ヒッパーに赤いマフラーをプレゼントしたい 作:なし
シムスのヒッヒッヒッとか変わった口調、書き言葉だと出せないの悲しいね
◯月◯日
指揮官からヒッパーを気にかけるようお願いされた。今日から観察日誌をつけることにする。
ヒッパー、他所から派遣されて来た重巡型。
初対面で指揮官に罵声を浴びせたことから、あまり評判はよろしくない。
あれでいて指揮官は人望がある、本人が知ってるかは知らないが。
私から見ても指揮官は自分を卑下しすぎだ、何か理由があるのだろうか。
話を戻そう。
指揮官に罵声を浴びせただけなら、ここまで反発が長く続くこともなかっただろう。
指揮官もそう思ってたはずだ。
予想外だったのは、心を誰にも開かなかったことだ。
何を考えているかわからない相手は怖い。
派遣されてくるのは問題児だという悪い印象もあり、誰も近づこうとしなかった。
私からしてみれば妹のハムマンと似たようなものだと思うのだが、鉄血には余りいい印象がない。
あの指揮官に演習の度に色目を使ってくる他所の銀髪泣きぼくそ巨乳重巡が大体悪い。
会う度にウィンクをするな、指揮官に。
まああの指揮官はそんなものに流されるような人ではないのはわかってるが。
まあ明日からはお願いもあるし、ハムマンと一緒に絡みに行こう。
◯月×日
ヒッパーがいつも発してる近寄るな的な雰囲気が薄れている。
おかげで絡みやすくなったのはありがたかったが、予想外だったのはハムマンが彼女と仲が良さげだったことだ。
後で話を聞いてみると、昨日指揮官に熱々のおでんを食べさせることで意気投合したらしい。
今は夏だぞ指揮官、私のイタズラでもそれは流石にためらうレベルだ。
やはり似た者だからウマが合うのか、今度から委託は二人を合わせることを上申しよう。
◯月△日
ひどい目にあった。
上申したら、私だけあのポートランド、インディのシスコンサンドにジャベリンの代わりに組み込まれることになった。
なるほど私たち姉妹と組ませることより、ジャベリンと仲良くさせて人間関係を広げさせようと言うことなのだろう。
確かに理にかなっている。
私が酷い目に合うことを除けばだが。
あの二人が重巡型の硬さを生かして突っ込むのに私まで巻き込まれるのだ。孤立すると良い的だ、正直私はジャベリンほど回避に自信があるわけではないので常にヒヤヒヤしている。
出来れば速さを生かした戦闘をしたいのだが、あの二人が遅すぎる。
あぁ、我が妹の煙幕が恋しい。敵の砲撃が至近距離を音を立てながら通り過ぎる度、戦艦の砲撃が巻き上げる水を体に浴びる度そう思った。
帰ってくるとハムマンとヒッパー、ジャベリンで仲良くカレーを食べていた。ジャベリンとヒッパーが話してるのを重桜の駆逐級達が珍しそうに眺めていた。
指揮官と話す時よりいたって普通、むしろ優しげな雰囲気から話しかけたそうだった。
あの子達は臆病だが好奇心が旺盛だ、すぐに話しかけるだろう。
私は疲れているからそれ取り持つ気はなかった。
疲れた、もう寝る。
明日からはあのシスコンコンビから組み合わせを変えるように頼もう。
◯月×日
今度はヒッパーがあのシスコンコンビに組み込まれた。
まあ私より酷い目には合わないだろう、重巡3人コンビだし。一日しか空いてないとはいえハムマンが懐かしく思えた。
というか、ハムマンの水着自慢が鬱陶しいのを完全に忘れていた。指揮官から水着をもらったのはハムマン一人だけで、それを大変誇りに思ってるらしい。確かに指揮官がプレゼントというのは非常に珍しいが。
今度、私も指揮官に水着を強請ろう。
ハムマンをくすぐり倒しながらそう思った。
任務が終わり司令部に帰ってくると、すでにシスコンコンビは帰港していた。
話を聞くとヒッパーに運悪く魚雷が直撃したらしい、特に異常はなかったが大事をとって帰ってきたとのこと。
まあ、3人とも鈍足だしそんな日もあるだろう。
執務室へ任務の報告にいくとヒッパーが部屋から飛び出してきた。
指揮官の頰が腫れていた、多分ヒッパーにビンタされたのだろう。ハムマンが憤慨していたがとりあえず宥める、指揮官が何も言わないということは
晩御飯の食堂にヒッパーの姿は見えなかった、明日フォローするとしよう。
貸し1つだぞ、指揮官
◯月◻︎日
話しかけたそうにしてたのに、昨日の食事の時ヒッパーがいなくて戸惑っていた如月。その他重桜駆逐、睦月、卯月、水無月。それと私とヒッパーで委託任務に出た。
やはりというべきか、指揮官という共通の話題をぶら下げると、駆逐級の子達はすぐにヒッパーに食いついた。
多分彼女に対する性格に対する誤解も解けただろう。
指揮官の話になると延々と話し続けるヒッパーを見て、駆逐級の子達は
(あぁ、この人こういうタイプのアレか)
みたいな顔をしていたが、ヒッパーが気づいた様子はなかった、バレバレである。
委託任務中、暇なので今日のこの日誌を書いているが、ヒッパーがたまにこっちをじっと見ていることに気づく。何だろうか?まさか書いているものに気づいたのだろうか。
気をつけよう。
◯月●日
ヒッパーはこの一週間で大分ここに慣れてきたようだ、たびたび話しかけられているのを見る。いい流れだ。
そのようなことを報告をしようと執務室に行くと、そこは地獄だった。
なぜか真っ赤に染まったおでん、多分臭いからして激辛のものなのだろう。その鍋を明石と二人っきりで囲んでいた。
見なかったふりをして私は帰った。
ヒッパーと通り過ぎたが、声を掛けそびれた。
後ろからヒッパーの悲鳴が聞こえてきた気がするが、多分気のせいだろう。
◯月◼︎日
明石商店が休業していた、多分昨日のおでんのせいだろう。冥福を祈る。
執務室に訪れると指揮官もダウンしていた。今日のところは帰ろうと思ったが、ヒッパーの話だと聞くと無理にでも聞こうとしていた。
かなり心配してるらしい。そんなに気にかけているのかと思い、ヒッパーのこの一週間についての報告をすると安心した顔をしていた。
報告がおわり、執務室をでるとヒッパーがいた。
話を聞かれていただろうか?まあ、聞かれていても大丈夫だろう。
◯月▲日
まずい。
休日で惰眠を貪っていると、扉をガンガン叩く音で目を覚ました。
叩いているのはヒッパーらしい、私が書いているものを知っているとそう言っている。
慌ててこの日誌を隠そうにも、時間と場所がない。
無の境地に至り、ここまで書いている。
今扉をぶち破る音が聞こえた、もうだ
ここで手記は途絶えている。
ハムマンにしれっと煙幕習得させるな