなのでこっからエトワールの話を書くのが楽しみです。

次回もお楽しみに

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