精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 異変の兆候。


キリア山脈の異変

 「確かなのだな?黒い精霊の様な魔獣がここら一帯で見たと。」

 「あ・・・ああそうだ、・・・あいつらいきなりやって来て儂の家族全員を

喰い殺しおった・・・今迄長い間生きててあんな化け物初めてだよ!何なんだよ

あいつは!」

 老人が目のまえにいる外套に身を包んだ少女達に向けてそう言った、

嘗ては小さな集落があったであろう村は完全に瓦礫で覆われていた。

 おまけにその瓦礫をよく見れば・・・血痕とその近くに喰い残されたであろう

誰かの体の一部が無造作に置かれていた。

 コの様な凄惨な状況の中その中の一人・・・ルミナリスが済まないと言って

鎮魂させているとルミナリス様と近くにいた少女がこう言った。

 「ルミナリス様、若しや今聞いた魔物はヴァンハイム公国に於いて報告のあった

アビスなるのでしょうか?」

 「・・・恐らくな、カミト達がダンジョンと呼ばれるルインに入っている間我々と

ロッソベル公国の面々は資料庫にあるアビスの種類資料にも同様の情報があった。

この老人だけではなく生き残った彼らが同様の証言が取れている。もしこのアビスが

ゲートを使って今度はルギア王国に攻めて来れば我々はドラグニア竜皇国の

二の舞となるだろうな。」

 「・・・もしそうなれば不味いです、ココは一旦退いて本国に戻って援軍を

待ちましょう。我々だけでそのアビス相手に勝てるかどうか・・・。」

 その言葉を聞いて確かにと思っていた、もしアビス相手と戦う事となれば機竜を持たない自分達が何処迄戦えるかと思うがそうなれば最悪ドラグニアの

二の舞となってしまう事だけは何としてでも避けなければと思いながらこう言った。

 「・・・通信用精霊を使おう、私は単独で森に入り調査する。」

 「そんな!無茶です、アビス相手に一人で戦おうなどと」

 「先ずは情報がいる、お前たちは生き残った彼らを連れてこの集落から脱出しろ。通信は10分毎に通信するがもし3回通信して無言であったとするなら王国に向けて

応援を送れ。」

 良いなと言って離れようとするとそれにとルミナリスは全員に向けてこう言った。

 「私は国の威信を掛けた戦いに敗れた、地に堕ちた騎士団の信用を回復させるためには何か功績を出さなければいかん。」

 そう言うとだがしかしとルミナリスは空を見上げてこう言った。

 「これ程雪深いとは不思議だな、勝利したオルデシア帝国が何故コの様な

異常気象に見舞われるのだろうな。」

 あり得ないなと言うと其れを聞いた老人がこう言った。

 「そうなんじゃよ、この時期本来じゃったら雪は降らんはずなのに。」

 「・・・其れは何時か?」

 「ついこの間じゃぞ。」

 「・・・ブレイドダンスの直後となるな・・・一体何が帝国に

起きているというのだ?」

 その時のルミナリスの声は雪降る雲の様に暗かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ローレンフロスト領ともなれば装備はそれなりに入用だろうな。」

 カミトはそう言いながら準備を始めているとそうですねと荷造りしながらレオノーラも準備しているとキリア山脈かと呟いた、雪山行軍の訓練を多少積んでいるとはいえ

カミトは碌な装備もなく向かおうとは思っていなかった。

 「だがこれだけ準備しておけば流石に十分だろうな。」

 「ですがキリア山脈は甘く見てはいけません、リンスレットの話によれば

何百人も犠牲者を出しているらしいです。我々も同じ様にならないように

気を付けなければいけません。」

 レオノーラはそう言って更に装備を整えている中シラヌイと

メイルストームの方を見ていた。

 今回の出撃に備えてそれぞれの武装にはローブや凍結防止用の装備を整えていた。

 「それにリンスレットの事も気になります、彼女は学園祭が終わった後に

帰郷している様なので私も向かう所でしたし。」

 そう言うとそう言えばとレオノーラはカミトに向けてこう聞いた。

 「マギアルカさんは今何をしているのでしょうね?確か新王国に於いて何か

会議をしているようですが。」

 「そう言えばそうだな、まあ何かあっても機龍で通信してくれるだろうな。」

 そう言うとさてとと言ってカミトは機竜を大型の特注馬車に乗せて・・・

出発していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『フロスト・タウン』

 霜の街とも呼ばれキリア山脈の麓である其処は多くの人間で溢れかえっていた、

恐らくはキリア山脈に昇ろうとする人々であろうがキリア山脈には凶暴な魔獣が所狭しと暮らしており普通は近寄りたくない場所であるが今は其れだけではない。

 「アビスがいるか・・・真実とでも思うか?」

 「分かりません、ですがもしいた場合・・・この街ですら危ういですね。

アビスは人間のいる場所に向かう習性があるのですから。」

 「もしそうなったら・・・リンスレットはどういう判断をすると思う?」

 「そうですね・・・取捨選択、最悪は小さな集落を見捨ててでも多くの民達を

救うと言う方向性にするでしょうね。」

 「・・・嫌な物だな、土地を収める人間の覚悟ってのは。」

 ええと言ってカミトは取りあえずと言ってこう続けた。

 「先ずはどっかで宿を探そう。」

 「では・・・あそこで食事をとりましょう。」

 レオノーラはそう言って宿に向かって行った。




 次回は宿に入って。
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