闇吉備津で遊ぼう!   作:聖華

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▶行動:キャスト選択

 ヴィランによる侵攻は、留まるところを知らない。マメール以外の四創聖がテイルマスターに関わるようになったのも、そういう訳だろう。簡潔に言えば、『選り好みしている場合じゃなくなった』のだ。

 

 あなたは今、図書館に訪れていた。図書館では日夜テイルマスター同士での模擬戦が行われており、戦績によっては報酬を得ることが出来る。

 戦うことが目的なのか、勝つことが目的なのか。ともあれ、あなたは今自分の本を開いたのだ。

 

 そのまま連れていくキャストを選択しようとして、不意に、先日呼び出した闇吉備津のことが思い浮かんだ。こちらを見る鋭い赤眼や、見上げねばならない程の巨躯、動きに合わせて跳びはねる毛先が、どうしてだか脳裏を過ったのである。

 

 あなたは――

 

 

選択肢【図書館で活動するからには、キャストを選ばなくては。】

①何の気なしに闇吉備津を呼んだ。いくら感情があるとはいえ、彼はキャストなのだ。その自覚は持ってもらわなければならない。

②少し気が引けたが、最後には闇吉備津を呼び出していた。彼と親交を深めるなら、形はどうあれ接し続けなければ。

③違うキャストを呼ぶことにした。わざわざ彼に厄介を押し付けずとも、他の好意的なキャストを頼ればいい。

 

 

 

【②このままでは、いつまで経っても良好な関係を築けない。まずはこちらから歩み寄らなければ。】

 

 あなたは【少し気が引けたが、最後には闇吉備津を呼び出していた。彼と親交を深めるなら、形はどうあれ接し続けなければ。】

 本棚に挟まれた道を只管歩いて、召喚用の本が置かれた机までやってきた。銀色の表紙の本に手をかける、その指先は僅かに震えている。自分を嫌っている相手を、わざわざ呼び出そうとしているのだから、緊張するのも無理はあるまい。

 それでも意を決して、本を開いて、神筆で闇吉備津を呼び寄せた。

 

「斬られるべき敵は――」

 

 こちらを一目見て、眉間に皺こそ寄せながらも口上をしようとする闇吉備津。あなたは気付けばこの口上を遮って、彼に呼び出した理由を語っていた。

 怒られるのが怖かったのか、単純に罪悪感からか。ともあれ、どうしてだか口が先走ったのだ。

 意外にも、闇吉備津は黙ってこちらの話を聞いていて、口を挟んだのは最後の最後になってからだった。

 

「つまり、どうしても我を戦に用いたい、と?」

 

 あなたとしては当然、親交を深めることがメインなのだが、その為に試合に連れて行こうとしている訳だし、間違ってはいないだろう。頷いておいた。

 

「……見上げた阿呆(あほう)だ」

 

 とてつもなくストレートな罵倒に、あなたが反応をする前に、

 

「以前口にした通りだ。元より我に拒否権はない、好きに使うが良い」

 

 気付けば偉丈夫が、すぐ目の前に立っていた。こちらに歩み寄ってくれたのだと、数秒してからようやく認識がいった。

 闇吉備津は顎をしゃくって、指示してみせる。

 

「何をぼけっと突っ立っている。我を用いるというのなら、まずは大将として先陣切って戦場に向かってみせよ」

 

 喉が焼けているような重低音に脅されて、あなたは慌ててマップに続く扉に向かった。

 背後からは、足音と着物が衣擦れする音が聞こえている。闇吉備津は大人しく、こちらに着いてきているらしい。

 

 やはりこの人、存外話が通じるのではないだろうか。

 ちらりと後ろを見ると、赤い隻眼が面倒臭そうにこちらを見返してきた。元々人相が悪いのもあって、少しぞくりと来る。

 話は通じても、仲良くなるにはまだ時間がかかるかもしれない……。

 

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