アルファス教国が陰謀渦巻いて入る中カミトはシャオと共に《神儀院》の
診療施設で・・・倒れたグレイワースの看病をしていた。
あの後カミトはシャオに報告して機竜で診療施設に走り込んで
治療させたのだが・・・酷い容態であった。
体の見た部分は以上ないのだが神威の循環を司っていた経絡が
これでもかと言う位にズタズタに寸断されていたが為最早修復できる
見込みは0だと言われたのだ。
ーーもうグレイワース様には精霊を使役する事が出来なくなって
しまわれております。
診療施設にいた医療士がそう言ったのを聞いて2人はそんなと思っていた。
最もショックを受けていたのはカミトだ、あの絶剣技の奥義を
習得させるがために力を使い果たしてしまったのだ。
もうこの世界に《ダスク・ウイッチ》と呼ばれた最強の精霊使いは
いなくなったのだ。
そして暫くするとグレイワースが目覚めるとカミトに向けてこう言った。
「・・・お前のせいではないさ、そう辛気臭い顔をするな。」
「・・・どうしてだよグレイワース!何で・・・アンタ。」
カミトは声を振り絞ってそう聞くとグレイワースはこう答えた。
「元々こうなる事は分かってい吐いたが予想よりも早かった、それだけだ。」
「予想って・・・アンタはどうして分かったんだ?」
シャオがそう聞くとグレイワースはカミトに向けてこう言った。
「昔話したよな?私が精霊王の願いによって精霊使いとして
延命されていた事。」
「あ・・・アア覚えてるぜ(本当は一定周期で若返るんだよなそれ。)」
「《まあこのお嬢ちゃんが聞いたとしても全然分からなそうだけどな。》」
シラヌイがカミトの言葉に対してそう続けるとグレイワースはこう続けた。
「寧ろ最後にあの剣技を坊やに託すことが出来たのは運が良かったと
考えるべきなんだろうな、だがあれは諸刃の剣。使わないで勝つに・・・
シラヌイがあれば確実なのだがな。」
そう言ってグレイワースはシラヌイのソードデバイスを見てそう言うと
カミトの顔を見据えてこう言った。
「坊や、今ここで約束してくれないか?」
「何だ一体?」
「《遺言なら聞いてやらねえことは無いぜ?》」
シラヌイは半ば冗談交じりでそう聞く中でグレイワースはカミトに向けて
真剣な表情でこう言った。
「あの仮面の精霊使いを・・・もう一人のレン・アッシュベルを倒せ、
彼女を止めなければ・・・アルファス教国が何かを・・・もしかしたら戦争を
行うかもしれん、奴らが機竜を保有している勢力と繋がっていることは明白だ。
下手したらあのランバール戦争等比べ物にならない程の戦争に突入しかねん。」
「・・・何だと・・・!!」
カミトはそれを聞いて目を見開いて驚くが確かになと思っていた、
レン・アッシュベルらしき人間とダンスした後にこう言っていたのを
覚えているからだ。
『〈彼ら〉と戦うため』
彼女はそう言って竜匪族をけしかけたのだ、何かやろうと思っても
不思議ではないなとそう考えている中でグレイワースはこう続けた。
「あの戦争で大勢に姫巫女が死んだ、私を慕う者、妬むもの、友好を深めた者も兵士含めて大勢死んだあんな戦争の光景は見たくないのだ。
それに加えて機竜にアビスと厄介な揉め事が+されれば世界が荒廃してしまう、
カミト、お前の剣は私の様に守れずに敵を殺し尽くした剣とは違う。
大切な者達を守り、未来を切り開くための剣だ、その事を努々忘れるなよ?」
何時になく真剣な表情をしているグレイワースを見て
カミトは短く分かったと答えると安心したのかその指先をそっと肩から離すと
疲れたようにこう言った。
「さてと、お前は城館に戻っておけ。仲間のお嬢様たちが心配しているはずだしここにはシャオがいるから身の回りは何とかなる。」
そう言ってカミトはシャオに目を向けるとシャオはにこりと笑ってこう答えた。
「任せなよカミト、アタシだってこう見えても暗殺部隊にいたんだ。
見回りは任せな。」
「そうか・・・頼んだぞシャオ。」
「おおよ!」
シャオがニヤリと笑ってそう答えるのを見てグレイワースは
やれやれと言ってこう思っていた。
「(私は如何やら暗殺者を育てることに因縁がありそうだな、今度家に帰ったらシャオにはメイド服でも着させて家の掃除とかから始めさせるかな?)」
フフフと少し笑っているとああそうだと思い出すとグレイワースは
ベッド脇にあった手紙をカミトに手渡すとカミトはこう聞いた。
「何だこれは?」
そう聞くとグレイワースはこう答えた。
「学院長として可愛い教え子たちに伝えなければいけんことだ、必ず渡せよ?」
「分かった。」
じゃあなと言ってカミトが出るのを見送るとグレイワースはこう呟いた。
「行って来い・・・可愛い可愛い私の息子。」
そしてカミトがシラヌイのソードデバイスを持って診療室から出ると
扉から少し離れたところで声を掛けられた。
「初めましてカゼハヤ・カミト君。」
そう言ってきたのでカミトが振り向くとそこにいたのは・・・
首の後ろで括った黒髪に四角型の眼鏡を付け、理知的に見える紺碧の瞳、
そして純白のローブを身に纏った姫巫女を見て・・・カミトはこう呟いた。
「・・・《十二騎将》の『ルーリエ』卿?」
『おいおいマジかよビッグネームじゃねえか!?』
シラヌイがそう言っていると『ルーリエ』卿はにこやかに笑ってこう言った。
「光栄だわカゼハヤ・カミト君、貴方に名前を憶えて貰えるなんて。」
次回はなぜビッグネームの人がいるかです。