仮面ライダービルド&HUGっとプリキュア 輝く未来をビルドせよ! 作:ブラッド族族長
なるべく早く投稿できるよう努力致します。
仮面ライダービルドももうすぐ最終回。
ジオウも来月に始まりますが、この小説もその熱に負けないよう頑張ります!
それでは第2話Apartをどうぞ!
PartA
-桐崎戦兎と万丈龍斗が謎のガーディアンたちから逃げていた頃-
「もう1ヶ月になるのか……」
ラヴェニール学園から離れた公園のベンチで、金髪の少女、
「馬鹿龍斗…どこ行ったんだよ…」
「あら?ほまれちゃん?」
空を見ながら龍斗の名を呟くほまれの前に、一人の長い茶髪の女性、万丈香澄が声をかけた。
「あっ…香澄お姉さん」
「こんな所で会うなんて奇遇ね」
「ええ…そうですね」
ほまれの隣に座りながら、香澄は他愛もない会話をする。香澄は初めは明るく振る舞ってはいたが、次第に表情は暗くなっていく。
「龍斗…どこに行ったのかしらね…」
「はい。私も心配です…」
「警察は捜索中だって言ってるんだけど…」
「あいつ、お姉さんに心配かけて…」
そう言ってほまれは呆れたようにため息をつく。
そんなほまれを見た香澄は微笑みながら言う。
「ふふ、ほまれちゃんだけよ。龍斗のことそう言ってくれるのは」
「そ、そんなわけじゃ…」
ほまれは顔を赤らめながら否定するように手を振ったが、香澄はその様子を微笑みながら見る。
「いつか…ほまれちゃんがまたリングで滑る姿が見れること、私も、きっと龍斗も待っているわ」
「……」
香澄のその言葉に、ほまれは沈んだように顔を見せる。
その表情を見て、香澄はベンチから立ち上がる。
「それじゃあ、私は行くわ。もしかしたら龍斗が帰ってくるかもしれないし」
そう言い残し、香澄は歩いて行った。
ほまれは一人項垂れながらベンチに一人残っていた。
「私はもう…跳べませんよ…」
*
その頃――
戦兎は龍斗をnascitaに連れてきていた。
「なんだここ?」
「俺の居候先の喫茶店、nascita」
そう言って戦兎は龍斗を店の中に入れた。
そこにはお客さんが一人もいない店内でコーヒーを淹れている惣呀がいた。
帰って来た戦兎たちを見るなり、よっ!と言って手を振る。
「お帰り戦兎。そっちの彼が例の万丈龍斗か」
「誰だこのおっさん?」
「nascitaのマスターの石動惣呀さん」
戦兎がそう言って惣呀を紹介すると、惣呀は淹れていたコーヒーのカップを龍斗に差し出す。
「取り敢えずお近づきの印に一杯」
「あっ、どうも。………うっ!?」
惣呀からもらったコーヒーを一口飲むと、龍斗はその顔をしかめる。
「なんだよこのコーヒー…不味い!」
「この店にお客さんが一人もいないのは、これが理由」
「道理で……」
店を見渡して客がいない理由を、龍斗はようやく理解した。そんなことをしていると、戦兎と惣呀は冷蔵庫のほうに歩いていく。
「まあ挨拶はここらへんにして、ついてこい」
「ついてこいってどこへ?」
「地下だよ。その方がゆっくり話せるからな」
そう言って惣呀は冷蔵庫の扉を開けた。その先には地下室への道だった。
その光景に龍斗は驚きを隠せずにいた。
「すげぇ…秘密基地って感じだな!」
「まあ、確かにな。ほら行くぞ」
そう言って戦兎は龍斗を連れて地下室へ連れて行った。
*
その頃―――
ビルドがガーディアンたちを誘導してくれたおかげで、はなたちプリキュアたちはハリーが住んでいる樹木のある建物まで逃げることができた。
「なんとか撒けたようやな…」
「桐埼くん、ビルドのおかげだね」
「は~ぎゅ~」
はぐたんを抱きかかえたハリーとさあやは安堵しながら言う。
さあやの言葉に、はなは心配そうな表情を見せる。
「桐埼くんたち大丈夫かな…?」
「お前も見たやろ?あいつなら多分大丈夫やって」
「でも…」
ハリーが安心させるように言うがそれでもはなの表情は変わらずにいた。
「だったら、会いにいけばいいんじゃないかしら?」
入口の方から聞き覚えのない女性の声が聞こえ、はなたちはすぐにその方向に目を向けた。
そこには眼鏡をかけた大人の女性、増子茉莉の姿があった。
「あ、貴女は…?」
「私は増子茉莉。フリーのジャーナリストよ」
「そ、そのジャーナリストさんが何でここに…?」
よそよそしくハリーは増子に尋ねる。
増子は懐からスマホを取り出して答える。
「そりゃ、噂のヒーローたちを取材するためよ。ね?
