精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 それは戦いの場所。


戦いの場所へ。

 カミトが転送が終えて目を開けたその眼前にあるのは・・・途方もなく

巨大な都市の遺跡群であった。

 巨石で造られた祭殿の様な建造物がそこらかしこに聳え立ち、中には

倒壊したものがあり石畳は剥がれた個所から地面から奇怪な樹木が樹海の様に

生い茂っていた。

 「精霊王に神楽を捧げるにしちゃあ陰気な場所だな。」

 カミトはそう言いながらメギドアに流れる空気を感じていた、

滅びの気配とも言うべきものであろう・・・命を感じることが出来ない

無の世界だなとカミトはそう思っているとこう呟いた。

 「取敢えずは皆と合流するか。」

 そう言ってカミトは周囲を見回しながら行動する中で腰に差してあるエストが

こう言った。

 「カミト、私はこの場所を知っています。」

 「・・・どう言う事だエスト、ここには来たことがあるのか?」

 そう聞くとエストはこう答えた。

 「いいえ、ですがこの風景を私は記憶の中で確かに知っています。」

 そう言っているとカミトの背筋が・・・ぞわりと濃密な敵意を感じたのだ。

 「敵!?何処だ・・・。」

 カミトはエストを構えて暫くすると・・・地面から

まるで火山が噴火するかのように現れたのは・・・黒い影であった。

 「な・・・ナンダこいつらは!?」

 カミトはその影を見て驚いていた、何せ輪郭が朧気で人の姿はしていようとも

意思が無いのを感じたのでカミトはこれは一体何なんだと思っていると

エストがこう返した。

 「カミト、この者達はおそらく嘗て滅ぼされた精霊の亡霊《廃精霊》です。」

 「精霊の・・・亡霊・・・?」

 「はい、強すぎる怨念を抱いたまま滅ぼされた精霊は霊格を失い。

時には亡霊となって彷徨うタイプでして、恐らくですが子の廃都には

そう言った精霊のなれの果てが多くいるようです。」

 「そうか・・・まあ考えたら戦場跡だもんなって・・・こっち来ているぞ!?」

 「恐らくは私が狙いですカミト、私が」

 エストがそう言いかけた瞬間に《廃精霊》の群れが迫って来たので

カミトはエストと共に《廃精霊》相手に戦う事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カミトと転送した同時刻

