精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 狼煙は上がった。
 準備出来次第・・・発動せよ。


舞いと戦火

「・・・そろそろさね。」

 城館近くにある森の中でドラッケンがそう言った。

 彼女は今機竜の中での一品物、神装機竜「アスプ」を身に纏っている。

 するとドラッケンは少し後ろに離れている少女に向けてこう聞いた。

 「・・・準備は如何さね?」

 「万事順調よ。あと少しで全部城館を囲めれるわ。」

 そう言って少女、ミュア・アレンスタールがそう言うが何か不満そうであった。

 「不満そうだね?城館の飯が食いたかったのかい?」

 そう聞くとミュアはふて腐りながらこう返した。

 「フーンだ。兄様と踊るなんて全くカーディナルはさ」

 「ああね、そう言う事かね」

 ドラッケンはそう言った後に城館の方をもう一度見た。

 数多くの王族や貴族、その子供たちが一堂に集い、油断しているであろう

あの建物はまさにお宝の山といっても過言ではない。

 ドラッケンは全員に向けてこう言った。

 「良いかい?あたしらは暴れる。いつも通りさね。」

 ドラッケンの言葉を聞くと一人の男性がこう聞いた。

 「あのう、隊長。一つ良いですか?」

 「何さね」

 「・・・殺したり、犯したりするのは良いすか~~?」

 それを聞くと何人かがヒヒヒヒと笑っていた。

 それを聞いたドラッケンは・・・ニヤリと笑ってこう返した。

 「ああ・・・奪った女は構わないさね。・・・但し、身代金が払えない奴

だけさね。」

 「ういーす。」

 ドラッケンの言葉を聞いて質問してきた男性はそう答えた。

 そしてドラッケンはまた城館の方を見つめていた。

 ・・・合図が来るのを待って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 優雅に奏でられるワルツの調べ。

