「ぐうう・・・。」
「(起きたか?相棒。)」
「〔『シラヌイ』、俺どうした?〕」
目の前にはクレア・ルージュが何か叫んでいたが聞こえない。
「(お前あの爆発で耳が暫くの間だが聞こえないようだぞ。ま、
その内良くなる。)」
「〔それで・・・あの精霊は・・・?〕」
「(自分の右手を見てみろ。)」
『シラヌイ』の言葉にカミトは自分の右手の甲を見た。
そこにあったのは二本の剣が交差する紋章が刻み込まれていた。
地面に横たわって脱力しながら安堵の溜息をつくが心は晴れていなかった。
胸を抉るような罪悪感がカミトの心を支配していた。
彼女との約束を破ってしまった自分に腹が立ったのだ。
すると『シラヌイ』はこう弁護した。
「(あの時は仕方なかったさ。全員が助かるためには仕方がなかったことだしそれにあいつだって事の次第を説明したら分かってくれるさ。)」
そう言うも矢張りカミトの心は晴れなかった。
クレア・ルージュはカミトが目を覚ましたことに気づくと襟首を掴んで
物々しい形相で睨みつけていた。
そしてクレア・ルージュは震えながらカミトにこう聞いた。
「どうして・・・どうして男のあんたが精霊と契約したり精霊を使役できるのよ!」
「・・・やっぱりそれか。」
精霊契約は清らかな姫巫女のみに許された特権である。
それを男が出来たのは「魔王スライマン」を置いて歴史上に他にいなかったのだ。
カミトはそれに答えずに立ち上がって『シラヌイ』のある方にへと向かおうとした。
クレア・ルージュは無視されたのが腹に来たのかクレア・ルージュはキッと
怒りながらこう聞いた。
「あ、あたしの精霊は!?」
「それならここにある。」
カミトは右手の精霊刻印をクレア・ルージュに見せるとクレア・ルージュは口を
ぱくぱくしながら茫然としていた。
何か言いたそうだが言葉も出れないほどであった。
カミトは『シラヌイ』に乗ろうとするとクレア・ルージュは腰に手を当ててカミトに向けてこう言った。
「ちょっと待ちなさいよ!」
「?(何だ?)」
カミトと『シラヌイ』は何事かとクレア・ルージュを見た。
そしてクレア・ルージュはカミトにこう言った。
「あ、あんた・・・あたしの精霊を奪った責任取りなさいよね!」
「「は(は?)」」
お礼じゃなく賠償かよと呆れた思考だなと思っているとクレア・ルージュは
こう続けた。
「だから!あんたがあたしの手に入れるはずだった精霊を横取りしたんだから責任として・・・あんたがあたしの契約精霊になりなさい!!」
その言葉にカミトと『シラヌイ』はそれぞれこう言った。
「お前頭大丈夫か?」
「(医者に診てもらえ。)」
そう言うとクレア・ルージュは革鞭を器用に使ってカミトの体に巻き付かせた。
「はあ!!」
そのままクレア・ルージュはカミトを引き摺っていった。
「おいどこ行くんだよ!?」
「アレイシア精霊学院よ!責任取りなさいよね!!この変態泥棒!!!」
「何か増えてるぞ!!?」
クレア・ルージュのどう考えても自己中心的発想に色々と文句を垂らす
カミトであったが『シラヌイ』はそんな二人を見送りながら次に召喚されるのを
待つことにした。
「(・・・は~~。こりゃ前途多難だな。)」
そう思う『シラヌイ』であった。
次はやっと学園です。