「まさか、聖堂の地下にこんな大空洞があったなんてな。」
「ええ、この大空洞の存在を知っているのは私と・・・後一人だけなの。」
カミトとフィオナは精霊鉱石のランタンを持ちながら地下の大空洞に
入りながらそう言うとフィオナの言葉を聞いて誰なんだろうと思っていると
こう聞いた。
「其れって誰なんだ?」
そう聞くとフィオナはこう答えた。
「〈神儀院〉の先輩・・・『カラミティ・クイーン
《ルビア・エルステイン》』様よ」
「・・・・なあ!!」
カミトはそれを聞いて思わず声を上げてしまった。
何せ彼女はここにはいないが『クレア・ルージュ』の実の姉であると同時に
オルデシアの火を一年間も使えなくさせた張本人なのだから。
そしてフィオナはこう続けた。
「彼女とは一度風の精霊王の儀式奉納で一度ここに来た時にこの場所を
案内してくれたのよ。」
「・・・けど」
「けど?」
「最高位の姫巫女さえ立ち入ることを禁じられた場所なのに何でこの洞窟を知っていたのかは分からないけど」
そう言うと・・・カミトは何かに気づいてこう言った。
「フィオナ、静かに!」
「どうしたの!?」
フィオナはどうしたのかと聞くとカミトはこう答えた。
「・・・近くに誰かいる」
「そんな!?だってこの場所を知っているのはもう私・・・・!!」
フィオナは何かに気づいたかのような表情をするとカミトはこう続けた。
「取敢えず黙ってろ!」
そう言ってカミトはフィオナの口を手で塞いでその声を聴いた。
--もし・・・の体が耐えられなかった時はどうやってお詫びするのよ・・・
--の時は彼に・・の後継者としての資格がなかった
洞窟の中で反響する声。
それにより距離がどれくらい離れているのか分からないが正体は分かった。
「(一人は・・・ミュアだな。それともう一人は・・・まさか!)」
カミトはもしかしてと思って聞いている中で・・・殺気が辺りに響いた。
--黙れ---!!
「「!!!!!」」
それと同時に彼女の殺気を感じてカミトはこう言った。
「フィオナ!ここは一度通り過ぎるぞ!」
「え・・・ええ!!」
そう言って二人は離れていった。
そしてそこから猛ダッシュで離れたカミトはそう言えばと思ってこう聞いた。
「そう言えばおれ、聖女アレイシアの夢を見たんだ。」
「え・・・どんな夢なの?」
カミトの言葉を聞いてフィオナはそれを聞いた。
内容的に見れば普遍的な夢なのだがそれを聞くとフィオナはこう答えた。
「気になるわね、男の人もそうだけど問題は聖女の腕に抱かれている子供。何かあるのかしら?」
そういう中でフィオナはもしかしたらと思ってこう聞いた。
「ねえ、カミト君?」
「?」
「もしかしたら・・・と言うか私も体験したんだけど多分・・・エストの意識と混濁してるんだと思うの。」
「・・・どういう事だ?」
カミトがそう聞くとフィオナはこう答えた。
「精霊使いと契約精霊は、夢の中で意識を共有して繋がることがあるのよ。」
「かく言う私もゲオルギウスが使えなくなった時に戦場を駆ける騎士の夢を
見たんだから」
経験者が言うんだから間違いないわよとそう言った。
例え契約精霊の力を失っているとしても繋がりが断ち切られなければ大丈夫だとそう言った。
「だとするとあれはまさか・・・エストの記憶か?」
そう聞くとフィオナはこう答えた。
「正確に言えばカミト君の記憶とエストの記憶が混ざり合って出来た
イメージって言う事だろうけどね?」
「けど俺には両親の記憶何て無いぞ。」
カミトはフィオナに向けてそう言った。
物心つく頃には既に《教団》にいたことから親などいないと思っている中で
そう言うとフィオナはこう答えた。
「多分だけどまだ幼いカミト君の深層意識における記憶かまたは・・・そう言う心理的欲求から来ているんじゃないの?」
「俺の・・・心理的?」
「そ、カミト君がそう言うって事は心のどこかでこう思ってんじゃないの?」
「『親の愛情が欲しい』って言う想いが。」
「親の・・・愛情」
「それが夢となって現れたって言う事もあるんじゃないの?」
そういう中でカミトはこう思っていた。
「(俺のそう言う想いでああいう夢が出来るって本当だろうか?けどもしそれが本当だとするなら俺の願いは・・・・)」
一体何なんだとそう思った。
最初は嘗ての相棒であるレスティアを見つけたいというその願いであった。
然し彼女は今偽のレン・アッシュベルと手を組んで何かをしようとしている。
それが何なのかは偽のレン・アッシュベルに問い詰めるしかないなと思っており改めて自身の願いが何なのかを考えてしまっているとカミトはこう聞いた。
「それにしても何で俺にここまでするんだ?」
フィオナに向けてそう聞くとフィオナはこう答えた。
「そうね・・・強いて言うなら・・・『恩返し』かな?」
「恩返し?」
何じゃそれはと思っているとフィオナはこう続けた。
「知っていると思うけど私は本来ならばルビア様の後継者だったんだけどさ、
契約精霊の力を失って周りからは『ロスト・クイーン』何て呼ばれてさ、
〈神儀院〉や貴族、城の人間、果ては家族ですら失望と差別を受けていたわ。」
「・・・・そうか。」
「けどさ・・・」
「?」
「3年前にカミト君が使った剣舞が私を勇気づけてくれたの。」
「だからこれはその恩返しって奴ヨ。」
そう言いながらフィオナはにこやかにそう言うとこう続けた。
「これで返せれ程安くはないけどそれでも少しずつ少しずつ貴方に
返したいのよ。」
カミトに向けてそう言う中でそれにと言ってこう続けた。
「《親の愛情》を欲したいと思うほどの家族だったら会いたいだろうから
私の願いを使って。」
「!!・・・良いのかよ!?だってそれは」
「ああ、大丈夫よ。私の願いは
《契約精霊をもう一度使えるようにしてほしい》って言う願いだったんだけど
其れはもう叶ってるし今はそれよりも目標が出来たしね。」
そう言いながらフィオナは舌を出してそう言うとカミトはああなと思っていた。
「(多分マギアルカからすれば『中々じゃのう』と言いそうだなア。)」
そう思っている中でフィオナはこう言った。
「もうすぐ出口よ」
フィオナはカミトに向けてそう言った。
家族の愛って本当に欲しい人間からすれば・・・何物にも代えがたい
宝物なんです。