精霊使いの装甲機竜   作:caose

122 / 229
 そして襲撃後。


会場に着いたな。

〈デス・ゲイズ〉の襲撃によりベルファール級飛行艇はメインの動力部を損傷し、サブだけではどう考えても島にはたどり着けないと船員がそう思っている中・・・

後方から別の飛空艇がやってきた。

 何やら重装甲であるがそれなりに動く飛空艇と思っていると何やら音声が

響き渡った。

 『あー、アー、聞こえておるか?聞こえておるなら返事せよ!!』

 「なあ、この声って」

 「【間違いないな。】」

 その声を聴いてカミトとシラヌイはお互いそう言うと音声の主が・・・

名乗り上げた。

 『ワシは《ヴァンフリーク商会社長《マギアルカ・ヴァンフリーク》じゃ。』

 「「やっぱり」」

 『そこの船に乗っている選手たちを島まで送り届けてやる。運送料は後で

請求するから今は選手を運ばせてほしいのじゃがな。』

 「・・・体のいい人質だな。」

 「【ああ・・・・まあ、基本料金なだけまだマシじゃね?】」

 シラヌイはそう思っていた。

 無論船内では色々と話し合いが行われていたが暫くして船長がこう言った。

 『分かった。今は船首を送り届けることを最優先とする。料金は追って

上に相談するものとする。』

 『熟考に感謝する。』

 そう言ってお互い通信し終えた。

 そして船内にいる選手たちを中にいれた。

 すると聞きなれた声が聞こえた。

 「おおい、カミト。」

 「おお、アルマか?」

 アルマがカミトを見て手を振っていた。

 「お前見送ってたんじゃ。」

 そう聞くとアルマはこう答えた。

 「ああ、只待つのも暇だからな。こうやって見に来たんだよ。」

 「・・・それって試合開始までは島の片田舎で過ごすって事じゃねえか?」

 そう、ブレイドダンス前は来るのは貴族関係であり民間人はそこから少し離れた村で過ごすのだ。

 「まあな、そこで店を構えようかっつう目論見とお前らの機竜の運搬が

仕事だからな。」

 其れで来たんだよとアルマはそう言った。

 すると近くにいたロロットが全員に向けてこう言った。

 「それでは本船は出航致します。手狭ではございますが暫くの間我慢して

下さい。」

 そう言うと船は発進した。

 そして暫くすると・・・・風の精霊王の聖域に入った。

 「あれが・・・聖域か。」

 カミトはそう言って厚い雲から見える峻険な山脈に囲まれた巨大な浮遊縞が

見えた。

 するとアルマがそれを見てこう言った。

 「あれがブレイドダンスっつうのが行われる場所か。・・・

何か遺跡みたいだな。」

 アルマはそう言いながら島を見ていた。

 まあ確かに、浮遊となれば第7遺跡の『月』と同じであるからなあ。

 然しカミトは自身の左手を抑えながらこう言った。

 「あそこに・・・レスティアがいる。」

 「【ああ・・・ここ迄長かったな。】」

 カミトとシラヌイは同じ思いで島を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 船が着いたのは正午過ぎで予定時刻からやや遅れていたが飛空艇は

