精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 いつだって邪魔者は現われる。


邪魔が入るのは常道だ。

 「反撃か・・・フフフ・・・あまり調子乗るなよ。レイブン教室共!!」

 エリスが斬られた槍を捨てて怒鳴ると上空にいる〈シムルグ〉を呼び戻した。

 そしてーー。

 「-凶ツ風よ、怨敵の心臓を貫く魔槍となりて我が手に宿れ!」

 精霊語の展開式を唱えた瞬間、エリスを中心に風が吹き荒れ、その手に巨大な槍が

現われた。

 それは柄に精緻な文様が刻まれた恐らく儀式用の長槍であろう。

 だがカミトが見ているのはそこではなかった。

 腰まで届くであろうポニーテールの髪が風に煽られて揺れ動き、その長槍を

片手で回すその動きに見とれていたのだ。

 「どうだ、カゼハヤ・カミト。これが私の精霊魔装ー

〈風翼の槍(レイ・ホーク)〉だ!」

 見せびらかすようにエリスはレイ・ホークをカミトに向けるとカミトはこう答えた。

 「綺麗・・・だな。」

 そんな声を漏らしたのが聞こえたのかエリスは得意満面にこう答えた。

 「ふっ、君にも分かるのかーこの〈レイ・ホーク〉の美しさが。」

 「いやどちらかと言うとお前かな。」

 カミトはエリスに綺麗だと言った事に『シラヌイ』が呆れ混じりでこう言った。

 「(お前よくもまあ、そんなこっぱずかしい事しれっと言えるな。)」

 そして『シラヌイ』があっち見ろと言って見てみると・・・。

 「わ、私が・・・綺麗って・・・あうううう~~///。」

 顔を真っ赤にして湯気を出していたエリスがそこにいた。

 「あら、騎士団長補佐官も乙女ですわね。」

 リンスレットが後ろからクスクスっと笑いながらそう言うとエリスがそれを

聞いたのかカミトの方を向いてこう言った。

 「よくも・・・よくも私を愚弄したなカゼハヤ・カミト!!この不埒物が!!」

 そう言ってエリスは魔槍を突き込もうとするとカミトはそれを紙一重で

躱そうとすると・・・突如風の刃が全身を切り裂いた。

 「≪ぐう!!こいつもさっきのを出せるのかよ!!≫」

 カミトは全身から来る激痛に耐えながらも後方にへと一気に下がった。

 然もその風は一直線に壁を壊すほどであった。

 「(紙一重は駄目、直撃は論外。こりゃ腹括って俺を出すしかないな。)」

 『シラヌイ』はカミトに忠告するとカミト自身もそう思っていた。

 「≪俺は昔よりも体が動きキレてねえし、直観力も落ちてるが・・・こうなったら

やるしかねえな。≫」

 そう思ってカミトはソード・デバイスを構えるとエリスは槍の後方に風を纏うと

エリスはカミトにこう言った。

 「わ、私を綺麗と言った事・・・後悔させてやる。」

 「お前それ言ってなんだが顔真っ赤だぞ。」

 「(あーもーこの鈍感!!)」

 エリスの言葉にカミトは正直に返したことに『シラヌイ』は駄目だこりゃと

思いながら怒鳴った。

 「な・・・な・・・な・・・///。」

 再びエリスの顔が真っ赤になっていくのを見ていたカミトは後ろにいる

クレア・ルージュとリンスレットに気づいていなかった。

 「凍てつく氷牙よ、穿てー〈魔氷の矢弾(フリージング・アロー)〉!」

 「舞え、破滅呼ぶ紅蓮の炎よー〈炎王の息吹(ヘルブレイズ)!」

 クレア・ルージュとリンスレットの攻撃が同時にエリス目掛けて攻撃した。

 「ちぃ!!」

 エリスはそれに驚くと防御しようとするもこの距離なら間に合わないという事も

カミトは知っているためこれで勝ったと思っていると・・・。

 その攻撃は・・・互いに衝突して水となってエリスにかかった。

 「わぷ。」

 「・・・は(は?)?」

 流石にカミトと『シラヌイ』も茫然とするしかなかった。

 それは客席にいたレオノーラもしかりであった。

 「あちゃーー。」

 するとクレア・ルージュとリンスレットが口げんかしていた。

 「ちょっと、リンスレット!あんた何邪魔してんのよ!」

 「な、何ですのっ、貴方こそ私の邪魔をしないで下さる!?」

 それを聞いていたカミトはこう思っていた。

 「≪こいつら実力はあるのに、チームワークというより協調性が殆んどねぇな。≫」

 レオノーラはどうやってたんだと思いながらエリスの方を見てカミトは顔を

真っ赤にした。

 「なああ!!」

 カミトが狼狽えているのにエリスがこう聞いた。

 「?どうした?」

 そう聞くとカミトは言いづらそうにこう言った。

 「その・・・見えてるぞ・・・紫・・・。」

 「へ?」

 そう言って見てみると上半身が水浸しになった事で下着が見えていたのだ。

 然も装飾が少ないバストが大きい人用の物であった。

 それを見てエリスは更に顔を真っ赤にしてこう怒った。

 「貴様!!よくも私を慰み者にしたなあ!!」

 「誤解だぞそれって!!つうか怒るならあいつら・・・?」

 突如ソード・デバイスから何か音がしたので耳を近づけてみると・・・。

 《カミトのバカーー!!》

 レオノーラの声が聞こえた。

 《何やってんですか貴方は!!私の裸を見ておきながら何やってんですかーー!!》

 「いや待てレオノーラってこれ如何やってんだ?」

 《これは「竜声」と言って機竜同士の通信能力って何してるんですか貴方って人は‼》

 「なあレオノーラ、違うって!これには深いわけがな!」

 何だこの状況はと第三者なら思ってしまいそうな光景だが単に言うならこの状況は・・・。

 「(【浮気現場がバレて口論になっている夫婦みたい】)」と『シラヌイ』と

『メイルストローム』はそう思っていた。

 するとカミトがレオノーラとエリスにこう言った。

 「待て二人とも!様子がおかしいぞ。」

 「何言ってんだ貴様は!」

 《話を替えようとしてるんじゃあ・・・。》

 するとレオノーラも何かを感じたのか上を見るとレオノーラがそれを見て

こう言った。

 「何ですあの裂け目は?」

 それは広がれば広がるほど空気が重くなっていくのが分かる。

 「何?」

 「何ですの?」

 クレア・ルージュとリンスレットも気づいたようなのでそれを見ると・・・

裂け目から・・・雷鳴のような音と一緒にそれは現われた。




 次は乱入者編です。
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