そして夕方・・・。
ヴァレンティア聖祭が始まると広場には大勢の市民がにぎわっていた。
エリスは何やらカミトの隣でそわそわしていた。
「〈エリスの奴どうしたんだ?肩が触れるかそうじゃねえ距離にまでなると
『ふぁあっ』って悲鳴上げて離れるとまた近づいて来ちまうもんなア。〉」
カミトはエリスを見てそう思っていると『シラヌイ』はそれをこう解釈していた。
「(どう考えてもお前を意識しちまうんだろうな。まあ無理もねえか、そんな経験
こいつらには無に等しいぐらいだからな。)」
『シラヌイ』はそう思っているがまあ大体正解である。
貴族の令嬢に取ってみればカミトのように異性と共に居ることどころか話しかける
ことすらないのだから。
・・・だが中には例外もある。
「カミト、手を借りるぞ。」
「!・・・お、おお。」
「義姉上!何しているんですか!?こんな往来の中で殿方と・・・手を!」
エリスは道のど真ん中でそう言った。
何せ今ヴェルサリアはカミトの手を握っているのだ。
然も体を少し密着するような形で。
「これ程の人間の中で迷子になるのはごめん被りたいし、それに・・・。」
するとヴェルサリアは少し顔を赤くしてこう続けた。
「カミトになら・・・別に/////」
「!・・・!」
カミトはそれを聞くと少し顔を赤くした。
体が密着しているためヴェルサリアのスレンダーであるが女性らしい体の柔らかさに更に拍車がかかっているのだ。
「---・・・それなら私も!」
「なあ!?」
すると今度はエリスが反対側の手を握ってから体を密着させた。
ヴェルサリアとは反対にグラマラスな体つきをしていて胸が腕に挟まれている
感触から別の意味で緊張し始めた。
「(こりゃあおもしれェ事になりそうだなア。)」
『シラヌイ』は笑いを我慢しながらもそう言った。
「・・・何してるんですか。」
すると後ろから声がしたので振り向くと・・・
「レオノーラ・・・。」
「はい、そうですよ。カミト。」
レオノーラがそこにいた。
・・・両手に大量の食べ物を携えて。
「おおい、こっちじゃぞう。」
レオノーラに着いていくとマギアルカが祭りを楽しみながら座っているのが見えた。
「マギアルカさん。あんたも来てたのか?」
「そりゃそうじゃ。今日は家の店も構えておるから見物がてらのう。」
そういうと確かにマギアルカの経営する財閥の人間が物を売っているのが見えた。
「うん?なんじゃお前も来てたのかえ?」
「ああ、義妹に誘われていてな。」
マギアルカはヴェルサリアを見てそう言うとカミトはマギアルカにこう聞いた。
「あれ、二人とも知り合いか?」
するとマギアルカは笑いながらこう答えた。
「おおそうじゃ。紹介しなければのお。」
そう言うとマギアルカは隣に置いていた細長い袋をヴェルサリアに渡すとカミト達に向かってこう言った。
「明日から儂ら『ドラグーン教室』の生徒でありお主等のチームに編入することとなった『ヴェルサリア・イーヴァ』。『ワイバーン』の神装機竜
『カオス・ブレイカー』の所有者じゃ。」
するとヴェルサリアはその袋からある物を出した。
白い鞘に赤い線が入ったレイピアであった。
「「「「エエエエエエエ(;゚Д゚)!!!」」」
その時カミト達は大きな声でそう叫んだ。
これで全員そろった。