精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 魔精霊対カミト、レオノーラ、クレア・ルージュ戦。


そして終わりへと。

 カミト、レオノーラ、クレア・ルージュの三人が殿を務めることとなりエリス、

リンスレットはラッカ達を連れてサークルがあった場所まで走っていた。

 「ありましたわ!」

 リンスレットはサークルがある場所を見つけてラッカ達をそこに降ろした。

 リンスレットはラッカ達と一緒にサークルに入って開門の精霊語を唱えると

サークルが先程のように青白く輝くとリンスレットはエリスに向けてこう言った。

 「さあ、行きますわよ。」

 そう言って転送される間際、エリスがサークルから出て行った。

 「エリス!どうしたんですの。」

 「私は騎士団長補佐官だ!生徒が棄権に会っている中自分だけ逃げるなどしたく

ない!!」

 そう言ってエリスはカミト達がいるところへと走り去った。

 そしてリンスレット達は止める間もなく人間界に転送された。

 そしてエリスは爆発音のある場所にへと向かった。

 

 

 

 

 「しぶといわね、私の物になりなさい!!」

 クレア・ルージュが精霊魔装である炎の鞭で魔精霊を叩きつけながら

そう言っているが周りはそうではなかった。

 「クレア・ルージュ、少し距離を離してください!カミトが攻撃できません!!」

 「うっさいわね!それくらいあいつが何とかするわよ!!」

 レオノーラの言葉にクレア・ルージュは喧嘩腰でそう返した。

 「くそっ!狙えねえ!!」

 「(あの子娘のせいで狙いが定まらねえ!!)」

 カミトは『シラヌイ』の右手に「玄海」を、左手に「清水」を持っているが本当ならクレア・ルージュとレオノーラが魔精霊を止めている間にカミトが

スナイパーライフルモードになった「清水」で核を見つけて倒す予定なのだが

クレア・ルージュが何度も「清水」の射線に入る為牽制として使いながら「玄海」で

切り裂こうとしているのだが魔精霊は見た目に似合わずすばしっこく、当てることも

難儀なものであった。

 すると魔精霊が口を閉じて何かをしようとした。

 「皆逃げろおーー!!」

 カミトがレオノーラ達にそう言うがクレア・ルージュはそれを無視して魔精霊の

真正面にへ跳んだ。

 「えーーい!!」

 クレア・ルージュがそう言いながら鞭を振りかざそうとした瞬間、魔精霊が吠えた。

 オオオオオオオン!!

 「ぐう!!」

 「「きゃあああああ!!!」」

 カミトは障壁を展開し、レオノーラは風の結界を作って防御するも

クレア・ルージュは防御する間もなく地面に叩きつけられた。

 「あ・・・ああ、あ・・・。」

 クレア・ルージュは魔精霊を見て震えていた。

 逃げたいのに脚が強張っているのだ。

 「あ、あんたなんか、怖くないんだから!あ、あたしの下僕になりなさいよね!」

 クレア・ルージュは魔精霊に罵声を浴びせるも魔精霊はその光景にフッと笑っているように見えた。

 それを見たクレア・ルージュは本能的恐怖がよぎると炎の鞭が消えた代わりに火猫が姿を現した。

 「スカーレット!?どうして・・・。」

 クレア・ルージュは擦れた声で呟いた瞬間、〈スカーレット〉が魔精霊目掛けて

跳び上がった。

 「スカーレット!!ダメ――!!」

 クレア・ルージュの言葉は届いているのかどうか分からないがスカーレットは焔を纏った爪で切り裂こうとした瞬間、魔精霊はそれごと〈スカーレット〉を

噛みちぎった。

 ニャアアアアーー!!

 〈スカーレット〉の断末魔が木霊し、そのまま消滅した。

 「スカー・・・レッ・・・ト。」

 クレア・ルージュはその光景を見てへ足り込んでしまった。

 〈スカーレット〉が命を懸けて作った時間であると分かっているのに何も

できなかった。

 「(あたしのせいでスカーレットが・・・何で・・・何で・・・私は・・・コンナニヨワイノ?)」

 クレア・ルージュは涙を流しながらそう思っていた。

 そしてそのまま魔精霊が口を大きく開けた。

 「いや・・・だ・・・助けて・・・姉さま・・・。」

 クレア・ルージュの引き攣った声と共に魔精霊が飲み込もうとした瞬間・・・。

 グオオオオオン!!

 爆発音と同時に魔精霊が雄叫びを上げると横からナニカがクレア・ルージュを

掴んだ。

 それは・・・。

 「大丈夫か!クレア・ルージュ!!」

 「・・・エリス?」

 クレア・ルージュは力なく呼ぶとエリスは下にあるのを見た。

 「あれは・・・『メイルストローム』!!」

 それは『メイルストローム』を身に纏ったレオノーラが

「グロリアス・テンペスト」で出来た爆発であった。

 魔精霊はレオノーラの方を向くとレオノーラはニヤリと笑ってこう言った。

 「周りを見たほうが良いですよ。魔精霊さん。」

 すると何処からか何かが当たる感触があった。

 よく見ると斬られた跡があり周りを見ると今度は撃たれた跡があった。

 それが幾つも続き魔精霊はもう一度吠えようとするも・・・。

 「そうはいきません!!」

 レオノーラは「グロリアス・テンペスト」で今度は拡散式にして魔精霊の体全体に

爆発するようにした。

 グオオオオオン!!