 ホールの中央でカミトとレン・アッシュベルらしき人間のダンスを周囲は

見つめていた。

 リードしているのはレン・アッシュベルらしき人間。

 踊っているのは激しく燃える焔のような舞踏だ。

 それは姫巫女が祭儀の際に奉納するような本格的な儀式舞踏。

 その変幻自在な動きにカミトはついていくのがやっとであったが

レン・アッシュベルらしき人間はカミトに向けてこう言った。

 「中々良い動きだ。流石剣舞を極めた者は違うな。」

 「そいつは皮肉なのか?『レン・アッシュベル』・・・いや」

 「【それを騙る偽物さんよ?】」

 カミトとシラヌイは同じ思いでそう聞いた。

 何せその正体を知っているのが・・・彼らなのだから。

 すると何かを感じ取ったのかレン・アッシュベルらしき人間は足を素早く

組み変えた。

 カミトも其れに反応し、即座に反応して彼女の腰を抱き寄せた。

 そしてそのまま反転し、再び音楽に身を任せたが見ようによって

これは舞踏でなく・・・剣舞であろうと見て取れる。

 「アンタには色々と訊きたいことがある。」

 「性急だな。私はもう少しお前との舞踏を楽しみたいのだが。」

 レン・アッシュらしき人間はそう言うがカミトはこう答えた。

 「悪いがいい加減に踊りは・・・飽きたんでな!」

 カミトはそう言ってレン・アッシュらしき人間を無人のテラスにへと

誘いだした。

 広いテラスからは浮遊島に広がる大森林が一望できる。

 普通ならこう言う時は告白が大前提だと思われるがカミトは

レン・アッシュベルらしき人間から即座に離れてシラヌイのソードデバイスを

抜く構えをとりながらこう聞いた。

 「面倒くさい単刀直入に訊くぞ・・・ミュアはお前の仲間か?」

 「・・・ほう、そこを聞くか?」

 「目的は何だ?」

 「何故聞きたい?」

 「答えろ」

 カミトはそう言った。

 「【いい加減に観念したらどうだ・・・偽物さんよ?】」

 シラヌイも同じ気持であった。

 そしてレン・アッシュベルらしき人間はこう答えた。

 「戦争のためだ。」

 「戦争?・・・何処とだ」

 「〈彼ら〉と戦うために私はある国と同盟を結んだ。」

 「同盟?どことだ。」

 「・・・ヘイブルグ共和国」

 「!!・・・ヘイブルグ共和国」

 カミトはその国を聞いて驚いていた。

 少し前にレオノーラが話していた国の名だ。

 現在では軍が中央を支配しているというほど軍事力が高い国家である事も。

 「・・・〈彼ら〉って誰だ?」

 「この世界の王達だ。」

 「なああ!?」

 「【オイオイ、こいつランパール戦争の焼き増しでも起こす気か!?】」

 シラヌイはそう言っていた。

 もし本当に起こすとなると機竜側との全面戦争に陥ってしまうからだ。

 「(然もあっちにはアビスって言う化け物共がいる。もしそいつら迄

加わったら・・・!!)」

 考えるだけでゾッとするものだ。

 下手したら世界が破滅に陥ってしまうからだ。

 「そんなことして何になるんだ!?世界が滅びちまうぞ!!?」 

 カミトはそう言いながらソードデバイスを抜き放った。

 然しレン・アッシュベルらしき人間は何も感じない様にこう続けた。

 「違うな。この世界を救うための戦争・・・だが、戦争にはある現象が必要だが何か分かるか?カゼハヤ・カミト」

 「・・・何だ?」

 カミトはそう言いながらソードデバイスを構えた。

 するとレン・アッシュベルらしき人間は懐からある・・・札を見せて

こう言った。

 「試させてもらうぞ『レン・アッシュベル』(魔王の後継者)。お前に

〈彼ら〉を殺す資格があるのかどうかを・・・」

 そう言いながらレン・アッシュベルらしき人間はその札をカミト目掛けて

投げ放った。

 「!!」

 カミトは直ぐに回避して攻撃しようとしたその瞬間に・・・。

 「【カミト!!】」

 シラヌイが大声で何か言ったその時に・・・その札がカミトの背中に刺さった。

 「!!」

 カミトは何が起こったんだと思っている中で・・・声が聞こえた。

 「カミト!!」

 すると向こうからレン・アッシュベルらしき人間向かって・・・何かが間に

割り込んだ。

 「・・・ヴェルサリア!?」

 「大丈夫かカミト!!」

 ヴェルサリアはカミトを見た後に・・・憤怒に近い表情でこう言った。

 「貴様・・・ここでカミトに何かしようとはいい度胸だな・・・!!」

 そう言ってヴェルサリアはカオスブレイカーのソードデバイスを抜き放った。

 するとそこから他のメンバーも来た。

 「「「カミト(さん)〔君〕!!」」」

 エリスとレオノーラ、フィオナも来てくれたのだ。

 三人はカミトを守るように陣形を取った後にヴェルサリアはこう聞いた。

 「さあ、『レン・アッシュベル』。貴様ともあろうものが不意打ちとは

感心せんが何用で・・・カミトを手にかけた」

 ヴェルサリアは殺気丸出しでそう聞くが当の本人はというと・・・・。

 「ああそうだ、話が途中であったな?カゼハヤ・カミト」

 「おい、貴様!!」

 ヴェルサリアは確実に自分は眼中にすらない事に気づいて怒り出すも

レン・アッシュベルらしき人間はこう続けた。

 「戦争にはある現象が必要だと言ったがそれは何だと思う?」

 そう聞いた次の瞬間に城館の出入り口から・・・。

 ドカーン!!

 「「「「「!!!!!」」」」」

 「きゃあアアアアア!!」

 爆発音が聞こえた。

 「・・・まさか・・・・!!」

 カミトはレン・アッシュベルらしき人間を見てまさかと思いながら聞くと

レン・アッシュベルらしき人間はこう答えた。

 「そうだ、カゼハヤ・カミト」

 「・・・発端だ。」

 




 これより、戦闘行為に移る。
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