プリキュアのお二人さん」
「「「!!」」」
増子の言葉にはなたちは目を見開く。プリキュアの正体は秘密になっている。
ハリー曰く「ヒーローは正体を隠す方がミステリアスでかっこいいから」であるようなのだが。
「ななな、なんでバレとるんや!」
「さっき変身して戦ってたでしょ。ここに収めてあるんだよね」
そう言って増子は先程工場区でオシマイダーやスマッシュと戦っていた動画を見せる。
そこには自分たちが変身する姿から映っていた。
「さ、最初から全部撮られてる…」
「めちょっく!」
「安心して。今のところは公開するつもりはないわ。貴女たちはあくまでついでだったし」
「ほ、ほんまか!?」
そう言って増子はスマホを懐に戻した。
その言葉にはなたちは安堵したようにため息を吐く。
そしてはなは先ほど増子が言っていた言葉について尋ねた。
「それより、さっきの会いに行けばいいって…」
「言葉通りの意味よ。私は最近東都で噂になってる"仮面ライダー"を取材してるの。今から彼らがいる場所に行こうと思ってるの。よかったら一緒にこない?」
「ど、どうして私たちを…?」
さあやは戸惑いを持ちながらも増子に疑問を投げ掛ける。なぜ自分たちを仮面ライダーである戦兎たちのところに連れていこうとするのか。
「仮面ライダーとプリキュア、ジャーナリストとしては両方を取材できるまたとない機会だもの」
「たしかに筋は通ってはいるが…」
「行きます!」
増子の提案に、ハリーは戸惑っていたが、それに答えたのははなであった。
「はなちゃん」
「桐崎くんたちにお礼言いたいし。同じヒーローとして、話したいことだってあるし!」
はなのその言葉に、さあやは意を決して頷く。
「ええ。私も彼に助けてもらったもの。お礼が言いたい」
「二人が行くんやったらわいも行くで」
「はぎゅはぎゅ~!」
さあやに続いて、ハリーも頷き、はぐたんも頷くように笑顔で笑う。
その様子を見ていた増子も自然と笑みを浮かべた。
「話は決まったみたいね。それじゃあ早速行きましょう」
増子はそう言って入り口を出た。それをはなたちは追うようについていった。
*
ー万丈宅ー
その頃香澄は家へと足を進めていた。
家の前に見覚えのない車が駐車してあった。近くには黒服の男たちが立っていた。
「あの…家になにか?」
「万丈香澄さんですね?」
「そうですけど…あなたたちは?」
香澄の問いに男たちは香澄に近づき、スタンガンで気絶させた。
「万丈香澄を確保しました」
『よし、すぐに施設に移送しろ』
「了解しました」
端末から聞こえる加工されているであろう声に従い、男たちは香澄を車に乗せてそのまま走らせていった。
ようやく自分の推しキャラを出せました。
ほまれははぐプリだと一番好きなキャラなのでこっからエトワールの話を書くのが楽しみです。
次回もお楽しみに