聖域〈ラグナ・イース〉に着いた。

 如何やら向こうの船長が事情を説明し、マギアルカと交渉しているようだ。

 港からは〈神儀院〉が用意してくれた馬車で向かう事となった。

 機竜はロロット達がちゃんと宿にある倉庫に置いておくと言ってきたのだ。

 機竜を置くのはダメなんじゃないのかとエリスが聞くとロロットはこう返した。

 「大丈夫です。予めグレイワース様がこちらの責任者に

伝えておいたようです。」

 そう言ってカミト達は・・・ああねと納得した。

 グレイワースなりの考えがあるように思えるが機竜を使う機会などないと

願いたいほどだ。

 全員は馬車に乗ったがこれは4人乗りであり、本来なら入らないんじゃないかと思っていたが・・・・。

 カミトとレオノーラが前に、後ろにエリス、フィオナ、ヴェルサリアが

座ったため大丈夫であった。

 馬車は開会式が行われる城館に向かって進んでいた。

 「あそこが俺達の宿泊施設か。」

 カミトはそこを見てそう言うとフィオナがこう追加した。

 「ええ、普段は〈神儀院〉の姫巫女しか立ち入ることすら許されない場所よ。

私は火の精霊王の祭壇に入る時に一度だけだけどね。」

 「・・・精霊王の本祭壇か・・・何だか緊張するな。」

 エリスは緊張した表情でそう言った。

 するtヴェルサリアがフィオナにこう聞いた。

 「そう言えば帝国の皇帝夫妻は、到着していると思われるが合わないのか?」

 ヴェルサリアはそう聞くとフィオナは・・・こう返した。

 「あれ知りませんでした?私もう勘当寸前なんですよ。」

 「「「「・・・・・えええええ!!」」」」

 それを聞いて全員が驚いていた。

 一体何でだと思っているとフィオナはしれッとこう続けた。

 「ほら私精霊使えるようになっても〈神儀院〉に戻らなかったじゃない?

それで両親からああだこうだ言われてもう嫌なのよねえ。だから、これを機に

マギアルカ様の商会に入ろうかなって思ってるの。」

 「イヤイヤイヤイヤ。待って下さいよ!!それでは女王は

どうするんです!?」 

 レオノーラが慌ててそう聞くとフィオナはこう返した。

 「ああ、私そう言うのは興味ないのよ。精霊が使えないからって『無能』とか

『ロストクイーン』とか陰で言ってたくせにいざ使えるようになると

手のひら返してくるんだから嫌になったのよ。」

 「だから、マギアルカ様の商会に入って商業を学んであの夫婦を

見返してやるのが私の究極の復讐だって思ってんのよ!!」

 オーホホホホホホホと終盤は大声でそう言っていた。

 「・・・以外に逞しいな。」

 「・・・ですね。」

 カミトとレオノーラはそれを見て引き攣った様に笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして暫くして馬車は巨大な石で作られた門の前で止まった。

 城館は類稀な美しさと壮厳さを兼ね揃えただけではなく、深い森は精霊たちの

憩いの場として、さらに湖もある。

 よく見ると馬車が数台乗り付けられているところを見るに既に

ほかのチームも到着しているようであった。

 カミト達は馬車から降りると・・・門の前から声が聞こえた。

 「お待ちしておりました。精霊王を愉しませる剣舞の姫巫女達よ。」

 「【一人男がいるけどな。】」

 姫巫女の一人に対してシラヌイはそう言った。

 するとフィオナがカミトのすぐ近くに来てこう言った。

 「あの子達は〈神儀院〉の見習い姫巫女で私の後輩よ。」

 「へええ・・・・あんな格好が巫女なのかよ?」

 「ああ・・・うん。・・・確かに男の人からすれば刺激が・・・

強いわよねえ。」

 カミトの言葉を聞いてフィオナは少し言いづらそうであるがそう言った。

 何せ胸元は大きく開き、裾の切れ目からは瑞々しい肌が僅かに露出していた。

 これ考えた奴本当は変態なんじゃないのかとカミトはそう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 そしてカミト達は城館に入っていった。

 その中には広大な玄関ホールがあった。

 美しいアーチのかかった高い天井。

 絨毯を敷いた柱廊とその壁には数百年前に描かれた絵画がそこにあった。

 それらは歴代ブレイドダンス優勝者の絵画であり真新しいのが・・・

3年前のである。

 最強のブレイドダンサー『レン・アッシュベル』

 その繊細なタッチで描かれたその少女の姿は客観的に見ても綺麗な物であった。

 然しそれを見たカミトとヴェルサリアはと言うと・・・。

 「・・・美化しすぎだろ。」

 「まあ仕方がないだろうな。3年前だし」

 お互いそう言っていた。

 然し前を歩いていたエリスはムッとした表情でこう言った。

 「見る目がないのかカミトは!?それに義姉上もです。彼女の美しさは

間違いなくこの絵以上に美しくなっていますよ!!」

 そう言って憧れているエリスを見てヴェルサリアはカミトに対してこう言った。

 「・・・今更正体行っても聞かんだろうな。」

 「ああ・・・・」

 そう言ってその絵から離れていった。

 

 

 




 次回はちょっと商業です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。