精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 やっと第4巻が終わった。


戦い終わり・・・失って。

森の中にて何やら金属同士が打ち合う音が聞こえた。

 「ほらほらほら!どうしたさねカゼハヤ・カミト!!」

 「グウおう!?」

 カミトは現在ドラッケンと戦っていたが相手は化け物が付くくらいの

腕前であった。

 「・・・・強い!!」

 「【何せ俺達よりも機竜での戦闘経験が高いからな!!】」

 カミトとシラヌイはドラッケンに対してそう思っていた。

 カミトは知らないが何せ相手は機竜でのワールドランクには入っていない

(面倒くさいから)がもし入っていたら10位以内は確実であろうと言うほどの

腕前なのである。

 まあ、そうとも知らないカミトはドラッケンと戦っているのだが当の本人はと

言うと・・・。

 「(オイオイオイ、こいつは中々じゃないさね。それなりに機竜を動かしている

だけじゃなくて勘も良いようさね!?後数年すりゃあ・・・やばいかもさね】」

 ドラッケンはそう思っていた。

 カミトの機竜での経験はドラッケンと比べれば雲泥の差であるのだがそれを

マギアルカに特訓によりマシな程度(本人談)まで押し上げることが出来たのだ。

 お互いあと1歩のところで決定打に欠けてしまっている状態である。

 「【どうする?カミト】」

 シラヌイがそう聞くとカミトはこう答えた。

 「・・・あれをやる。」

 「【・・・オオ!!】」

 カミトの言葉にシラヌイがそう答えるとシラヌイが持っている武器が全て・・・

展開された。

 右手に玄海。

 左手に清水。

 両肩に搭載されている風雷は天の羽衣で持っていた。

 これこそシラヌイの武装総展開形態。

 カミトは全ての力を出し切る覚悟で武器を構えた。

 お互い攻撃しようとした・・・その時に!!

 「無事かカミト!!」

 上空から声が聞こえてきたのです。

 二人は上を見るとそこにいたのは・・・。

 「アルマ!マギアルカ!!」

 アルマとマギアルカがいたのだ。

 するとマギアルカはアルマから降りて着地するとこう言った。

 「遅くなってすまんのう!?何せ城館にいる連中の手助けするメンツを

揃えるために遅くなってしまったわい!!」

 「それって・・・エリス達のか?!」

 「うむ、丁度部下たちが迎え撃っていることだわい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃の城館。

 「何だこいつらは?!」

 「突然出てきやがった!!」

 ロロット率いる部隊が城館を襲っている機竜部隊と戦っていた。

 「「「ロロットさん!!」」」

 「皆さん大丈夫でしたか!?」

 ロロットはレオノーラ達にそう聞くと全員は大丈夫だと答えた。

 「カミトさんの方にはマギアルカ様が向かっております!我々は敵の掃討に

撃って出ます!!」

 そう言って全員が迎え撃った。

 ある一人を除いては・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 「あ~~あ、もうお終いかな?」

 ミュアはその光景を見ていた。

 これは引き時かなと思っていると後ろから・・・音が聞こえた。

 「ドラッケンの合図。・・・撤収か、後少しだったんのになあ」

 ミュアはそう言いながらボロボロになった・・・エリスを見てこう言った。

 「じゃあねえ、お姉ちゃん。今度は・・・殺すまで相手してあげるねえ。」

 きゃははとミュアは笑いながら撤収していくがエリスはそれどころでは

なかった。

 「カミトが・・・・〈教導院〉・・・そんな・・・・ウソダ。」

 エリスはミュアの言葉を聞いて・・・頭の中がグチャグチャであった。

 カミトが教導院の出身、つまり・・・暗殺者であることがショックで・・・

たまらなかったのだ。

 だが心の内ではストンと何かがはまった様な感じでもあった。

 カミトの実力の一端がそこならば納得してしまったからだ。

 認めている自分と拒絶してしまっている自分。

 相反する感情にエリスは・・・何も考えられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「今のは・・・撤収かのう?」

 マギアルカはドラッケンに向かってそう言うとドラッケンはこう返した。

 「まあね、アンタみたいな実力者が相手だとあたしも死を覚悟しなきゃいけないからさね。傭兵は体が資本だからねえ。」

 そう言ってドラッケンは引いていく中でカミトに向けてこう言った。

 「それじゃあ、坊や。また何処かで会おうさねえ。」

 そう言ってドラッケンは姿を・・・晦ました。

 「矢張りあ奴の機竜は〈ドレイク〉か・・・」

 マギアルカはそう言ってドラッケンの機竜を解析しているが・・・事態が

急変した。

 「・・・・・あぐっ、アアアアアアアア!!」

 「!!どうしたのじゃ」

 「カミト!!」

 マギアルカとアルマが突如苦しみだしたカミトを見て驚いていた。

 「何でも・・・・な、い」

 「そう言う人間ほど大丈夫じゃないのじゃ!!」

 そう言いながらマギアルカはシャツのボタンを緩めて見たものは・・・。

 「何じゃこれは・・・・」

 丁度心臓のある位置に、禍々しい黒い文様が浮かんでいた。

 「グああアアアアアアアア!!」

 「ボス!!」

 「アルマ、直ぐに医療班を呼べ!それと精霊使いの・・・フィオナもじゃ!!

もしかしたらあ奴の専門家もしれん!!!」

 「はい!!」

 マギアルカは矢継ぎ早にアルマに指示を出すと・・・。

 「どいてください。」

 「エスト?」

 エストがマギアルカにそう声をかけた。

 するとエストはカミトの顎に触れると・・・こう言った。

 「私は貴方の剣。だから」

 そう言いながらエストはカミトに・・・キスをした。

 「エス・・・・ト!?」

 「【お前・・・・まさか!!】」

 シラヌイはエストの行動にまさかと思っているとエストはカミトを見て

こう言った。

 

 

 

 

 

 

 「サヨナラ、カミト」

 そう言ってエストは・・・無数の粒子となって・・・消えた。

 「・・・・・エストーーーー!!!」

 カミトはエストの手を掴もうと虚空に手をかざしそのまま・・・失神した。

 「「カミト!!」」

 マギアルカとアルマはカミトの状況を見て近づいた。

 彼女たちはその時にカミトの胸の呪装刻印が消えているのと同時にあるものが

浮かんでいたことに気が付かなかった。

 ・・・・101の数字が浮かんでいたことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何処かの闇の中。

 そこにナニカがいた。

 全身を漆黒で覆った鎧を身に纏った・・・騎士の如きナニカが。

 それが持っている槍はある物を見て・・・それを指した。

 純白の・・・剣がそこに突き刺さっていた。

 ゥおオオォォォォおおおお!!

 騎士の雄たけびは誰にも聞かれることなく虚空に・・・響き渡った。

 




 また休載します。

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