精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 偽のレン・アッシュベルと・・・彼女の会話です。


偽物と闇。

カミトとフィオナが大祭殿に潜入している頃、城館では上層部貴族だけの晩餐会が執り行われている中でその庭園にて偽のレン・アッシュベルが・・・。

 「いよいよ明日ね。レン・アッシュベル?」

 「ああ。」

 闇精霊レスティアと喋っていた。

 「カミトは貴方の試練に耐えたようね?」

 レスティアがそう聞くが偽のレン・アッシュベルは冷たくこう言い放った。

 「あの剣精霊が闇の力を抑え込んだのは想定外だが所詮は一時的にしかすぎぬ。

一度開いたゲートは二度と元には戻るまい。」

 それを聞いてレスティアはこう続けた。

 「彼が本当に闇に呑まれたら貴方の計画に支障が出るんじゃない?」

 然し偽のレン・アッシュベルはこう答えた。

 「あの男がその程度の器ならどのみちここで終わっている。」

 そしてレスティアはこう聞いた。

 「彼に仕える精霊姫は用意できるの?」

 「候補ならばあの中で言えば彼女が適格だ。」

 「・・・あのロストクイーン?」

 「そうだ。」

 「・・・そう。」

 如何やらフィオナを使って何かやらかそうとしているようであったがレスティアはそのまま姿を消した。

 そして偽のレン・アッシュベルも消えようかと思っていると・・・

声をかけられた。

 「今のは闇精霊だな?」

 「・・・盗み聞きとはルギア王国の聖霊騎士団にしては趣味が悪いな。

ルミナリス」

 声をかけたのはルミナリスであった。

 するとルミナリスはこう続けた。

 「既に感づいていたはずだと思っていたが・・・矢張り間違いないようだな。」

 「・・・何の事だ?」

 偽のレン・アッシュベルはルミナリスは何だと聞くとルミナリスはこう答えた。

 「貴様は『レン・アッシュベル』ではないな。」

 「・・・どういう意味だ。」

 そう聞くとルミナリスはこう続けた。

 「あいつと貴様とでは気配・・・いや、根本的に何かが違う。」

 だからと言ってルミナリスは自身の精霊魔術でもある剣を構えてこう言った。

 「一合し合って何なのかを・・・見極めて貰おう。」

 そう言うが偽のレン・アッシュベルはこう言った。

 「身の程を弁えるがいい。貴様如きにあれを使う価値はない。」

 「そうか・・・ならば!!」

 ルミナリスはそう言って・・・剣を振りかざした。

 そしてそのまま偽のレン・アッシュベルの頭を1直線に斬りこもうとするが・・・偽のレン・アッシュベルはこう言った。

 「良い動きだが・・・。」

 「剣で焔は斬れまい。」

 そう言いながら背後に1瞬で移動した。

 「!?」

 ルミナリスはそれを見て驚くがその刹那に・・その胸部に強烈な掌打が

撃ち込まれた。

 「が・・・はあ。」

 ルミナリスはその攻撃により体をくの字になって倒れこもうとすると

偽のレン・アッシュベルがルミナスに向けてこう言った。

 「魔王に騎士をぶつけてみるのも一興か。・・・こいつを使ってな。」

 偽のレン・アッシュベルはそう言いながら懐から・・・札のような物を出した。

 そして偽のレン・アッシュベルはルミナリスの胸元にそれを・・・

刺しこませた。

 「あ・・・ッグウ。」

 そしてそのままルミナリスは・・・激痛に襲われた。

 

 

 

 

 

 

 「ガ・・・・アアアアアアアアアアア!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 「喜べ騎士ヨ。貴様に相応しい相手を教えてやる。」

 偽のレン・アッシュベルはそう言うが当の本人は聞いておらづそのまま

ルミナリスは失神した。

 右手の甲に・・・「№36」がボヤっと浮かび上がって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無数の屍が並ぶ丘の上でセイクリッド・クイーンでもある

アレイシア・イドリースは剣を大地に突き立てた。

 民衆の期待する肖像とは裏腹に彼女の純白の甲冑は血まみれになっており、

明るい笑顔はなりを潜め暗くなっていた。

 周りにあるのは魔王軍の屍であるのだがそれらは全て・・・雑兵に

過ぎなかった。

 部隊の話によれば鋼の兵器を身に纏った者たちがいたらしいがその人たちは

アレイシア・イドリースが助太刀する前に退散していることが殆どであった。

 然し戦闘の後に残っているのは・・・仲間の死体だけであった。

 更に言えば少女の敵は魔王軍だけではないのだ。

 幾つもの勝利と敗北を繰り返し時には仲間から策謀や裏切りなどにより

彼女の心は少しずつであるが壊れ始めていった。

 そんな中で繋ぎとめている人間・・・いや、剣精霊がいるからこそ戦えるのだ。

 「ねえ、エスト」

 「何でしょうか?マスター」

 エストが何ですかと聞くとアレイシア・イドリースはこう聞いた。

 「何時までも私の側にいてくれる?」

 そう、・・・嘗て見せた笑顔を見せるとエストはこう答えた。

 「私は貴方の剣。貴方の命尽きるその日まで貴方を守りましょう。」

 そう答えるとアレイシア・イドリースはこう言った。

 「ねえ、エスト。何時か魔王を倒してこの戦いが終わったら貴方は私の・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「(あの時・・・アレイシア・イドリースは何を言おうとしたんだろう?)」

 闇の中でエストはそう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 然し彼女はある事を忘れていた。

 どうしてアレイシア・イドリースは魔王に負けたのか?

 どうして歴史はそれを隠ぺいしたのか?

 そしてどうして・・・夢の中の一コマにある彼女の笑顔が・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あんなに満面の笑みを浮かべていたのかを・・・まだ知らない。




 誰かに見せる笑顔が何で・・・・。
 あんなに輝いているのだろう?
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