ルーリエ・リザルディア、またの名を『奇跡』のルーリエ。
治癒術式を専門とする帝国最高位の『治癒師(ヒーラー)』にして
『十二騎将(ナンバーズ)』の第8位である。
ナンバーズと言われても全員が全員戦闘技能が優れているわけではない。
昔は騎士としての称号であったが今やエキスパートの中でもトップランクの人間に与えられるものとなっており今回は帝国の観戦団に随行する形で来たのだろう。
するとカミトはルーリエに向けてこう聞いた。
「貴方がグレイワースの治療を?」
「ええ、『神儀院』から連絡があって飛んで来たわ。グレイワース様は帝国が誇る最強の姫巫女にして英雄だもの、出来るだけの事はしたつもりよ。」
「・・・そうか、良かった。」
カミトはルーリエの答えを聞いて少しほっとしているとルーリエに向けて
こう聞いた。
「・・・聞きたいことがあるんですが宜しいでしょうか?」
「どうぞ。」
「グレイワースは・・・契約精霊についてその」
「・・・それなんだけどよく聞いてね、グレイワース様の心臓には呪装刻印が
刻まれていてそれの影響で体が侵食されていたのよ。」
「呪装刻印!?」
カミトはルーリエの言葉を聞いて驚いていた、心臓に呪装刻印を刻むと言うのは
間違いなく死を覚悟していないと出来ない事でありその前に
そんな事が成功したと言う事例はランバール戦争時では聞いたことが無いからだ。
するとシラヌイがこう呟いた。
『(多分だけどあの婆さん自分が各国の抑止力として頂点に君臨し続ける為に
文字通り寿命が縮む覚悟で挑んだんだろうな。)』
そう思っているとルーリエはカミトに向けてこう続けた。
「精霊王からの奇跡における肉体の不死、それが無ければ間違いなく
グレイワース様のお身体はもう当の昔に限界を超えて
お亡くなりになっていたでしょう。ランバール戦争終結後も
グレイワース様は帝国を守らんがために最強の精霊使いとして君臨し続ける為に
禁忌を使ってでも頂点に君臨し続けたのです。」
「そして俺に託したのか・・・『ダスク・ウイッチ』を捨ててまでも俺に・・・今まで守ってきたものとこれからを。」
その思いが重いなと感じながらも立ち尽くしているとルーリエは
そう言えばとカミトに向けてこう聞いた。
「ああところでカミト君、今回のブレイドダンスが終わったらだけど
君にはナンバーズの推薦があると思うのよ。決勝戦の活躍次第だけど
今の君の実力だったら間違いなく合格できそうだから最低でも11位、
良かったら7位に加わる事も夢じゃないわよ。」
『(お前確か前にナンバーズの勧誘受けてたよな前のブレイドダンスで)』
ああそういやあそうだったなあとキンジは頭を掻いて思い出していた。
あの時も今と同じだが興味などないしあの当時にはレスティアの夢を
果たさせるために頑張っていた事と正体を隠すことも相まって断ったのだ。
更にルーリエはこう続けた。
「それとだけど君が持っているその奇妙な精霊、興味があるのよ。
グレイワース様からの報告によればそれは機竜って言う兵器らしいけど
其れも含めればナンバーズは間違いないから覚えておいてねエ。」
それじゃあと言って立ち去るを見送るとカミトは城館に戻って行った。
城館にあるヴェルサリア達がいる部屋に着くとカミトを見て驚いていると
ヴェルサリアはカミトに向けてこう聞いた。
「カミト、学院長の容態は?」
「・・・大丈夫だ、命に別状はねえって。」
「そうか・・・良かった。」
それを聞いて落ち着いている中でレオノーラが紅茶を用意すると
作戦会議を執り行った。
「それでは今回の決勝戦『クロス・ファイア』ですが内容は『テンペスト』と
同じですが違うのは2つ。」
そう言ってノートにそれを書いた。
①期間は3日間
②チーム全員がそれぞれ別個のエリアに飛ばされること
「この2つです、見た感じは短期決戦で『テンペスト』の様に
拠点を作る暇は皆無と思って宜しいでしょう。」
「それにだが一見サーチ系の精霊使いがいるチームには有利と
思われがちだろうが間違いなくジャミング系の結界が
張り巡らされているはずだから通信用の魔石はここに置いておくとして
フィールドなんだがフィオナ、説明してくれないか。」
ヴェルサリアがそう言うとフィオナが立ち上がって説明した。
「それじゃあ今回の場所廃都・メギドアなんだけど嘗ての名は
『象牙の都』と呼ばれていて遥太古の時代に於いては精霊たちが
築いた都市にして・・・かの有名な『精霊戦争』において
最後の戦場になった場所よ。」
それを聞いてメイルストームがレオノーラに向けてこう聞いた。
《何です?その『精霊戦争』と言うのは??》
「ああ、お伽噺によく出るのですがランバール戦争の際に封印精霊や精霊鉱石を発掘している際に碑文が発見されていることから如何やら
お伽噺ではないかもしれないと言うのが今の見解です。」
【ふむ、具体的にはどういう戦争なのだ?】
カオスブレイカーがそう聞くとヴェルサリアはこう答えた。
「アストラル・ゼロを焦土に変えるほどの戦争だ、
五大精霊王(エレメントロード)と反旗を翻した謎の精霊勢力の戦争によるもので最終的に五大精霊王(エレメンタルロード)が勝利した奴だ。」
『然しよく精霊を統率する事が出来る奴がいたもんだなおい。』
シラヌイがそう聞くとカミトは確かと言ってこう答えた。
「五大精霊王(エレメンタルロード)に対抗できるほどの力を
持った奴がいたんじゃねえかって話だが詳しい事は俺も知らねえんだ。」
そう答えると・・・エリスがこう言った。
「尚これは噂レベルだが神聖ルギア帝国の
ルミナリス・セイント・レイシェードが『神聖武装』を取り寄せたらしい。」
「あれって確か物理武器だよな?儀式に使うのか??」
カミトはそう呟いているとエリスはこう答えた。
「分からない、だが覚えておくに越したことは無い。」
そう言って更に幾つか討論をして・・・全員部屋に戻って行った。
次回は・・・手紙のあれはカミトのいる場所が船なので断念させます。