「姫殿下・・・私は貴方に次の女帝に・・・このオルデシア帝国の皇帝となって
この国の未来を導いて頂いておきたい。」
オルステッドの言葉を聞いてフィオナは内心こう思っていた。
「(え?今なんて言ったのこの人??私をこの国の皇帝・・・いやいやいやいやないわあそれないわあ、だって私ついこの間までロスト・クイーンとか呼ばれてた精霊すら使えない王家の恥とか呼ばれてた私を・・・いや絶対にないわあ。)」
内心そう思いながらフィオナはオルステッドに向けて何故と聞いた。
するとオルステッドは何も言わない儘フィオナにある物を手渡した。
「(巻物・・・これは一体?)」
そう思いながらフィオナは巻物を開くとそこで書かれていたのは・・・
・・・・・血文字で書かれたオルデシア帝国の有力貴族の名前が血文字で
刻まれていたのだ。
貴族が自信の名前を血文字で刻んでいる意味・・・其れの答えはたった一つである。
「まさか貴方達・・・私の神輿にしてクーデターでも仕掛けるつもり。」
それは背水の陣とも言わんばかりの・・・自身の全てを賭けているという意味である。
するとオルステッドはいいえと答えてこう続けた。
「それらに書かれているのは全員姫殿下を女帝として擁立させていただくと言う諸侯の血判状でございます。」
それを聞いてちょっと待ってと言ってこう続けた。
「これに書かれている名前、貴方も含めたこの24人の苗字って全員が帝国議会で
アルファス教国に対して介入すべきだって言う面々が殆どって・・・4/1が私に従うってなんの冗談」
「いいえ冗談ではありません姫様、何せここに書かれている名前は全員貴女が
女帝としてこの国を引っ張ってくれて欲しいと言う者達ばかりでございます。」
「・・・何故私なの?アルネウスお兄様がいるはずよ?確かに皆からは暗愚と
呼ばれているけどお父様もお兄様の事は認めていらっしゃいますし精霊使いが政治に
関わるとかは禁じられているはずでしょ?」
「確かにそうでございましょうが他国に於いてはそうではありません、それに
この国においては嘗て女帝がいたという歴史が無論ありますので貴方が例外では
無いと言う証明になりましょう。」
其れにとオルステッドはフィオナに対してこう続けた。
「アルネウス様が皇帝となったと致しましょう、そうなればあのお方は自らに対して
都合の良い事しか言わない者達しかいなくなり民達に圧政と重税を伴う事に
なりかねません。其れに・・・アルネウス様の背後にはルギア王国がおりまする。」
「聖国が・・・成程ね、だからこそアルネウスお兄様があの国に同調しているって
事なのね?だけど其れは皇帝陛下は知っているの?」
「・・・先ほどフィオナ様は言っておられましたね?皇帝陛下は
アルネウス様を信用されておられると。」
「ええそうよ・・・だけどまさか皇帝陛下が只一人の血縁者を信じるがために
自国の国民が不利になるようなことをすると思うかしら?」
「もし・・・ルギア王国が皇帝陛下に対して何かしらの便宜を謀りその代わりに
今回に対して強く言ってないとするならば。」
「・・・そんな事が・・・!」
ある訳ないと言いたかったフィオナであったがだがもしそんな事になればと・・・
ある国を思い出した。
「(あの時ヴァンハイム公国に来た時カミト君と同じように精霊を使える
ルクスさんの国も民を顧みなかったことから反乱がおきて帝国が滅びたって聞いたわ、
そしてそれがもしこの国でも起ったら・・・洒落にもならないわ最悪この国は他国からも侵攻を受けてこの国が滅んでしまうわ・・・!)」
そう思って・・・あれとフィオナはこう思ってしまった。
「(この国が滅んでしまったとしても私この国から出れば問題なくない?其れにどうせ私この国の王になる気無いから・・・いやそれだと民達が
帰る場所無くなってしまう。)」
こんな思考になってしまう辺り私も面倒な性格よねえと思いながら
オルステッドに対して目を見るとオルステッドはこう言った。
「第一王女の『リネア』様は既に神儀院へと上がられました今正統な後継者は
貴方しか・・・アルネウス様以外だとするならフィオナ様しかおられません。」
「・・・体のいい神輿でしょ?」
「何とでも仰ってください、祖国の為ならば私は姫様に恨まれたとしても
この国を・・・民を守れるのならば本望でございます。」
「ソレデ・・・例え4/1が従ったとしても残りの4/3が従わない
可能性だってあるはずでしょ?」
「確かにでございますな・・・其れに今貴方の御身は危険でございます。」
「は・・・ロスト・クイーンの私を狙う奴なんているのかしら?」
フィオナは自嘲気味に笑うがいいえとオルステッドはフィオナに対してこう言った。
「アルネウス派の貴族は御身を狙っておられます、グレイワース卿の力なき今ご自身の身を守るためには・・・コレヲ。」
そう言ってオルステッドはフィオナに対してあるものを手渡した。
それは血の様に禍々しい光を放つ・・・精霊鉱石であったがフィオナは
それを知っている。
そう・・・それは・・・これだ。
「これって・・・ブラッド・ストーン!」
それを手渡すとオルステッドはフィオナに対してこう言った。
「今貴方の御身を軽んじる者はこの宮中にはおりますまい。」
そう言って其の儘・・・立ち去って行った。
そして・・・次回へと。