あれからカミトは少し歩いていると川沿いでいい匂いがしたのでカミトはそっちに向かうとそこにいたのは・・・。
「エリス。」
エリスが大きな鍋でスープをコトコトと煮込んでいたのだ。
だが当の本人は何んだから知らないが少し思いつめている様子であったがカミトは取敢えずと言って挨拶した。
「よう、おはようエリス。」
「!!・・・カミト」
「・・・どうしたんだよエリス、皆心配しているぞ?」
「・・・何でもないんだ、気にしないでくれ。」
「分かった・・・だけど相談ぐらいはしてくれ、俺達は仲間なんだからな。」
「!!」
カミトはそう言って今度はレオノーラの下に向かうとそれを後ろから見ていた
エリスは小さな声でこう呟いた。
「・・・言えたら苦労はしないさ・・・お前の事なんだから。」
河原ではレオノーラがテンペスト・ソードを使って儀式剣舞を待っていた。
剣の一振り一振りが力強く鋭い風切り音が鳴るのに見惚れてしまうほど
綺麗な剣舞であった。
「よお、レオノーラ。」
「カミト!怪我は宜しいんですか!?」
レオノーラは驚いた表情を浮かべてカミトに近寄るとカミトはこう答えた。
「ああ。大丈夫だ。治療してくれたんだって?感謝する。」
「この位当たり前です。ドラグニアにドラグナイト養成学校が出来て
こう言う治療も教わりましたので。」
「あ・・・済まない。」
「良いんです、確かに色々と嫌な事がありましたがそれでもそれで
人を助けられたんですから。」
アハハとレオノーラは苦笑いしてそう答えた。
ヘイブルグ共和国の統治下となったドラグニアは故郷であると同時に
両親と親友が死んだ場所。
正直なところ思い出したくないと言えばそうなのだがそれはそれである。
「それじゃあいつも通り頼む。」
「稽古ですか?ですが今のカミトは」
「だからこそ・・・まあ、寸止めで頼むわ。」
「其れでしたら・・・行きますよ!」
「来い!」
そう言ってお互いに稽古を始めた。
そして場所は移り変わって。
深い森の中において白地に赤で統一された騎士装束、
『ロッソベル公国代表チーム』の一つ〈破烈の師団〉の制服を着た少女達が・・・レスティアを追っていた。
何故彼女がこの島にいるのか分からないがまあ取敢えず彼女たちは・・・
レスチィアを狙っていた。
そんな中で先頭を走るダークブラウンの緩やかな長髪を持つ少女
『ミラ・バセット』今大会最年少の精霊使いにして紺碧の右目と琥珀色の左目のオッドアイを持つこの娘が指示を与えた。
「エシルとユステラは右に回って。目標を速やかに包囲殲滅。」
「「了解。」」
それを聞いてチームメイトが動くがレスチィアは術を唱えた。
「影すらも焼き尽くせ《暗黒の焔よ(イビルフレイム)》!」
そう言って高位呪文を唱えた。
それは周辺の森の木々を焼き尽くすほどの魔術。
普通ならば間違いなく灰燼に帰すのだが『ミラ・バセット』はその攻撃に対して精霊魔術の剣を振るってその炎を消すとこう言った。
「愚か、私達の精霊は闇属性の精霊に対して耐性を持っているから通じない。」
そう言うとレスティアはニヤリと笑ってこう答えた。
「じゃあ・・・これならどうかしら?」
そう言った瞬間に『ミラ・バセット』だけではなく追っ手の少女達の足元に
魔術方陣が現れたのだ。
「これはまさか・・・〈封絶結界〉!?」
すると『ミラ・バセット』達が崩れ落ちるかのように倒れるとレスティアが
彼女達に向けてこう言った。
「喜びなさい貴方達・・・〈ネペンテス・ロア〉の贄となる事を。」
その声と同時に・・・・。
「ウォォォォォォォォオオォォォォ!!」
「「「「「!!!!」」」」」
異形の様な声を聴いて全員がびくついた瞬間に何やら・・・クモの糸の様な
ナニカが彼女達を締め上げるとレスチィアは『ミラ・バセット』の目を見て
こう言った。
「あら?貴方、面白い〈眼〉を持っているわね?」
そう言って少し見せて欲しいわと近づかせようとした瞬間に・・・
『ミラ・バセット』がこう言った。
「今だドン!ミラ!!」
「!?」
「これで終わり。」
そう言って上空から・・・『ミラ・バセット』が短剣を持って姿を現したのだ。
然しレスティアはそれをするりと・・・だが少し冷や汗を掻いていると
今縛られている『ミラ・バセット』を見てこう聞いた。
「貴方・・・一体誰かしら?」
そう聞くと何やら印を結ぶや否やどろんと・・・煙を出すと
その真の姿を現した。
「あ、お初にお目にかかりまして!あっしは生まれも育ちも
『日本』の『狸』!!嘗ては戦国武将『喜楽 壮八』に仕えて
今は縁あって『ミラ・バセット』嬢に仕える第一家臣『№64古狸三太夫』こと『ぽん太』とはおいらの事だーー!!」
まるで歌舞伎の役者の様な言葉を言いながら登場したのは・・・
赤い鎧を身に纏い、この国では知らないが『薙刀』を持ち、背中には槍を
何本か所有した獣とも人とも言えない精霊・・・いや、№の精霊『ぽん太』が
この世界で名乗りを上げた瞬間であった。
そしてこの戦いこそ世界で初めて公開された・・・№であった。
次回もお楽しみに!!