精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 約束は今実現する。


決闘開始!!

「せえええ!!」

 ヴェルサリアが急降下しながら大鎌型方天戟「クライシス」を振りかざすとカミトは一瞬「玄海」でそれを食い止めようと考えたが「シラヌイ」の言葉で思いとどまった。

 「(待てカミト!あれを受け止めようとするんじゃねえ!!)」

 その言葉にカミトは思いとどまって肩に搭載されている「風雷」で

受け止めた。

 「くう!!」

 カミトは上空から来る武器の重さに機体の脚部が膝を付いた。

 そしてヴェルサリアはそこから離れて機竜息銃を構えるとカミトも「清水」を

構えた。

 そしてお互いダアン!!という大きな銃声と共に自分達の近くに着弾した。

 するとヴェルサリアはカミトに竜声でこう話した。

 「この時を待ち望んでいたぞカミト!!あの時できなかったブレイドダンスの戦いを今こうやって出来る事を楽しみにしていたぞ!!」

 そう言うとヴェルサリアは「クライシス」を背面部に収めると腰部に搭載されている「クローズ」を抜いてカミトに対してこう言った。

 「さあカミト!貴様が私にしか目に映っている限り勝ち目が無いぞ!!」

 するとカミトは「玄海」を抜くとこう言った。

 「そいつは・・・俺の台詞だよ!!」

 

 

 

 

 

 「・・・凄い。」

 誰かがその戦いを見てそう言った。

 初めての機竜での戦いを見ている観客はここ迄凄いのかと思っていたのだ。

 見せるためではなく勝つためだけに戦いあう彼らを見て武者震いする者もいる程だ。

 それはレオノーラ達も同じであった。

 「カミトさん、ここ迄強かったんですね。」

 「ええ・・・正直言えばここ迄とは思っていなかったわ。」

 レオノーラとフィアナはお互いそう言っていた。

 何せこれ迄カミトが本気で戦った事など今迄なかったのだから。

 そしてそんなカミトと機竜でとは言え互角に戦いあえるというそのセンスの高さにも驚いていた。

 「やっぱりヴェルサリア様は凄いわ。」

 「それに向かい打つ彼も凄いわね。」

 客席にいた「シヴァレス」の隊員もそう言っていた。

 そしてエリスはというと・・・。

 「≪義姉上もカミトもあれ程凄いとは・・・それに比べれば私は・・・≫」

 エリスは自身の弱さに落ち込みが目立ち始めていた。

 それを見ていたファーレンガルト公はエリスに対してこう言った。

 「エリス、よく見ておくのじゃ。ファーレンガルト家を継ぐと思っているのなら己の無力を受け入れるのもまた必要な事。」

 「・・・お爺様。」

 エリスはファーレンガルト公からそう言われるとこう続けた。

 「だがなエリス。あれがあそこまで『己の為に』戦っているのを見るのは儂は初めてじゃ。」

 「え?」

 「あれはいつも儂らファーレンガルト家の恩返しのために、残した家族の為に、『己』を捨ててまでも戦っているのを知っておろう。」

 「・・・はい。」

 「だが今のあ奴は違う。騎士としてではなく、『学院最強』でもなく、

ファーレンガルトの家を背負っている訳でもなく、只々己の心にある誇りと闘争心を

胸に秘めて戦っているのじゃ。」

 「・・・誰でもない自分のために。」

 「エリス、たとえどんな結果になったとしてもそれを受け止め、己の糧として

得ることこそが真の騎士たるものじゃ。」

 「・・・はい!!」

 エリスはファーレンガルト公の言葉を聞いてカミトとヴェルサリアの戦いをじっと

見守っていた。

 そしてファーレンガルト公もそれを見て安心したのかヴェルサリアの方をじっと

見ていた。

 

 

 

 

 

 

 「「はあ!!」」

 カミトとヴェルサリアは剣戟の応酬をしていた。

 ヴェルサリアが持つ「クローズ」は二本のブレードであるため「玄海」一本しかないカミトからすれば不利であるがそれを肩に搭載されている「風雷」を使った計三本で

応戦している。

 「くう!!」

 その猛攻にヴェルサリアは不利な状況にあると確信した。

 何せ今のカミトは変則三刀流になっており僅かに斬られる数が増えつつある。

 只でさえカミトとヴェルサリアのドラグナイトとしての経験が違う事も

あるという風にだ。

 だが今のヴェルサリアにあるのは不利に伴う焦りなどなくあるのはただ一つ。

 「アハハハハハ!!」

 興奮と戦闘に伴う悦楽である。

 カミトと戦っている。

 それは彼の正体が「レン・アッシュベル」だと知っているヴェルサリアからすれば

リベンジ・マッチであると同時に嘗ての約束を果たさんとする女の意地があるのだ。

 そして何よりも・・・想い人でもある人と一時とはいえ、まるで舞踏会のように踊るこの状況に感激しているのだ。

 「ふっ!!」

 カミトはヴェルサリア目掛けて二つの「風雷」を投擲した。

 「くあ!!」

 ヴェルサリアは二つを避けてカミトに迫った。

 二人が切り結び合う中ヴェルサリアはカミトにこう聞いた。

 「如何したカミト!!私相手に二本も出さないという余裕から来てるのか!!?」

 それを聞いたカミトは何も言わずに・・・にゃっと笑った。

 「[!!ヴェルサリア後ろから来るぞ!!]」

 「!!?」

 『カオスブレイカー』の声にヴェルサリアはカミトから離れようとすると後ろから「風雷」が迫ってきたのだ。

 「ちぃい!!」

 ヴェルサリアはそれをぎりぎりで避けると後ろから声が聞こえた。

 「後ろに要注意だ!!」

 カミトはそう言いながら特殊武装「天の羽衣」を展開していた。

 「[回避だ!!ヴェルサリア!!]」

 「言われなくとも!!」

 そう言ってヴェルサリアは回避しようとするも何分数が多いことが災いし、その内の一つが引っ掛かった瞬間『シラヌイ』がカミトにこう言った。

 「(今だ!!)」

 「おお!!」

 すると微弱だが電流が足に流れてきた。

 「ぐう!!」

 ヴェルサリアはそれに何とか我慢するも着陸するしかなかったのだ。

 そしてカミトはそのまま「玄海」を振りぬいた。

 「グウウ!!」

 ヴェルサリアはあまりの衝撃にそのまま飛ばされた。

 そしてカミトを見るとヴェルサリアは・・・大笑いした。

 「ハハハハハ!!やはりこうでなくては面白くないな!!」

 そう言いながら剣を地面に刺しこむと「クライシス」を背面部から取り出して・・・柄の分を二つに分けた。

 「なあ!!」

 そして別れた部分を「クローズ」の柄に差し込むとそれらはカチっという音がした。

 そしてその二つを持ち上げると剣ごとそれらが浮いた。

 そしてヴェルサリアはその二つを見せつけながらこう言った。

 「これこそ『カオスブレイカー』の特殊武装『オーバーフォール』だ!!」

 「オーバー・・・フォール。」

 方天戟か付いていた上側は剣が鎌のように柄が曲がった状態になり

もう一本の方は小型の鎌のようになった。

 そしてカミトにそれを見せてからこう言った。

 「さあ!!続きと洒落込もう!!」

 そう言いながらカミトに向かってヴェルサリアは突進した。 




 戦いは未だ終わらず。
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