Fallout4 Answer それいけアクアビットマン   作:紅葉マン

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何でこんなにヌードルの事ばっかり書いたんだ……


2日目

 

 

 あの日から暫くダイヤモンドシティを出入り禁止にされてしまった。なんという事だ! あのヌードルを食べないと翼をさずけてくれる飲料並みにやる気が出ないというのに!

 ここ最近タカハシのヌードルを食べてないせいか、手足をだらーんと伸ばしながらだるそうにパトロールを行うアクアビットマン。

 しかし反省はしている。流石にOIGAMIはやり過ぎた。人に頼み事をされたのが久しぶりだったこともあってつい張り切りすぎてしまった。今度からはOGOTOぐらいに自重しよう。そうしよう。

 さて、今回のパトロールはサンクチュアリ周辺である。この辺りは連邦の中心部から大分離れているのでそれほど危険がある訳では無い(あくまで中心部と比較してだが)

 そういえばサンクチュアリには友人のコズワースが居たことを思い出した。せっかくだから久しぶりに顔を見に寄っていくことにしよう。

 彼の作るヌードルもまたタカハシとは違うベクトルで美味い。ヌードルは素晴らしい。ツルツルとした喉越しにもちもちとした食感、そしてそれらをスープが引き立てる。タカハシのヌードルは麺を自ら手打ちし、マイアラークとバラモンをよく煮込んで熟成させたスープを使っているから濃厚な旨みが口の中いっぱいに広がるのである。あっ、そうだ(唐突)コズワースにヌードル作ってもらおう。そうと決まればヌードルの具材集めである。ヌードルに必要なのは――――

 いつの間にかアクアビットマンの頭はヌードルの事で一杯になり、パトロールは具材集めのための狩りへとシフトしていった……

 

 

 

 

 

 

 材料を持ってコズワースの居る家まで飛んで行くと、何やら見かけない男性と話し込んでいるのが見えた。2人のそばに降り立つと、どうやらその男性はvault居住者の様だった。

 「おや、これはこれはアクアビットマンさん」

 久しぶりだなと手を挙げて応えると、男がぎょっとした風でコズワースに関係を問いかける。

 「ああ旦那様、これは失礼致しました。この方はアクアビットマンさんと申しまして私の友人でございます。連邦をパトロールして下さっているのですよ」

 コズワースからアクアビットマンの紹介を受けた男は、自分はネイトだと言って握手を求めてきた。アクアビットマンは礼儀正しい人物はヌードルと同じくらい大好きである。もちろんその握手に応じ、困ったことがあればなんでも言ってくれと言った。

 するとネイトはアクアビットマンに「自分をコンコードまで護衛して欲しい」とどこか嘆願するような面持ちで頼み込んだ。

 聞くところによるとどうやらネイトは核戦争以前の住人で、コールドスリープによってついさっき目覚めたばかりなのだそうだ。その過程で妻を殺され息子のショーンが攫われたので、それを取り戻す為に情報収集の先駆けとして近くの町のコンコードに行きたいということらしい。

 アクアビットマンは感動した。そして激怒した。

 なんと勇気ある人物なのだろうか! 大抵は探さずに墓を建てて諦めてしまう連邦の民と違い、この危険に溢れた広い連邦から息子を取り戻す為に命を懸けるその必死な姿! そしてこの荒廃した世界における、次代の希望である子供を攫った連中の愚かさといったら!

 そのショーンを探す旅に、是非とも同行させて欲しいとネイトに伝えると、彼は嬉しそうに笑いこれからよろしくと言ったのだった。アクアビットマンはコズワースにネイトについていかないのかと聞いたが、「私には旦那様とショーン坊っちゃまの帰る家を守らなくてはなりませんから。それにアクアビットマンさんが旦那様に付いてくださるのであれば安心です」と返した。

 コズワースの信頼にあふれた言葉を聞き、ネイトの護衛は任せろと親指を立てて応える。ネイトが「じゃあ早速出発――」と言いかけたところで彼のお腹の虫が大きな声を上げた。両手でお腹を抑えて恥ずかしそうにしながら、そういえば何も食べてなかったと告白してアクアビットマンは当初のヌードルを思い出した。

 なあコズワース。これでヌードルを作ってくれよ。とマイアラークの身と乾燥させたヌードルを渡した。コズワースは袋を受け取り、近くにある焚き火の上に鍋を吊り下げただけの即席キッチンで3本のアームを器用に駆使し、ネイトとアクアビットマンの分のヌードルを準備し始めた。

 待っている間にネイトとアクアビットマンが荒れ果てた家をゴミを外に出すなどして片付けていると、表通りから芳しい匂いが漂って来た。美味そうな匂いにネイトは目を閉じて鼻から息を吸い、口の中によだれが出てくるのを感じた。何せ200年ぶりの食事である。2人が家の外に出ると、コズワースがブリキ缶の器に入ったヌードルを2つ手に持って来てくれた。

 「どうぞ御二方、出来たて熱々のヌードルですよ! フォークは汚れていましたが、心配いりません。ヌードルを作る鍋に一緒に入れて熱消毒致しました!」

 それを聞いたネイトは若干苦笑いしていたが、取り敢えずヌードルを受け取り息を吹きかけながらフォークでヌードルを口に入れる。瞬間、目を剥き猛烈なスピードでヌードルをかきこみ始めた。

 アクアビットマンはそれを見て嬉しそうに頷き、改めて自分もコズワースのヌードルを食べる。やはり美味い!

 マイアラークで煮出した塩気のあるダシがヌードルと絡み合い、あっさりとしつつも決して薄味ではなく深い風味が広がる。海辺のマイアラークを選んで捕ってきたからどこか磯の香りがする様な気がする。つまるところこれは――――シーフードカッ〇ヌードルの味だ! 美味あああああああああああああああああい!!!! ブゥゥゥゥゥンキラキラキラ

 久しぶりのヌードルのあまりの美味さに危うくアサルトアーマーを出しかけたが、爆発寸前で気がついて止めた。危うくサンクチュアリが吹き飛ぶところだった。危ない。

 あっという間にカッ〇ヌードルを空にした2人はコズワースに美味かったことを伝え、今度こそサンクチュアリを出発する事にした。

 目指すはコンコード。この先に一体何が待ち受けているのか。2人は無事にショーンを見つけ出すことが出来るのか。今此処から、2人の冒険が始まる!

 

 

 

 

 

 

 

サンクチュアリを出てすぐのスタンドで犬を見つけた。

ネイトは犬をドッグミートと名付けてほっこりした。

アクアビットマンは唸られてしょんぼりした。


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