精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 正体が分からないって冒険心誘わね?


正体は突然に

 あの後ヴェルサリアはレン・アッシュベル(カミト)の試合をしばらく見ていたが1日目の試合が終わると彼女は誰にも告げずにとある場所へと向かった。

 そこは捻じれた木がありどう見ても人間社会では有り得ない植物が大量にあるここは只の森ではないのだ。

 〈元素精霊界(アストラル・ゼロ)〉

 あらゆる精霊が住む世界。

 そしてそこにいるのは多種多様・属性多数・凶暴性・知性諸々が混ざり合っており危険度もある。

 ましてや精霊剣舞祭の会場の外と直結しているためそれなりに強い精霊がいる。

 そこでヴェルサリアは(サイレント・フォートレス)を展開するとそこら辺にいる狂精霊やそこら辺を縄張りにしている精霊が現われるとヴェルサリアは待ってましたとばかりに微笑みそしてこういった。

 「来い!貴様ら全員が相手だ。」

 暫くすると周りには倒れて力尽きた狂精霊や縄張りびしていた精霊がおりその周りでは木々は倒れ地面には無数の穴が開き消炎がたちまわっていた。

 当の本人もそれなりに疲労しており本来であれば魔力の回復のために1度戻らなければならないが彼女はそれをしなかった。

 「こいつら程度ではダメか。やはりもっと強い奴と戦わなければいかんな。・・・私が死ぬためには。」

 そうヴェルサリアは死にに来たのだ。

 この〈元素精霊界〉で精霊と戦って。

 「(あの時私は負けた。しかも初戦で、ファーレンガルト家に傷をつけそして落としてしまった。もう私にはいるところなんかない。)」

 ヴェルサリアの生家であるイーヴァは戦時中に当主を失い更に財政的な目的で土地を手放し今後の生活をどうするかで困っていた時ヴェルサリアの姫巫女の才能を見抜いたファーレンガルト家に養子になった時残った家族が安心して暮らせる資金を提供してくれた恩返しのためにこの精霊剣舞祭に入るために努力したのが水の泡だった。

 ヴェルサリアは次の敵を探すために移動しようとすると大きな物音が聞こえた。

 彼女はその音を聞いた後(サイレント・・フォートレス)の脚部に内蔵されている車輪を出してそこにむかった。

 

 「はっ、はっ、はっ。」

 少女は走っていた。

 両端で結い上げた黒の長髪、袖が長く豪奢な儀礼装束はどこかで転んだのか土にまみれ靴は脱げて傷だらけとなっておりひどいさまだった。

 しかし背後では何かの大群がこっちに来ているのだとわかっておりこのままでは追い付かれるとわかって彼女は振り返ってみると(樹木の精霊〈ドリアード〉)が群れでやってきたのだ。

