起床して。
チュンチュンと森から小鳥が鳴き声が聞こえた。
早朝の冷たい空気が肌に突き刺される中でカミトは目が覚めた。
テントの僅かな隙間からはほんの僅かであるが光が出ているところを見るに
未だ夜明けなのだがカミト達はマギアルカからの特訓時間がこの位であった為普通に起きようとすると・・・突然と肋骨ら辺に痛みが襲い掛かった。
「!!・・・確か俺って怪我してたんだよな。」
カミトはそう呟いてあの時の事を思い出した。
神聖ルギア王国聖霊騎士団団長にして前回ブレイドダンス準優勝者でもある
ルミナリス相手に戦闘を行ったがとんでもない戦いであった。
変貌した精霊《ミュルグレス・ヒューカス》によって僅か数分程度であったにも関わらず森がその地点を中心に吹き飛ばされており大地が捲り上がる程であった。
そんな中に於いて勝てたのは復活したエスト・・・いや、
《サイレント・オナーズ・アーク・エスト》のおかげとも言えよう。
新たに生まれ変わったエストによって勝利してルミナリスを正気に戻すことに
成功して何とか撤退してくれたからだ。
それでこの怪我なのだがカミトは簡易ベッドから降りようとすると・・・
自身の腕に小さな手が握られていることに気づいた。
「またかよエスト・・・っておわああ!!」
そこにいたのは黒ニーソ以外全裸の・・・エストであった。
何時もならば剣の状態で寝ているの何でとそう思っているとああとある事を
思い出した。
「(そういやあエストは本体から記憶を見せて貰ったって言ってたな。
それが不安なんだろうな。)」
そう思っていたがある事にも気づいた。
それは自身も見た・・・アレイシア・イドリースとスライマンが夫婦として
過ごしていた優しい過去を。
そして2人が国を守るために自らを犠牲にしてあの精霊を召喚したことを。
「(あの夢は間違いなくこいつが媒体だと確信した!だけど
どうしてこの本が古代図書館の本の中に隠されていたんだ?一体何の為に??)」
そう思っているとテントの外から・・・人が入ってきた。
「ああ、起きたかカミト。」
「ヴェルサリアか、どうしたんだこんな朝早く。」
「私だけではない、他の皆ももう起きて訓練中だ。」
「そうか、習慣だったもんな。」
カミトはヴェルサリアの言葉を聞いて合点がいった。
自分だけではなかったことに喜んでいる中で処でと言ってジト目で
ヴェルサリアはエストを見てこう聞いた。
「何故エストが寝ているのだ?然も殆ど全裸。」
「俺が聞きてえよ。」
カミトはヴェルサリアの言葉を聞いて頭を抱えてそう言うとエストが起きた。
「うみゅ・・・カミト?」
エストが眠気眼でそう言うとカミトもおはようと答えた後にカミトも
着替えようとした途端にヴェルサリアがこう言ってカミトを止めた。
「今日は止めておけ。お前あの時頑張ったからな。」
そう言って朝ごはん迄もう一度寝ていろと言われて出て行くが本心は・・・
これであった。
「(カミトの奴め!私の前で着替えようとするなど・・・
少し見たかったな。/////」
そして暫くすると今度こそカミトが起きるとその光景を見て驚いた。
「凄いな、俺が寝ている間にもう拠点が出来ていたのか。」
「いいえ、目標の半分と言った処だけどそこは貴方とルミナリスとの戦闘で
壊れた木々や回収した土で作った土嚢で何とか拵えている程度ヨ。
今度はあんなバケモノ精霊ですら壊せない要塞級の陣地にしてね!!」
「そうか・・・あんまり根詰めるなよ。」
カミトは鼻息荒らしているフィオナを見て完全に負けん気が全開だなあと
そう思いながら陣地を見た。
折れた木々を使って机やいすを作っていたり薪などもあるが中には土嚢に
木で補強して簡単な通路を作っていたりと完全に前線基地と言っても
過言ではない。
それだけではなく流石元とは言え精霊姫候補生なだけあって結界も
ちゃんとしておりその強度だけで並の精霊使いならば攻める事すら
躊躇するレベルだ。
然も土地の精霊の加護によって神威を増大させるだけではなく
地脈と干渉して疲労回復など様々な祝福も受けている。
「貴方が寝ている間に他の土地精霊とも交渉してね、
まあ中には支配されたくないって精霊もいたけどなんとかなって
今や多くの罠が設置で来たわ。さあ来なさいよ他国の精霊姫共!
嬉恥ずかし酷い目満載のトラップの餌食にしてやるわ!!」
グフフフと黒い笑みを浮かべているあたりこいつが最も変わったんじゃねえと
そう思っていた。
そんな中でカミトはフィオナに向けてこう聞いた。
「それで他の皆は?」
「ええ、確かレオノーラは近くの水精霊が住んでいる川に行って儀式剣舞、
エリスは確か料理中だと思うけどそう言えば」
「?」
「エリスって最近思いつめているのかしら?何だか心ここにあらずって所が
多いわね。まあ戦闘中はそれはしないようだけどそれでもそれを振り払うみたいに無茶していたからそれとなくでいいから気をかけてくれないかしら?」
「分かった、それじゃあな。」
そう言ってカミトはフィオナとも別れて別の場所に向かって行った。
次回はレオノーラとエリス辺り。