精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 諸君!
 勝って兜の緒を締めよ!!


初戦の勝利は次に生かされる。

 「(くうう!目くらましかよ!)」

 カミトはそう毒づいていた。

 恐らくは予め地面に埋められていた精霊鉱石の爆雷なのであろう。

 古典的で威力が殆どないとは引き換えに不意打ちにおいては確実な

手段としている。

 それと同時に殺到してくる殺気に気が付いた。

 「(・・・下か!!)」

 そう思ってジャンプすると先ほどまでいた場所から・・・巨大な砂の腕が現れた。

 「(やっぱり伏兵!!)」

 そう考える中でも砂の腕はカミトに迫ってくると・・・。

 「カミト!!」

 ヴェルサリアがサイレント・フォートレスに搭載されている

二連式キャノン砲で砂の腕を破壊するとヴェルサリアはこう続けた。

 「そのまま上にいる術者を狙え!!」

 「感謝するぜ!!」

 カミトはヴェルサリアの言葉を聞いて承知するも・・。

 「--圧殺せよ、石獣精霊〈ガルグイユ〉!」

 頭上から石の魔物が落下してきたが・・・。

 「グリムゲルデ!!」

 「承知!」

 レオノーラが巨大な風を出現させてカミトをそこから無理やり遠ざけるも

カミト目掛けて突進してきたので・・・。

 「剣聖の騎士ヨ!わが友の盾となれ!!」

 フィオナが精霊を召喚してその攻撃を受け止めた。

 然しカミトはなぜ自分ばかりが狙われているのかと思っていると・・・

声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 「あいつは危険だ!契約精霊を使役出来ないうちに潰せ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「(何故それを!?)」

 知っているのだと思っていると・・・カミトの前後を挟むかのように精霊使いが現れた。

 一人は抜身のサーベルを手にした精霊使い。

 もう一人は弓を構えている。

 更に言えば砂の巨人も現れてきた。

 「とことん今日はモテルなおい!!」

 シラヌイがいれば間違いなくそう言うなと思いながらも考えていた。

 どうやれば良いのかを・・・。

 そして・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・やってみる価値はあるな。」

 カミトはそう言って懐から・・・幾つかの武器を取り出した。

 「何をするか分からないが!!」

 サーベルを持った精霊使いがそう言って振るおうとすると・・・。

 

 

 

 

 

 

 「遅ェ!!」

 

 

 

 

 

 

