「それじゃあ今日から入学する新入生を紹介する。」
フレイヤの言葉にカミトが壇上に上がると教室内で小さいが幾つかの言葉が
飛び交った。
「あれが男の精霊使い・・・。」
「(見たまんまだろ。)」
「目付きが悪くて人殺してそう。」
「(実際二桁ぐらい殺してるぞ。)」
「〔いや婆さんの所も加えたら三桁だぞ。〕」
前半は『シラヌイ』が女生徒の言葉にツッコミ入れるが所々カミトもツッコミ
入れていた。
「あのクレア・ルージュを手籠めにしたらしいわよ?」
「(いや手籠めじゃなくて奴隷にされかけただがな。)」
「て、手籠めって何?」
「(辞書で調べろ。)」
「ちょっと不良ぽくってカッコイイかも♪」
「(婆さんの家じゃ献身的な執事だぞ。)」
「外見に騙されちゃだめよ。噂じゃエリス・ファーレンガルトもお手付きに
なったって話よ。」
「(あの直ぐに剣を抜く奴誰が手を出す。)」
「お手付きって・・・何?」
「とにかく厭らしいことよ。」
「〔俺もう帰っていいか?〕」
後半のこの言葉にカミトは速攻で出て行きたいと思ってしまったのだ。
生徒の数は十四、五人であるが男の精霊使い=魔王という答えがあるのか怯えている生徒が何人かいた。
「あー囀るな、お前ら。単位減らすぞ。」
フレイヤ・グランドルが名簿を机に向かって叩くと全員静まり返った。
「ほらお前もとっとと自己紹介しろ。」
フレイヤ・グランドルはカミトに向けてそう言うとカミトは無難な内容で
自己紹介した。
「カゼハヤ・カミト、十六歳。見ての通り男の精霊使いだがあまり怖がらずに接してくれるとありがたい。」
心の中でブレイドダンスの為になと思っていると生徒たちの何人かがこう
言っていた。
「何か・・・普通だね。」
「うん。あまり魔王ぽくないね。」
「でも何か、キュンとしたね♪」
「あ、分かる。ツンツンしてるけど本当は甘えたいって言う犬みたいな感じが
するよね。」
「(いやコイツ犬って言うより狼だろ?)」
人食いが付くがなと『シラヌイ』がそう思っている中カミトはこの教室の軽さに
驚くとフレイヤ・グランドルはカミトの耳元でこう囁いた。
「あー、ここのお嬢様たちは常日頃から精霊と関わっているせいか一般人よりも
感覚がズレてるから気にしないでくれ。」
「ああ・・・はあ。」
フレイヤ・グランドルの言葉にカミトは少し納得すると女生徒の一人がカミトにこう聞いた。
「え、えーとカミト君・・・好きな食べ物ってある。」
「ん?まあ何でも食べるが強いて言うならグラタンかな。」
すると他の女生徒も質問してきた。
「故郷は何処なの?」
「スリーサイズは?」
「お風呂で何処から洗うの?」
「〔おい待て最初以外はセクハラだぞそれ。〕」
カミトは心の中でそう思っているとある女性徒がこう聞いた。
「ねえ、今度のブレイドダンス何だけどチームは何処にするか決めたの?」
するとカミトはこう答えた。
「いやまだだ。仲間はこれから探すつもりだけど。」
「それじゃああの剣の〈封印精霊〉を手懐けたのって本当?」
「ん?・・・ああこいつかって誰だ?それ言ったのは?」
すると机に乗り上げてこう言う女性徒がいた。
「そしてその精霊を手懐けたカミトを手懐けてるのがこの私よ!」
「お前か!!ってそもそもお前があいつを倒せなかったからその尻ぬぐい
させられたんだぞ!!」
クレア・ルージュの言葉にカミトがそう言うとクレア・ルージュは更にこう言った。
「何よ!生意気な奴隷精霊ね!!」
「精霊を奴隷呼ばわりするような奴が粋がるな!!」
カミトとクレア・ルージュの言い合いがエスカレートする中フレイヤ・グランドルが机を叩くと全員静まり返った。
「いい加減にしろ!!貴様ら!!カゼハヤ・カミト!お前も早く好きな席に座れ!!後クレア・ルージュ!!机に乗るな!!」
「は、はい・・・!」
クレア・ルージュはそう言われて机に座るとカミトは彼女から離れた席に
座ろうとすると・・・調教用の革鞭がカミトの首に巻き付かれた。
「ぐえ!!」
するとそのまま後ろへ引き戻されて行くので後ろを向くと・・・クレア・ルージュが鞭を手繰り寄せていた。
「あんたは私の隣よ!!」
「ふざけるな!そんな所誰が座るか!!」
「逆らうつもりなら誰がご主人様かはっきりさせてあげるわ!!」
カミトは必死で鞭を解こうとするも強く巻き付かれているのか中々解けない。
「ぐううう・・・くそ・・・。」
「(おいカミト!!俺を召喚しろ!!このままじゃあお前死ぬぞ!!)」
『シラヌイ』がそう警告しているのが分かりソード・デバイスを抜こうとした
瞬間・・・シュンと言う音と同時にカミトの首がきつくなくなった。
「ゲホゲホ!!」
カミトは咳き込みながら後ろを向くと・・・鮮やかに切られた革鞭とその先にいる
クレア・ルージュの机の上で剣を刺していた女性徒がいた。
「これ以上は許しませんよ。クレア・ルージュ。」
するとクレア・ルージュはこう反論した。
「な、何よ!!そいつは私の・・・。」
クレア・ルージュが言いかける中女生徒はこう返した。
「彼は精霊使いです。貴方の所有物ではありませんし聞いてみたら貴方が
自分を過大評価した結果彼がいなければ貴方はここではなく墓の下ですよ!本来なら
感謝すべきところを逆恨みして自分の精霊に!!然も奴隷って貴方何様の
つもりですか!!それがオルデシアの貴族たる振る舞いですか!!」
「ウググググググ・・・。」
クレア・ルージュはその女性徒の言葉に反論できず睨みつけることしか
できなかった。
そして彼女はカミトのいるところに向かって手を差し伸べてこう聞いた。
「大丈夫ですか?立てますか?」
「ああ・・・大丈夫だ。」
カミトはその女性徒の手を握って立ち上がると女生徒がカミトにこう言った。
「私の席の隣に来ませんか?空いてますよ。」
「おお、ありがとうな。」
カミトはそう言って彼女に着いていった。
「ありがとうな助けてくれて。」
カミトがお礼を言うと少女はこう返した。
「良いんですよ。力をああいう風に使う人間は私嫌いなんで。・・・
それに・・・。」
すると女生徒は机からある物を出した。
「同じモノ持っている者同士ですし。」
そこから出したのは水色の短剣であった。
「それは・・・。」
「ああその前に自己紹介しましょう。」
すると女生徒はこう名乗った。
黒髪を肩口で切り揃え、眼鏡を掛けた少女。
その名は・・・。
「レオノーラ・ランカスター。元ドラグニア竜皇国現ヘイブルグ共和国にいた
神装機竜『メイルストローム』のドラグナイトです。」
「ドラグナイト・・。」
カミトは聞いたことが無いなと思うとエレオノーラはこう締めくくった。
「お互い持つもの同士仲良くしましょ。カゼハヤ・カミト♪」
何故エレオノーラがいるのかはまたいつか明かします。