精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 失い・・・また得る。


親友との出会い。

「そして私はドラグニアから脱出しました。」

 「・・・・・。」

 カミトはレオノーラの言葉に最早何も言えなかった。

 自身と同い年で然も自分とは違い家族がいて友達がいて何不自由なく暮らしていた

彼女は突然仲間を失い、もう失いたくないがために養成学校に入ったのにも関わらず、

国から裏切られ、親を失い、天涯孤独となってしまった時の彼女の心境は図ることも

出来ない程である。

 するとレオノーラはこう続けた。

 「その後私はケルブレス山脈の山道を使って山を越えた後ローレンフロスト領にまで密入国しました。」

 「密入国って・・・まあ理由が理由だしな。」

 カミトはレオノーラの言葉に少しツッコミながらもそう言うとレオノーラは

こう続けた。

 「然し知っていると思いますが機竜は長時間使うと疲労が通常よりも早く、

重く来るものです。」

 「そういや俺も『シラヌイ』をずっと使っていた時はそう言う事何回かあったな。」

 カミトはレオノーラの言葉に思い当たる節があったようなのでカミトは

そう言うとレオノーラはこう続けた。

 「そしてローレンフロスト領にて私は力尽きたんです。」

 

 

 

 

 一年前・・・。

 「はあ・・はあ・・はあ・・。」

 レオノーラは錘を付けているかのような足取りで歩いていた。

 あれからずっと彼女は『メイルストローム』を纏って昼は移動して夜は暗い洞窟か

旧い家屋に身を寄せていたがここ最近は食事すら真面に出来ない状況であった。

 養成学校で野戦食については学んでいるため木の実等は食べれるが動物関連等は

食べれていなかったのだ。

 然も最近は雪が降っていることから寝ることすらも出来なくなっていたのだ。

 「【レオノーラ、もうこの辺で休んだら?体が持たないわよ。】」

 『メイルストローム』がそう聞くがレオノーラは聞く耳持たずに歩くがもう体が持たなかったのだ。

 「うう・・・。」

 等々レオノーラは『メイルストローム』を使うほどの体力が残っておらず『メイルストローム』は膝をついて動かなくなりレオノーラは自身も意識が遠のいていった。

 「(御免なさい。お父様、お母様。私はもうここまでの様です。言いつけも

守れなくなった私を許してくれますか?レグリス、ユーリ。私も直ぐに

そちらに・・・。)」

 そう心の中で先に逝った彼らを思いながらレオノーラは意識を手放した。

  

 

   

 

 「ううう・・・ん。」

 レオノーラはここはどこかと思っていた。

 「(暖かい部屋にベッド・・・ああここは死後の世界って言う所ですね。)」

 何故にそっちに思い当たると思いたいがこれまで碌な場所で寝ていなかったため

今自分が何処にいることすらも知らなかった。

 「・・・え・・・じょう・・・?」

 「(・・・誰でしょうか・・・アア天使ですかね。)」

 声がするのにそれ天使ってあるかと言いたい所だろう。

 するとその部屋の扉が開くと現われたのは・・・。

 「・・・は?」

 台車を押している煌びやかなドレスを着た自分と同じ年のプラチナブロンドの長い髪をした少女がそこにいた。

 「(うわああ・・・綺麗。)」

 お前自分も一応それに該当するだろう。

 するとその少女はレオノーラを見てこう言った。

 「あら起きましたの、良かったですわね。治癒師(ヒーラー)から聞けば

貴方もう少し遅かったら凍死していたところですわよ。」

 それを聞いてレオノーラは未だ自分は生きているのかと思うと少女はレオノーラに

ある物を差し出した。

 「さあ、熱いうちに食べた方が良くてよ。」

 それは白い湯気が立つたっぷりの玉ねぎと骨付きの鶏肉が入ったスープの入った

お椀であった。

 それを見てレオノーラはスプーンを取ると一目散に食べ始めた。

 「ちょ、ちょっと!!まだ暑くてよ!!」

 少女は止めようとするがレオノーラは一心不乱に食べ続けた。

 「ひ・・・ひぐっ・・・えぐっ・・・。」

 レオノーラは泣きながら食べていたのだ。

 これまで碌なものが食べれず空腹だっただけではなく仲間や家族、国を失って

何をどうしたら良いのか分からなかったのだ。

 その中で見ず知らずの自分をここまで温かく迎えてくれたことにレオノーラは

感極まっていた。

 「ちょ、大丈夫ですの!?もしかしたら火傷したんですの!!??」

 少女はレオノーラの心情を露知らず心配するとレオノーラは少女にこう言った。

 「私・・・死ぬかと思ってました・・・もう駄目かと・・・思っていたんです!!」

 そしてレオノーラは少女にこう言った。

 「ありがとうございます!!ありがとうございます!!ありがとう・・・

ございます!!」

 レオノーラは泣きながら何度もお礼を言うと少女は恥ずかしそうにだが

胸を張ってこう言った。

 「と、当然ですわ!!このローレンフロスト家の次期頭首たるもの困った人に

手を差し伸べるのは当然の事ですわ!!」

 その光景を見てレオノーラはクスリと笑うとレオノーラはお代わりを所望した。

 

 

 

 「ごちそうさまでした。」

 「あれだけあったスープを完食って・・・一体どれだけ食べていなかったん

ですの?」

 分胴であるがあれだけあったスープを完食した事に少し引き気味の少女であったが

レオノーラは少女に向かってこう言った。

 「この度はどこの馬の骨とも知らない私を助けたことに対して礼を言います。」

 そう言うとレオノーラは頭を下げると少女はレオノーラにこう言った。

 「先程も言いましたが人を助けるのに理由はいりませんが何故あんな所に

いたんですの?」

 「・・・それは・・・。」

 レオノーラは言いにくくなると少女はレオノーラにこう言った。

 「ああ良いですわよ。誰にも言いたくないことぐらいありますわ。」

 そう言われてレオノーラはほっとすると自己紹介した。

 「ああ申し遅れました。私は『レオノーラ・ランカスター』と申します。」

 すると少女は立ち上がると髪をかき上げてこう言った。

 「私はこのローレンフロスト領の『ウインターガルフ城』を父上から任されている・・・。」

 

 

 

 ドンドンと扉をたたく音がした。

 レオノーラが話している中誰かが来たのであろうがここはあまり人が

立ち入らないような場所なので誰かと思うといたのは・・・プラチナブロンドの長髪の少女であった。

 「あら貴方は確か転入生の・・・。」

 「お前確かレイブン教室にいた・・・。」

 カミトは誰なのかと思うとレオノーラが後ろから自己紹介をしてくれた。

 「ああ紹介しますよカミトさん。彼女は私のチームメンバーでリーダーをしている・・・『リンスレット・ローレンフロスト』。私の友達です。」

 するとリンスレットはレオノーラを見るとこう聞いた。

 「少し作り過ぎたから一緒にどうです?」

 よく見ると台車の上には幾つかの食べ物が並んでいた。 

 然しレオノーラはこう言った。

 「すみません。ご飯は先程カミトさんと作って食べてしまったんです。」

 ああでも夕ご飯には食べますよと言うと少し沈んでいたリンスレットの顔が

明るくなった。

 「どうせなら入ったらどうだ?立ち話も何だしな。」

 「そうですね。一緒にどうです?リンスレット。」

 カミトの提案にレオノーラがそう言うとリンスレットはふふっと笑ってこう言った。

 「ええ。宜しいですわよ。」

 そう言って彼女達は部屋に入っていった。




 貴方に出会えてよかった。
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