それから暫くして・・・。
カミトとレオノーラは夕刻頃に精霊学院に戻ってきたのだ、そしてもう一人・・・女性がカミト達と共に来ていたのだ。
「全く、こうやって変装しなければここに来れないとはな。」
「悪いなルミナリス、ルギア王国のお前がここに居たら・・・変な誤解を
招きそうだからな。」
カミトはそう言って・・・全身をローブで覆い隠したルミナリスに向けているが
これは理由が有るのだ。
ルギア王国の人間、然も前のブレイドダンスにおいて決勝戦まで進んだルミナリスが
ここにいれば国内処か国外に迄色々と問題が沸き上がるのだ。
それを予防するためにドラグライド・・・シラヌイの背中に背負われるような形でここ迄来れたのは奇跡としか言いようがない。
「もう1週間経ったんですね。」
「ああ・・・色々とあったな。」
レオノーラとカミトは互いにローレンフロスト領にておきたあの惨劇についてを
思いだしていた、故郷を棄て、多くの犠牲を孕んでの撤退戦闘。
そして何よりも・・・守れなかったという無力感が支配していた。
そして学院都市に入ろうとして・・・その手前でアルマが姿を現したのだ。
「カミト、お前達は学院都市に戻って来たんだな。」
「ああ、これから婆さんに報告を」
「其れは後回しだ、あたしはお前をある場所に連れて行く。」
ついて来いと言ってアルマが走るとレオノーラはカミトに対してこう聞いた。
「どうしたんですかカミト?」
「・・・ナニカあったようだ、学院都市に入らずにあっちに行くぞ。」
「!・・・分かりました。ついて来てくださいルミナリスさん!」
「・・・分かった。」
ルミナリスは其れを聞いて着いて行った。
アルマが案内したのは都市郊外にある廃屋であった、そこには大勢の
ギルゾレイクファミリアがテントを張っていたが明かりは使われておらずそれぞれは
ランタンの上に布を被せて明かりを少しでも減らすかのような感じであった。
「カミトさん、よくお戻りになりました。」
「ロロットか、一体何で俺達をここに?」
カミトがそう聞くと先ずはこれを見て下さいと言って号外の新聞を見せた。
それを見てカミトは・・・何だよこれはと大声でそう言うので2人は何だと思って
振り向くとカミトが大声でこう言った。
「婆さんが・・・グレイワースが皇帝暗殺未遂で逮捕だと!」
ーー帝国元ナンバーズ筆頭騎士グレイワース・シェルマイス卿皇帝暗殺未遂で逮捕。
「おいこれ何だよ!」
「それを読んでください、後は其れからです。」
それを聞いてカミトはふざけんじゃねえと思いながら続きを読んだ。
ーー帝国第二王女フィオナ・レイ・オルデシアは帝国議会の最中に魔精霊を解放し
皇帝陛下暗殺を謀った、又第二王女の部屋から反アルネウス派貴族の連判状が
発見された事から事件に背景には皇位継承問題に関する対立があったと推測される。
ーーまた、第二王女の解放された魔精霊は嘗てグレイワース卿が契約していた
精霊であったことが判明し彼女も共犯と見做している。
ーー尚第二王女フィオナ・レイ・オルデシアは自らドラグライドを使って逃走、消息は不明。
「・・・ざけんじゃねえぞ何だよこの新聞は!」
「我々も寝耳に水でした、フィオナ様は商売に対して誰よりもマギアルカ様の元で
働きたいと言う強い意志と共に皇帝の座席など興味ないのは我々は知っておられます。」
「ああ俺も知っているさ、だけど何で魔精霊・・・婆さんの伯爵が帝国議会に?」
「其れは今こちらにいる情報屋から仕入れている最中です、我々はこの号外が
出た時から何かを感じてアジトとしている学院から撤収しましたが・・・この感が
功を奏しました。それから暫くして・・・騎士団が帝国からやってきました、
何を目的にしているかと思って部下数名を裏手から聞いたところ・・・この様な
情報が入りました。
ーーグレイワース卿と共にここにいるギルゾレイクファミリアとそれらが保有する
ドラグライドに対して国家反逆に備えた動きがある事が確認された!見つけ次第
我々に報告せよ!!
「と言っておりましたが・・・大方ドラグライドを接収してナニカを企んでいると
思います、フィオナさんがドラグライドを使ったという事で我々も犯人の一人と言う
濡れ衣を着させて接収する気だったのでしょう。アルネウスと言う男は暗君と
呼ばれていまして暴力と弾圧を好む最も王に相応しくないと裏側でも
有名な人らしいですがどうも陣頭指揮を執っているのは彼で既に多くのナンバーズが
そちら側に付いているようですが・・・実はフィオナさんとは連絡が
付いているんです。」
「何だって!あいつは何て!!」
カミトがそう聞くと帝国議会デの騒動の一連の動きを話してくれた。
「つまり・・・宰相は偽物で本物は既に殺されている可能性があると?」
レオノーラがそう聞くとその通りですと言ったロロットはこう続けた。
「そして皇帝の状況から恐らくは毒を盛られている可能性があります、
そして今回の一連にはルギア王国に付いているアルネウスが関わっていると見て
宜しいかと。」
「・・・お前ら・・・どうする気だ?」
カミトがそう聞くと・・・ロロットはこう答えた。
「隠れ家に向かいます、そして船を使ってこの国から出て・・・我々はマギアルカ様と合流してフィオナさんに亡命政権を創らせるように提言させます。」
次回は其の意味。