精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 8か月ぶりに再開します。


精霊と機竜の戦舞踏
いざ試合会場へ。


 選抜メンバーはそれぞれストーンサークルで転送されていった。

 まばゆい光と一瞬の酩酊状態の後にカミト達が見たものは・・・。

 鬱蒼と茂森と広大な湖であった。

 それを見たヴェルサリアがぬかるんでいる土を見てこう言った。

 「ここは学院の合宿で来たことがある。」

 そう言った後にカミトは周りを見ると他の面々も出てきた。

 するとカミトはこう聞いた。

 「所で船は何処だ?」

 カミトは湖を見渡してみるが何もないのでそう言うとヴェルサリアは・・・上空に指さしてこう答えた。

 「あれだ。」

 「ん?あれ・・・・」

 「【マジかよ。】」

 シラヌイはそれを見てマジかと思っていた。

 流線形のフォルムをした・・・飛空艇だ。

 「〈随分変わった形の船ですね。〉」

 「≪ほう、あれが飛空艇か・・・中々どうして≫」

 それを見ていたメイルストームとカオスブレイカーがそれに続いた。

 するとフィオナがこう説明した。

 「あれは神儀院が保有する最新鋭の飛空艇『ベルファール』級よ。」

 「動力源はバルスタン王国製の精霊機関で外装は樹齢6000年以上もする神樹を

使っているらしいわ。」

 それを聞いた機竜全員の言葉が・・・これであった。

 「「「【〈≪もったいねえ。≫〉】」」」

 それだけかよ。

 精霊王に対して奉納するという意味においては最高のおもてなしの様に思えるが

機竜である彼らからすれば只の船としか見ていない。

 それが水しぶきを上げて着水するのを見届けたカミトはこう言った。

 「・・・勝つぞ、シラヌイ」

 「【おおう!】」

 

 

 

 

 

 

 

 そして場所は移ってアレイシア精霊学院の執務室。

 「坊やはもう、あちらに向かい向かっている頃かな?」

 グレイワースはそう言いながら部屋の壁に向かって・・・いや、壁の中にいる

人影と会話していた。

 人影は影精霊使いで教師のフレイヤだ。

 フレイヤはグレイワースの執務机に近づくととあるレポートを乱暴に投げた後にこう聞いた。

 「はい、先ほど。ですがいい加減に私に能力を軍への密偵として使うのは

やめていただけないでしょうか?」

 「それは済まないな。」

 本当にですかとフレイヤはそう聞いた後にこう言った。

 「4年前の教導院に関する資料の内、帝国騎士団が保護した遺児と・・・機竜に関する情報です。」

 「・・・それでどんな結果であった。」

 グレイワースは機竜の情報を聞いた矢張りだと思っていた。

 如何やら教導院もシラヌイに関して精霊使いとしての視点から

研究していたんじゃないかと睨んでいたからだ。

 「先ずは学院長が気にしていらっしゃる機竜についてですが、

どうも向こうも研究に四苦八苦していただけではなく何やら意味不明なことまで

記述していることから帝国図書館の保管室に乱雑に置かれてました。」

 「勿体ないなあ。あれはこれからの機竜部隊創設に向けて必要な物なんだが。」

 「・・・どうしても学院長は創設されるおつもりなんですね。」

 「嫌か?」

 グレイワースはフレイヤの言葉を聞いて意地悪くそう聞くとフレイヤは・・・

いえと答えてこう続けた。

 「奴らが保有するあの薬、もし帝国で濫用されればこの国はあの

バケモノになった人間で埋め尽くされるのは時間の問題です。

ならばこの学院だけでも彼らに対抗するための戦力は欲しても不思議では

ありません・・・ですが」

 「その為に生徒に乗させるのに反対か?」

 グレイワースの言葉にフレイヤは口を噤んだがグレイワースはこう続けた。

 「確かに君の言う通りだ。場合によっては彼女たちを人殺しにさせるかも

しれん」

 だがなとグレイワースはこうも続けた。

 「それでも前に進まなければならないんだ。例え売国奴と呼ばれて機竜を

他国から買って他国の力を借りて創設してでも・・・この国とそこに住む民たちの未来を考えればそんなの埃程度にしかならんよ。」

 グレイワースはそう言いながら厳しい目でそう言った。

 カミトは自身が引き取るまで教導院の暗殺者として機竜に乗り、

ついこの間のジオ・インザーギの時には結果的に彼を殺す一因にもなった。

 そして何よりも・・・自身の生徒がバケモノとなり他社の手で

葬られなければならなかったその無力感を生徒たちに体験させたくないという

グレイワースなりの思い入れがあった。

 「それで次だがこの学院に襲ってきた男は・・・保護した遺児には入ってないがどういう事だ。」

 グレイワースがフレイヤにそう聞くとフレイヤは姿勢を正してこう答えた。

 「はい、当時保護された遺児は14名おり、撃ち5名は騎士団の特殊部隊に

配属されていますが残った彼らは施設で施された呪装刻印の影響で数年後に

亡くなっています。」

 「となれば保護されなかった人間は相当数いると仮定したほうが良いな。

上層部に提案して彼らの探索を依頼しておこう。丁度この間のカミトと

ヴェルサリアの試合を見て貴族の中からも機竜の資金援助を持ちかけてる

連中が出てきて行く用があったからな。」

 グレイワースはそう言いながらもこう考えていた。

 「(カミトの方はマギアルカに頼んで機竜の運送と応援に行ってくれたから

大丈夫だと思いたいが・・・あの偽物のレン・アッシュベルが何を企んでいるのか気になるな。)」

 そう思いながらグレイワースは胸を押さえつけていた。

 丁度心臓があるほうに手を当てるとこう呟いた。

 「頼むよカミト。・・・私の命が尽きる前に何とかしてくれ。」

 




 戦いに備えて・・・準備を進める。
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