 魔精霊が雄叫びを上げて逃げようとするとレオノーラとそれと逆方向からの

ワイヤーテールが射出された。

 そしてよく見るとそれは・・・迷彩で隠れていたカミトが現われた。

 「あの精霊は姿を隠せるのか!?」

 エリスはそれに驚くと二人はそのまま魔精霊を地面に叩きつけた。

 グオオオオオン・・・。

 魔精霊が弱弱しく叫ぶもレオノーラがカミトに向けてこう言った。

 「今です!!」

 「おおおおおおおお!!!!!」

 カミトは「玄海」を構えて魔精霊に突撃した。

 すると右手の精霊刻印がまばゆく輝いた瞬間それは「玄海」に流れると「玄海」の

刀身が光り輝いた。

 「消え失せやがれ!顎野郎!!」

 そしてそのまま魔精霊を両断した。

 

 

 

 雨が降り始めた中エリスがクレア・ルージュと共に降りてきた。

 するとエリスを見てカミトはこう言った。

 「何でここいるんだよ?俺達に任せろって言ったろ。」

 するとエリスは言い淀みながらこう言った。

 「私は騎士団長・・・補佐官だ。生徒を守るのは・・・当然だろう。」

 最後は消え入りそうなくらいの声であったがまあクレア・ルージュを助けて

くれたので良しとするかと思っている中クレア・ルージュはカミトに向けてこう言い放った。

 「何で・・・何で・・・何でそんなに強い力持ってんのよ!!」

 するとクレア・ルージュはカミトの制服の襟を掴んでこう言った。

 「よこしなさいよその精霊を!!あんたは私の奴隷精霊なんだからあんたのは私の力でもあるのよ!!」

 そう言いながらカミトの腰にある『シラヌイ』のソード・デバイスを捕ろうとするとレオノーラがクレア・ルージュを抑えてこう言った。

 「ヤメテ下さい、クレア・ルージュ!!この精霊はある条件を満たしていなければ

使えませんし、精霊を奪っても何もならないことぐらい分かってるでしょう!!」

 契約精霊とは精霊使いと精霊の信頼によってその力が変わるのだ。

 ラッカ達のように強い精霊と契約してもその力を使いこなせなければ無用の長物で

あり、結局のところ自分が強く無ければ意味はないのだ。

 然しそれでもクレア・ルージュは怒りは収まらず今度はレオノーラにぶつけた。

 「あんただって本当はそれがある事に優越感持ってるのでしょう!!」

 「そんなことありません。私は『メイルストローム』を使いこなそうと今も

努力してますしこの子とも・・・。」

 そう言ってレオノーラは胸のあたりに手を当てるもクレア・ルージュは

こう言い放った。

 「努力努力って・・・あんたみたいに!!」

 然しその続きはレオノーラにとって・・・。

 「何も失った事もない奴が言える台詞なのよ!!」

 言ってはいけない言葉であった。

 「おい、クレア!!」

 カミトが文句を言おうとした次の瞬間・・・。

 パンと乾いた音が鳴り響いた。

 それはレオノーラがクレア・ルージュの頬を叩いたからだ。

 「な、何よ!!」

 クレア・ルージュはレオノーラに文句を言おうとした瞬間それを言えなかった。

 その時のレオノーラの顔が怒りで満ちていたからだ。

 「何も・・・失って・・・いない・・・ですって!!」

 するとレオノーラはクレア・ルージュの胸ぐらを掴むとこう怒鳴った。

 「貴方に何が分かるというんですか!!」

 「仲間を失い!!」

 ドラグニア竜皇国で共に研鑽し合った戦友。

 「守ろうと決めた仲間をまた失い!!」

 レグリス、ユーリとの最後の会話を。

 「あこがれの人に裏切られ!!」

 自らが目標としていたローザ・グランハイトの裏切りを。

 「国にも裏切られ!!」

 一部の人間の思惑を知り。

 「家族を失い!!」

 大切であった父と母との永遠の別れ。

 「それでも前を向こうとした人の気持ちを貴方は何だと!!」

 「もうやめろ。レオノーラ。」

 カミトが後ろから肩を叩いて正気を戻すとクレア・ルージュの顔が青くなっている

ことに気が付いて慌てて離した。

 然しクレア・ルージュはカミト達にこう言い放った。

 「それでも私は力が欲しいのよ!!」

 そう言ってそのまま森の中に入っていった。

 その光景を見た後カミトの視界が逆転した。

 「あ・・・れ・・・。」

 カミトの意識が急速に遠ざかっていくのを感じてそのまま倒れた。

 「カゼハヤ・カミト!!」

 「カミト!!」

 エリスとレオノーラがカミトに近寄った。

 雨は止まず尚も降り続いていた。




 貴方は・・・ダレ?
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