 彼女は気丈ににらみつけこういった。

 「お、お前なんて私の精霊でやっつけてやるんだから。」

 そして彼女は詠唱を唱えた。

 「汝、人の子の王に仕えし剣聖の騎士よ!」

 「旧き血の契約に従い、我を守る剣となりて我が下に馳せ参じ給え!」

 すると少女の胸元から何かの刻印が淡い光を放つも突然その光が消えた。

 「(そ、そんな!!)」

 すると彼女の脳内にある言葉が浮かんだ。

 「(〈神儀員〉から外れたですって。)」

 「(第2王女はもう終わりだな。)」

 「(あれが元は精霊使いとは・・・。)」

 「(価値もない女。ロスト・クイーンと呼ぼう。)」

 少女の顔が絶望に染まろうとしたとき突如爆発音が聞こえた。

 そこには・・・

 「大丈夫か?」

 ヴェルサリアがそこにいた。

 「(まさかこんな女の子がいるとはな。歳はエリスと同じぐらいか。)」

 ヴェルサリアはエリスの事を思い出すと彼女を守ろうと考えた。

 「(どうせ死ぬんなら騎士らしく守って死のう。)」

 ヴェルサリアは(サイレント・フォートレス)にある戦斧(ハルバート)を振り上げ周りにいるドリアードを薙ぎ払った。

 雑魚程度なら何とかなるがこれまで守りながら戦うのはしたことなかったのか行動が制限されていたのだ。

 すると周りにいた残りのドリアードが下がると同時に巨大な樹木・・・いや大型のドリアードが現われたのだ。

 --グオオおおおおおおおおーーーーーー

 巨大な鳴き声と共にドリアードのボスが巨大な蔓をヴェルサリア目掛けて叩いたのだ。

 周りの大地が割れるとこれまでの戦闘でヴェルサリアの魔力が底を尽きかけたのであった。

 ドリアードのボスがもう一度巨大な蔓を振りかざした瞬間ヴェルサリアはこう思っていた。

 「(この子を守れずに死ぬなんて・・やはり私は何もできないんだ。)」

 ヴェルサリアはいつの間にか涙を流しながらこれまでのことが

走馬灯で出て来たのだ。

 ヴェルサリアは目を瞑りその瞬間を待った。

 すると何か大きな音がしたので目を開けると巨大な蔓が斬られておりそこには・・・黒い霧を出す魔剣と黒髪の少年がいた。

 「そこでじっとしていて、危ないから。」

 少年は素っ気なく告げるとドリアードのボスが怒っておりもう片方の腕で応戦しようとするとその少年の魔剣が消え代わりに紫色の鞘から見たこともない直剣とは違う剣が出てきた。

 すると少年がこう言った。

 「運命よ。我は呪い、その座を引きずり降ろし、わが手で未来を作る。

(シラヌイ)」 

 すると光り輝きそこから紫色の何かが出てきたのだ。

 「接続開始(コネクト・オン)」

 すると今度はその何かが分解されると少女の周りに装着されたのだ。

 

 「(まさか特訓している途中でこんなのに出くわすなんてなあ。)」

 少年カミトはそう思っていた。

 何故レスティアではなくシラヌイなのかと言うとさっきのトーナメント戦の時にレスティアに譲ったため今度はこっちだと言ったためである。

 ドリアードのボスが振りかざした腕は当たることなくそれどころかシラヌイの「迷彩」で姿を隠した後「玄海」で腕を切った後「清水」を連射形態にしてドリアードのボスの表皮を破壊したあと長距離形態にした後「索敵」を使い急所を狙い打った。