 そう言って一瞬でサーベル使いに近づいて・・・ナイフで切りつけた。

 「!!」

 サーベル使いはそれをかすり傷で避けると・・・。

 「あれ・・・・?」

 体の平衡感覚が乱れてきたのだ。

 「!!一体何を」

 「言うかよ!!」

 カミトはそう言いながら木々の間を縫うように移動した。

 〈教導院〉で教わった高次立体移動。

 それらを利用して当たりの木々を使いながらこう考えていた。

 通常の精霊使いならばこの動きについてこれないのだ。

 ましてやカミトはその圧倒的な速度故に〈影縫い〉の固有名を

与えられているのだ。

 それが代表であったとしても見えないのだ。

 そして・・・。

 「ふん!」

 「がはあ・・・!!」

 弓精霊使いを一撃で失神させた。

 然し砂精霊は木々を全て破壊していった。

 恐らくはカミトの移動手段を封じるのが目的なのであろう。

 然し・・・。

 「そこかあ!!」

 ヴェルサリアの言葉と共に砲撃の音が聞こえ、砂精霊がはじけ飛んだ。

 然し砂精霊は再生しようとしている中でカミトは・・・砂精霊の鳩尾向けて

殴った。

 すると・・・砂精霊の体が崩れて砂の中から・・・一人の少女が失神した状態で現れるとヴェルサリアは成程と言ってこう続けた。

 「土関係の精霊使いは大体がどこかに隠れているからな。その中なら

怪しまれないだろうな。」

 そう言いながら倒れている少女達3人から魔石を奪うとカミトはこう聞いた。

 「なあ、お前ら・・・俺が精霊を使えないって誰から聞いた?」

 「!!」

 ヴェルサリアはそれを聞いて目を見開くと・・・彼女達はこう言った。

 「・・・貴様などに教えて堪るか。」

 そう答えるとカミトはこう続けた。

 「・・・レン・アッシュベルだな。」

 「・・・・・」

 少女はそれを聞いて顔をそっぽ向けるがカミトは成程なと言った。

 「それじゃあこいつは貰っておくぜ。」

 そう言ってカミトは離れようとすると霧が晴れてきた。

 「如何やらエリスが倒したようだな。」

 ヴェルサリアがそう言うとカミトに向けてこう聞いた。

 「カミト、エリスの事についてなんだが。」

 「?」

 「あいつ何だかお前の事について避けていると言うかなんと言うか・・・迷いを感じるのだ。」

 「あいつが?」

 「私もそれとなく聞いておくからお前も頼む。」

 「・・・分かった。」

 カミトはそう言って戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・夢なのだと間違いなく分かる。

 聖女が男性と仲睦まじく歩いているところを。

 子供たちが聖女と共に遊んでいるところを。

 そして何よりも・・・・。

 聖女と男性の左手の指に嵌められている・・・・綺麗な銀の指輪を付けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・カミト、カミト。」

 「う・・・・ん?・・・ヴェルサリアか?」

 ヴェルサリアが揺らしてきたことによりカミトは目を覚ました。

 「食事の時間だ。早く起きないと無くなるぞ。」

 「ああ・・・分かった。」

 カミトはそう言いながら目をこすって起きた。

 カミト達が今いるのは緩やかに流れる渓流のすぐそばである。

 食料となれる魚があるし水は澄んでいて

(まあ人が来ないから当たり前であるが)丁度良いのだ。

 簡単なテントを作った後にカミトは夜の見張りの為に仮眠を取っていたのだ。

 こう言う時にはシラヌイがいれば起こしてくれるようなものなのだが。

 辺りはもうすっかり暗くなっており川の近くに行くと既に全員が準備していた。

 食事は魚の丸焼き。

    鍋の中には野菜たっぷりのリゾット。

 全員が食事をしている中でカミトについて全員で会議した。

 「・・・成程そう言う事ですか。」

 「厄介ね。」

 「・・・うむ。」

 上からレオノーラ、フィオナ、エリスの順番でそう考えていた。

 そうなると既に全チームが知っているはずだなと思っていると・・・

カミトはこう言った。

 「取敢えずは現状を維持して今後を考えよう。万が一の時には・・・

分かってるな。」

 カミトはそう言って全員に向けて言った。

 無論反対意見があるように思えるが代替え案がない以上何も言えないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あの後に女性陣は禊の為に川に向かったためカミトは岩陰に座り込んで

夜襲に備えていた。

 「・・・・。」

 ふっと息つくとカミトは右手にある精霊刻印と・・・持っている

アレイシア・イドリース直筆の本を見ていた。

 恐らくはこれを通してカミトは夢として見ているのであろう。

 アレイシア・イドリースの身に・・・何があったのかを。

 「・・・ま、夢だろうがな。」

 そうだろうなと決めつけていた。

 あのアレイシア・イドリースが男性と結婚していたなどと夢物語だろうなと

思おうとしていると・・・。

 「(・・・気配!)」

 気配を感じてカミトは戦闘態勢に入った。

 この野営地にはフィオナが張り巡らせた簡易的な結界が張られているため

何者かの侵入や魔獣に対して反応するのにそれがなかったとなると・・・。

 「何者だ。」

 そう言ってカミトは構えた。

 フィオナの結界は簡易的とはいえそれなりに丈夫だ。

 それが破られるとなると・・・相当な腕前だと思って覚悟しなければならないとそう思っていた。

 そして暫くして・・・。

 「そんなに怖い顔をしないでカミト。」

 「!!・・・・まさか・・・」

 カミトはその声を聴いてまさかと思っていると現れたのは・・・・。

 「久しぶりね、カミト」

 「・・・レスティア」

 嘗ての相棒、レスティアであった。




 次はレスティアとの会話です。
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