「私たちはフィオナ第二王女殿下を皇帝として擁立したいと思っております!」
フィネガスの堂々たる宣言にフィオナは・・・嘘でしょおおおおおおおお!と
内心ムンクになっていると周りではどよめきが広がった。
「第二王女が次期皇帝だと?」
「まさかあのロスト・クイーンをか?正気なのか!!?」
「バカな!女帝など論外だ!」
「然しアルネウス殿よりかはマシだろうな、彼女は既に他国の人間とも交流をしていると聞くぞ。」
「王家に伝わる騎士精霊は彼女を選んだし。」
「(ちょっと待ってよ・・・どういうつもりよあんにゃろーーー!)」
内心そう思いながらフィネガスを見ると既に覚悟を決めた様子であった、
そして宰相がいないのはまさかこれが原因じゃないわよねえと思いながら今後を
考えていた。
もし拒否すればアルネウスの帝位は確実なものとなりルギア王国と腐敗した貴族の
天下となりルクス達の国の様な末路を辿るのは確定となっているだろうなと思うが
それでもと思いながら仕方ないと言って前に出ようとした瞬間に・・・胸元に忍ばせているブラッド・ストーンが・・・眩く輝きだしたのだ。
「な・・・何よこれ!」
フィオナは慌ててブラッド・ストーンを掴みだした瞬間に真紅に輝いている
精霊鉱石の中心に漆黒の闇が狂ったかのように渦巻きながら悍ましき瘴気を
撒き散らそうとしていた。
「これは不味い・・・きゃ!」
フィオナの手にアル真紅の精霊鉱石が小さな亀裂が走ってそして・・・
フィオナの掌を浅く斬り裂いて闇の瘴気が辺り一帯に広がって行った。
「!?」
フィオナは其れに対して素早く引きながらドレスを切裂いて傷口を縛ると
ホールにいた貴族の声が聞えた。
「な・・・何だあれは!?」
「せ、精霊だ!狂乱した精霊だ!!」
「うわああああああああ!」
「ああもう・・・何よあいつは!」
フィオナはそう言いながらソードデバイスを抜くとその精霊の姿が露となった、巨大な黒い泥の様なそのナニカは巨大な目をぎろりとフィオナを睨んだ瞬間にフィオナの心臓がぎゅっと・・・ナニカに鷲摑みにされた様な感触に包まれた。
「(な・・・何よあの精霊・・・間違いないあれは魔神級精霊!・・・何であんなのがブラッド・ストーンに閉じ込めてって・・・やられたあの宰相は偽物だったんだ!!
変装の上手い奴が宰相に成りすましてあれを私に手渡したんだ!?解放の術式を
組み込んでてそれを発動・・・まさか何処かに!)」
下手人がいるのかとフィオナは思い至ってドレイクを纏うと同時に騎士精霊を召喚して騎士精霊同時にその精霊の所に向かって行った。
「おいグレイワース様!一体何が起きやがったんだ!!」
「・・・何故・・・あいつが。」
「おいグレイワース様!あれを知ってんのかよ!?」
グレイワースが何やら戸惑っているのを見て何か知っているのかと思っていると
グレイワースはシャオに対してこう答えた。
「あれは伯爵・・・私の契約精霊だった奴だ。」
「な!?」
「信じられんが間違いない、私が失った契約精霊・・・
『冥府の伯爵(ディ―ス・パテル)』だ。」
「『冥府の伯爵(ディ―ス・パテル)』・・・あれがかよ。」
シャオはそう言って嘗てのグレイワースの契約精霊
『冥府の伯爵(ディ―ス・パテル)』を見ていた、泥のように形状を変えながら進む
其れは見る全てに死の恐怖を味わいランパール大戦の際にはルギア王国の騎士団を
恐怖と絶望のどん底に叩き墜とした戦場の死神が姿を見せたのだ。
それが何故今ここにと思っているとグレイワースにフィオナを見て・・・
シャオに対してこう言った。
「シャオ、お前はフィオナに付け。そして伯爵を討伐或いは追い出すことが出来たらフィオナと共に・・・ここに行け。」
グレイワースはそう言ってシャオに紙を手渡すと更にこう続けた。
「其れと外にいるエリスとヴェルサリアと合流してフィオナ達と共に雲隠れしろ、
学院にも戻らずカミト達と合流して・・・マギアルカに頼って高飛びしろ。」
「はあ!何であたしらが高飛びだなんて!!」
「これには裏がある、早急に高飛びして息を潜めろ。そして機会を伺って・・・
この国に戻れ其れが命令だ。」
「・・・其れってつまりはこの国は不味いって事か?」
「恐らくな、未だいない宰相。そして今回のブラッド・ストーン・・・
間違いなくこれにはルギア王国が関わっている、良いな。」
「・・・分かった、それにしてもあの姫様・・・根性あるよなあ。」
シャオはそう言いながら『冥府の伯爵(ディ―ス・パテル)』に向かい合っている
フィオナを見ていた。
「上位の魔精霊って確か高潔なる魂を好んで食べるって言うけど・・・ちょっとお父様あれ可笑しいでしょうが!」
何で逃げないのよと思っていた、この状況なのに目は虚ろで理解していないような
感じだったのでフィオナはゲオルギウスに対してこう言った。
「ゲオルギウス!お父様をお願い!!私は・・・あいつを!?」
フィオナはそう言ってドレイクの装備しているブレスガンを構えてフィオナは
『冥府の伯爵(ディ―ス・パテル)』に聞こえるように天井目がけて放つと
『冥府の伯爵(ディ―ス・パテル)』はその音を感じて振り向くとフィオナは
こう言った。
「食べるんだったら女の子を狙ったらどうかしら!?」
次回は戦闘。