 「・・・風邪が淀んでいるな。」

 エリスはそう言いながらホールの様な場所で中央には祭壇の残骸が

残されていた。

 「風よ。」

 エリスは風魔法を使って語り掛けるも得たのは・・・沈黙であった。

 恐らくは地脈もズタズタにされているのだろうと思いながらエリスは

こう考えていた。

 「精霊王は何故このような場所を祭儀の場所に選んだんだ?」

 そう言いながら外に出れる大階段を見つけたのでそっちの方に向かった

その時に・・・風が僅かに揺れた。

 「!?誰かがいるのか!!」

 エリスはそう言いながらレイ・ホークを構えて周囲を警戒するが・・・

人影を見ることは無かった。

 そして暫くして・・・足元の地面が揺れた。

 「下か!」

 エリスはそう言ってフライの魔術を唱えて真上に跳躍した刹那、突如として

無数の蔦が姿を現して上空にいるエリス目掛けて襲い掛かった。

 「な!このーー!!」

 エリスはその蔦に対して攻撃して切断する中で・・・数本がエリスの片足に

幾つもの切り傷を与えた瞬間に・・・ズキン!と焼けるような激痛に襲われた。

 「まさか・・・麻痺毒か!」

 エリスはその痛みで集中力が乱れてフライの魔術が不完全になってしまい地上に落下していくがエリスは地面に向けてレイ・ホークの力を解放させて

風の風圧を利用してまるでトランポリンで跳ねたかのように離れて着地するが・・又もや痛みが襲った。

 「(痛みがあると言う事は未だ薬がそう簡単に聞いていないと言う事か・・・

一体誰がこれを!!)」

 エリスが心の中でそう思っていると地面を貫いて巨大な植物が生えてくると

その中心で紅い花が咲いてその中に・・・リリィが入っていた。

 「風で衝撃を殺したとはそれなりと言った処ですね。」

 「お前は確かあの時のフードを着た・・・あの時カミトに何か言った奴か?」

 「その通りです、お初めまして。私は教導院第7位《蟲毒》リリィ・フレイム、一応はチーム・インフェルノの諜報担当で竜匪族の客将です。」

 「教導院・・・カミトと同じ出身か。」

 「あら?彼の事は聞いているのね?」

 「大体はな・・・一つ聞くがこの付近で精霊使いの反応はなかったのに

ドウヤッテすり抜けたのだ。」

 エリスがそう聞くとリリィはくすくすと笑いながらこう答えた。

 「専門の隠密訓練を受けている私からすれば気配遮断する事位

造作もないです。」

 それを聞いて厄介だなと思っていた、チームメイト全員で

合流しなければいけない中で強敵と鉢合うなど運が悪いとしか言いようが

無いからだ。

 そんな中でエリスは合流する事を第一の目的と考えて・・・精霊語の

呪文を唱えた。

 「風よ、我が敵を薙ぎ払えーー<風王爆閃陣(ウインド・ボムズ〉!」

 それと同時にエリスの手から強烈な風の衝撃波が砂塵を爆裂させて広範囲な

目くらましを行ったのだ。

 それと同時にエリスは大階段迄爆風を利用して一気に離脱しようとすると・・・再び激痛が走った瞬間に・・・蔦が四方八方に襲い掛かったのでエリスは

魔術を唱えた。

 「我は蒼穹の天を駆ける魔女ーー〈風神の靴(エア・ウイング)》!」

 高速飛行魔術を唱えてエリスは蔦から更に離れると砂塵から・・・

小さな光が見えた。

 びゅっと言って出てきたのは・・・短刀であった。

 その短刀は胸当てに当たって甲高い音が響いた瞬間に・・・

エリスの頭上から殺気を感じて上を見るとそこで目にしたのは・・・

短刀を逆手に構えたリリィが天井の壁を蹴って急降下してきたのでエリスは

レイ・ホークを回転して柄の部分で短刀を受け止めようとした瞬間にリリィが・・こう言った。

 「甘いですよ、型通りで倒せれる程教導院は軟な育て方をしておりません。」

 そう言った瞬間に槍の柄を足場にしてもう一度天井に向かって跳んで

エリスの方に戻ってきたのだがエリスはその動きを見て・・・カミトの動きを

思い出したのだ。

 そこでエリスはもう一度と魔術を唱えようとした瞬間に・・・背後から蔦が

エリスの体に巻き付いた。

 「何・・・・!!!?」

 その時エリスはある異変に気付いたのだ、まるで力が・・・抜けていくかの様な感覚が襲い掛かってくるとリリィがエリスの前まで来てこう言った。

 「力が抜けていく感覚がありますか?」

 「!!」

 「ああよかったあったようですね、それでしたら・・・この毒も

効きやすいでしょうね。」

 そう言った瞬間にエリスの掌に短刀の刃を握らせるかのように

食い込ませると・・・何か熱い物を感じた。

 「な・・・にが・・・・!!」

 「私は薬学に精通していまして毒についてはそこらの人間よりかは上手だと

自負しております。」

 そう言って魔石を探そうとするとエリスの背後から・・・声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『なあおいリリィ・・・こいつ喰っていいかよ?』

 「だ・・・誰・・・だ?」

 エリスがそう呟くとリリィがこう答えた。

 「駄目よ、魔石を取り出した後だったら魔力を限界ギリギリまで食べても

問題ないわ。」

 『なら速くしろヨ・・・腹が減って仕方ねえんだよ!』

 そう言って急がせるかのように言っている・・・蔦を見ているエリスを見て

リリィはこう答えた。

 「ああこの声ね、私の相棒の声よ。」

 「相棒・・・だ・・・と。」

 「ええ、私の精霊は魔樹精霊『ティターニア』。その精霊を取り込んで

更に進化した私だけの精霊。」

 そう言ってエリスに向けて左手を見せつけるかのように翳すと・・・

数字が現れたのだ。

 出た数字は・・・96

 そしてリリィはこう答えた。

 「私の精霊、魔樹精霊『ブラック・ティターニア』よ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『ぎゃはははハハハハハ!速くオワラセテ全部喰い尽くしてやるよ!!

精霊使いさんよ~~~~!‼』

 ぎゃはははハハハハハと気味の悪い笑い声がする中で蔦の中からその顔が

僅かに見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 樹で出てきているがその顔はまるで・・・巨大な獣のように

大きな口が大半を占めていた悪魔の様な精霊であった。




 魔樹精霊『ブラック・ティターニア』
 リリィ・フレイムが保有する№96の力を持った精霊。
 蔦に絡ませた相手の神威を取り込んで我がものとする事が出来る。
 上位精霊さながらの知力を持っているが大体が悪だくみとして使用される。
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