精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 守れるものもあれば守れないものもある。
 それも人間なのだ。


終わった後。

 「その後の事は・・・全く覚えていないんです。」

 「え?何でだ?」

 レオノーラの話を聞いている中カミトが何故覚えていないのかと聞くとレオノーラはこう答えた。

 「あの後直ぐに気を失ったんです。医者の話によると初陣による緊張と

戦死した人間の最後によるストレス、初めて機竜を使った事における精神的、

肉体的負担が原因であると言われたんです。」

 レオノーラは既に冷え切った紅茶を飲もうとすると既に飲み干していたことが

分かるとカミトは温め直した紅茶を入れた後こう聞いた。

 「それで覚えてないって言ったが気を取り戻した後どうしたんだ?」

 「ああそれはですね・・・。」

 

 

 

 

 話は戻って・・・。

 「ううう・・・ん。」

 レオノーラが目覚めた時には戦いは終わっていた。

 自身が目覚めた所は竜都の臨時野戦病院であった。

 周りには怪我した人間が山ほどいた。

 中には(殆どだが)体の一部がなくなった人間もいた。

 すると病院の医療師がレオノーラが目覚めたことに気づくと先生を呼んだ。

 「先生!!先生!!レオノーラさんが目覚めました!!」

 レオノーラは体の幾つかに包帯が巻かれていたことに気づいた瞬間あのことを

思い出した。

 目の前で喰い殺された仲間たちの最後を・・・。

 「ああ・・・あああああ・・・。」

 レオノーラは泣きそうになると一人の人間が来た。

 「ああ大丈夫だったようですね。」

 そこにいたのは黒い髪で額が見えるようにして眼鏡を掛けた少女であった。

 「あの・・・貴方は?」

 レオノーラは目をこすって涙を拭きとって聞くと彼女はこう答えた。

 「私はヘイブルグ共和国軍所属『カレンシア・ハーズマイド』と申します。」

 「ヘイブルグ・・・貴方もですか?」

 レオノーラはカレンシアにそう聞くと彼女はこう返した。

 「ああローザの事ですね。今彼女は我が軍の司令部に通信して今回のアビス討伐に

ついての説明をしています。」

 「アビス?」

 「ああここでは知らないようですね。まあ私達も知らないことが多いのですが出来る限りの情報を伝えましょう。」

 彼女はアビスについて幾つかの説明をした。

 彼らは人を喰らう種族である事

 彼らは遺跡(ルイン)という場所で生息していること

 彼らの種類は千差万別である事

 そして自分達が持っている装甲機龍こそ唯一の対抗策である事。

 「装甲機龍ですか・・・。」

 レオノーラは腰に差している剣を見るとカレンシアはこう言った。

 「あら、あなただって持っていたって言うか使っていましたよ。」

 「え?」

 レオノーラはいつ自分がと思うと『メイルストローム』を思い出した。

 「あの・・・『メイルストローム』は?」

 するとカレンシアはレオノーラにこう言った。

 「あああの機竜ですか?あれは今近くの補給基地で整備と調査を行っています。

新種の機竜ですから整備士は張り切っていますよ。」

 そう言ってではまたと言うと彼女は思い出したようにレオノーラにこう言った。

 「ああそれと貴方意外に何人か生き残りがいますので安心して休んでください。」

 そう言って出ていくとレオノーラは安心したようにこう言った。

 「そうですか・・・皆・・・ミンナ・・・。」

 レオノーラは死した仲間を思い出すともう我慢できなかった。

 「私がもっと強ければ皆を・・・ミンナを・・・。」

 ひっくひっくと泣き始めると後は転がり落ちるように泣くだけであった。

 「うあああああああ!!!・・・・アアアアアア!!。」

 自分がもっと強かったらこうならなかったかもしれない。

 自分がもっと『メイルストローム』を使いこなしていたらこうならなかったかも

しれない。

 たとえそれが驕りだと言われても彼女はそう思うとやるせなかったのだ。

 それから暫くしてドラグニア竜皇国に初のドラグナイト養成学校が出来た時に

入学した生徒の中にレオノーラ・ランカスターの名もあった。




 少女は後悔しない為に門を叩いた。
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