裂け目から現われたのは・・・巨大な顎が体の大半を占める生き物であった。
それはずらりと並んだ鋭い歯をガチガチと音を立てていた。
「おいおいあれって魔精霊かよ!?」
カミトはその精霊の正体を知るや否やヤバいと直感で分かった。
魔精霊と契約出来る人間なんてグレイワースぐらいなものであるからだ。
「(いやお前あいつと契約したじゃねえか?あいつも魔精霊だろ?)」
『シラヌイ』がカミトにそう聞くとカミトは怒りながらこう返した。
「あほか!あいつとあれを一緒にするな!!それに何でこんな場所に来るんだよ!」
すると魔精霊がヴォ・・・ルオオオオオオオン!!と耳を塞ぎたくなるような咆哮に全員が身を竦めた。
その凄まじい威圧感から恐らくAランクの魔人級と見て間違いないだろうがカミトは
ある事に気づいた。
「・・・あいつ・・・狂乱している?」
それが証明されているかのように魔精霊は周りの木々や遺跡を破壊していて
カミト達の事など目もくれなかった。
「クレア・ルージュ、決闘は中止だ!良いな?」
「・・・分かったわ。」
エリスの言葉にクレア・ルージュは一呼吸おいて納得した。
幾ら何でもあの魔精霊の攻撃においては精神が持てないからだ。
「私が殿を務める!君たちは気絶したラッカ達を非難させてくれ。」
そう言ってエリスは〈レイ・ホーク〉を構えてそう言うとカミトが前に出て
こう言った。
「いや殿はおれがやる。お前ひとりじゃあ危険すぎる。」
然しエリスはカミトにこう言った。
「冗談はよせ。契約精霊を満足に使役できない君に何が・・・。」
エリスが言いかけるとカミトは『シラヌイ』のソード・デバイスを見せつけた。
「なあに、時間稼ぎぐらいなら出来るし俺には長年連れ添っているこいつがいる。」
そう言って前に出ようとすると横から誰かが来た。
「それなら私も残ります。一人より二人の方が生き残る確率は高いですし、
それに・・・。」
するとレオノーラは召喚式を唱えて風の塊の中にいるナニカが現われると
それは固まって一本の剣になった。
「〈嵐神の剣(テンペスト・ソード)〉。私は皆さんとは違い神威が十分に
ありますから。」
レオノーラはそう言ってカミトに向けて微笑むとカミトもそれに答えて進もうとした瞬間・・・後ろから猛ダッシュで魔精霊に向かっていく人間がいた。
「な、クレア!何をする気ですの!?」
クレア・ルージュが契約精霊である火猫を出すとこう言った。
「殿は私がやるわ!あいつは私がもらうわ!!」
カミトはその言葉に嫌な予感がしたので追いかけながら聞いた。
「お前まさかあいつを契約精霊にする気か!?」
「ええそうよ!だから?」
その言葉にレオノーラがこう返した。
「無茶です!魔精霊相手に契約なんて無謀すぎます!!」
然しクレア・ルージュはこう返した。
「何言ってんのよ!グレイワース学園長だって契約しているのよ!つまり
0じゃない!!」
「【無茶です!レオノーラ、彼女を止めなければ!!】」
「(そんな曖昧な理由で殿なんて務まるかよ!?)」
クレア・ルージュの根拠のない自身に『メイルストローム』と『シラヌイ』が
止めるように言った。
「それにカミトの精霊魔装があんなに弱っちいんだからあの変な精霊も弱いから
殿なんて無理よ!!」
その言葉に『シラヌイ』はちょっとドスガ効いた口調でこう言った。
「(おいカミト、あいつ後ろからぶった切りたいが良いよな?)」
「おいやめろ。同士討ちだけはしたくねえぞ。」
カミトは『シラヌイ』にそれだけはするなと言うとカミトは走りながら
ソード・デバイスを構えて詠唱を唱えた。
「運命よ。我は呪い、その座を引きずり降ろし、わが手で未来を作る。
(シラヌイ)」
そしてカミトが飛び跳ねると後ろに『シラヌイ』の本体が現われた。
そしてカミトは『シラヌイ』を纏うと『シラヌイ』は魔精霊に向けてこう言った。
「(おいそこの魔精霊、・・・少し八つ当たりさせてもらうぜ。)」
そして大型刀「玄海」を構えて魔精霊に突撃した。
次は戦闘です。