 圧倒的な強さ唖然としていたがヴェルサリアはあの戦い方に誰かと重ねた。

 「(あの戦い方、それにさっきの魔剣・・・まさか!!)」

 「大丈夫?怪我はない?」

 「え、ええ。助けてくれたことに感謝します。」

 カミトはレスティアの剣を出し聞いた。

 するとヴェルサリアはカミトの顔を近づけさせた後こう聞いた。

 「お前、レン・アッシュベルか?」

 「!!!」

 「その剣は見覚えがあるぞ。なんせ私はこの試合で始めてそれを見た人間なんだからな。」

 カミトは何なのかと思ってヴェルサリアをみると最初に戦った相手だと気づいた。

 そしてもう一人の少女も目を見開いてこういった。

 「どうして・・・どうしてレン・アッシュベル様が男なのーーーー!!!???」

 カミトは2人の少女に睨まれまるで蛇に睨まれた蛙のような感じであった。

 「(どうしよう、レスティア、シラヌイ。)」

 「≪試合中じゃなくても女装するように言ったのに考えなしに

行動するから悪いのよ。≫」

 「【ま、こんな森の中だから大丈夫と思っただけじゃなく対戦相手を忘れたお前に非がある。こればかりはお前自身で解決するんだな。】」

 「(そ、そんなーーー。)」

 少年の顔が百面相のように変わっているのを見ながら2人は混乱していた。

 レン・アッシュベルが実は男であの伝説の魔王(スライマン)と同じく精霊と契約できるということにショックだったのだ。

 「・・・なあ2人とも頼みがあるんだけど?」

 「内容によるな。」

 「・・・うん。」

 カミトの言葉にヴェルサリアは条件次第として聞き、少女はそれに同意した。

 「僕の正体についてなんだけども・・・秘密にしてくれないかな?」

 カミトは困った顔をして願いを言った。

 少女は本来このことを報告しなければならない立場なのだが困っている様子を見てどうしようかと考えているとヴェルサリアはこういった。

 「わかった。このことは我々だけの秘密としよう。」

 「え、いいの。」

 ヴェルサリアの言葉に少女は困惑した。

 を「助けてくれた恩があるし何か事情がありそうだしな。君はどうだ?」

 ヴェルサリアの問いに彼女が出した答えは

 「・・・わかったわ。私も何も言わないわ。」

 「ありがとう!!じゃ2人とも森の出口まで送るよ。」

 「いや私は良い。」

 カミトはお礼として2人を送ろうとするとヴェルサリアはそれを拒否した。

 「私はもう少しここにいたいんだ。すまんが先に行ってくれないか?」

 元々ヴェルサリアはここを死地と決めていたのでそれを拒否したのだ。

 「あんたここにいればまたあのドリアードがやってくるぞ。」

 「さっきまでに魔力が回復したからな。あれくらいどうともしない。・・・それに・・・」

 「それに?」

 元を正せばカミトに負けたからここにいたのであり更に言えば死にかけだった自分たちを助けたこともあり最早生き恥をこれ以上晒したくなかったのだ。

 しかしカミトはそこまで回復していないんだとも分かっていた。

 現在でも木の根元で座り込んでいてしかも息も少し荒いためこのままでは今度こそ死ぬだろうとわかったのでカミトはある行動に出た。・・・それは・・・

 「きゃっ!?」

 ヴェルサリアの腰と足元を持ち上げる行為。

 つまるところ「お姫様抱っこ」である。

 いきなりのことでヴェルサリア自身も女の子のような声を出したのである。

 そのまま少女をシラヌイの腕に乗せ森の出口まで歩いた。

 「なあ。教えてくれ。どうして自分を偽ってまで〈精霊剣舞祭〉に出場したんだ。」

 ヴェルサリアはカミトに聞くとカミトは切実な顔でこう答えた。

 「叶えたい〈願い〉があるから。あんたは何のために?」

 今度はカミトがそう聞くとヴェルサリアは沈痛な顔でこういった。

 「育ててくれた家族の恩返しだ。私は養子でな。ここまで育ててくれた家に対して何かしようと思ってこの大会に出場したんだが・・・私は信頼を裏切った。もう私には居場所なんて・・・。」

 ヴェルサリアはそういうとカミトがこう言った。

 「僕も親はいないけど、でもレスティアが僕を人間にしてくれてある人がそれを思い出してくれて居場所を与えてくれた。居場所がないんなら・・・僕がそれになるよ。」

 カミトは力強い目でそういうとヴェルサリアは「そうか・・・\\]とほほを赤く染めて答えた。

 やっとのことでカミト達は森を抜けた。

 「じゃああとは自分で帰れるね。」

 「ええ、ありがとう。」

 少女はそういうとシラヌイから降りた。

 「ありがとう。それと君の名前は何だ?」

 ヴェルサリアがカミトにそう聞いた。

 「レン・アッシュベルではない君の・・・本当の名前。」

 カミトは暫く迷った後こういった。

 「カゼハヤ・カミト」

 「カゼハヤ・カミトか。約束してくれさっきのあの言葉。そしてこの大会が終わったら私ともう一度戦ってほしい。その精霊で。」

 「・・・うん。わかった。」

 ヴェルサリアは今度はシラヌイを使って戦いたいといいそれを飲んだ。

 「義姉上ーー」

 どこかで女の子の声が聞こえるとヴェルサリアは自分の義妹であるエリスの声が聞こえたのだ。

 やがてポニーテールを揺らしながらエリスが来た。

 「義姉上何処に行っていたんですか?心配したんですよ。もう夜中なのに戻っていなくておじい様も心配してたんですよ。」

 「・・・エリス。ファーレンガルト公はなんて言っていた?」

 ヴェルサリアは少し不安げに聞いた。

 「おじい様からは『家に戻った時もう一度初心に帰ってやり直せ』と言っていました。それと『今日はご苦労だったな』とも言っていました。」

 「そうか。」

 おそらく自分を心配していたんだろうと感じそれ以上は聞かなかった。

 「エリス。これが終わったら料理を教えてくれないか?」

 「!?・・・はい!!」

 「ああそれとお前に紹介したい奴が・・・あれ?」

 ヴェルサリアはエリスに料理の手ほどきを教えてほしいと頼むとエリスは驚いた後快諾した。

 そしてヴェルサリアはカミトを紹介しようとすると既にその姿が消えていたのだ。

 「・・・ありがとうカミト。」

 ヴェルサリアはカミトにお礼を言うと少女とエリスと一緒に帰った。

 その後学園に戻った後ヴェルサリアが前よりも角が丸くなり手料理をすることに驚くのだが

それはまた別の機会に。 

 

 一方カミトはと言うと・・・

 「お前正体隠す気あるのか?(# ゚Д゚)」

 「ごめんなさい 」

 今回のことでカミトはグレイワースに扱かれていたのだ。

 「まああっちは秘密にするといったようだが私もそれなりにくぎを刺しておこう。ヴェルサリアは私の学校にいるからいいがもう一人は恐らく〈神儀院〉だろうから知り合いをつてに探してみよう。あとシラヌイは私の船の物置に入れておけ分かったなこれからはちゃんと外でも女装しろよ出ないと今度は・・・」

 「今度は・・・」

 カミトはグレイワースの言葉の続きを聞いた。

 「ミニスカメイド服だ。」

 「はい!!」

 メイド服でごめんこうむりたいのにこれ以上は心が持たないとカミトは判断した。

 それから〈精霊剣舞祭〉が終わるまでの1週間レン・アッシュベルとして過ごしそして優勝した。

 そして彼女はどこかへと姿を消した。

 

  

  




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