クレア・ルージュとリンスレットはエリスを見るや否や嫌な奴に会ったなと
思っていた。
然しカミトとレオノーラからすればそういやな奴ではないと知っていたのであまり
不快な印象は持っていなかった。
確かに厳格で真面目過ぎて周りから顰蹙(クレア・ルージュとリンスレットが
特にだが)を買うこともあるが一本芯の通った真っすぐで純粋な心を持っている
人間なのだ。
エリスがテーブルの方に向けて歩いていくとリンスレットとクレア・ルージュが
席から立ち上がってこう言った。
「あら、騎士団長様がこんな所に何の用ですの?」
「この間の決闘の続きがしたいなら喜んでやってやるわ。」
それを聞いたカミトは嫌な顔をしてこう思っていた。
「《勘弁してくれよ。決闘なんてしてもしなくても一緒だろ?》」
そう思っている中エリスが鋭い目でクレア・ルージュを見下ろすとこう返ってきた。
「ふん、確かにそれも一興だと思っているが今日はお前達ではなく・・・。」
するとエリスはカミトの方に目を向けると少し顔を赤くしてこう言った。
「・・・カミトに用があるんだ。」
「はっ?俺に??」
「(俺達騎士団に目を付けられることしたか?カミト??)」
カミトはいきなり自分が名指しで呼ばれたことに何なのかと思っている中
『シラヌイ』も訳わからんと思っていた。
するとエリスはカミトの方に行くと初めにこう言った。
「今日の対抗試合でウルヴァリン教室の鎧タイプの生徒と戦ったようだな。」
「ああそうだが?」
「(俺達あいつにナニカしたか?)」
試合の事じゃねとカミトが『シラヌイ』にそう言っているとエリスはこう返した。
「あの生徒は騎士団には入っていないがそれなりに優秀でな、騎士団長が嘗て
騎士団にスカウトした事がある人なんだ。」
「まあそれでも本人は拒否したのだが今回の試合の後でその生徒がカミトにこう
言って欲しいと頼まれてな。」
エリスはカミトに説明すると咳払いしてこう言った。
「『次は負けない』と言っていてな。清々しく君の事を喋っていたよ。」
「そ、・・・そう・・・か///」
カミトは少し照れくさそうに頭を掻いているとエリスはあることをカミトに聞いた。
それでだな・・・カミト・・・その・・・。」
エリスは急にもじもじと顔を赤くして俯くと一緒にいたラッカとレイシアが
それを見てひそひそとこう囁いていた。
「もう、団長補佐ってば早く言えば良いのに。」
「いつもは毅然とした態度なのにねぇ。」
「でも可愛いよね。今の団長補佐。」
「あー、あれだよね。まるで恋するー。」
「貴様らからかうな!わ、私はこんな不埒物の事など・・・それに私はかの『レン・アッシュベル』のような高潔な人間・・・ってそうじゃないだろ!!」
何か色々と脱線しているがその言葉に『シラヌイ』はこう呟いた。
「(世の中って・・・聞かなきゃ良い事ってあるんだな。)」
「【何の話です?】」
『メイルストローム』が『シラヌイ』の言葉に疑問を投げかけるもさあなーと
答えた。
そしてカミトはエリスにこう聞いた。
「それで何か用事があったんだろう?」
「ああそれはな・・・その・・・。」
何やらどんどん声が小さくなっていくのでカミトは何だと思うとエリスは大声でこう言った。
「わ、・・・私は君が欲しいんだ!!」
「「「「「・・・・・はぁ?」」」」」
流石に全員唖然とした。
暫くすると内容が分かったレオノーラがふぇえと言いながら顔を真っ赤にし、
『シラヌイ』と『メイルストローム』はと言うと・・・。
「(こりゃ告白かよやるなカミト。)」
「【あらあら】」
何やら近所のおじさんと叔母さんみたいな会話をしていた。
暫くするとエリスは自分が言った言葉に気づくと首を横に振ってこう答えた。
「いや、違うぞ!そう意味じゃなくて・・・!」
そしてエリスはカミトに顔を近づかせてこう言った。
「カゼハヤ・カミト、わ、私達のチームに入ってくれないか!?」
まさかのヘッドハンティングであった。
そして暫くするとカミトはエリスにこう聞き返した。
「・・・えっと、どういう事だ?」
「そ、そのままの意味だ。カゼハヤ・カミト、き、君を私のチームに迎え
入れたいんだ!この間の軍用精霊を倒した君の実力なら申し分ないと思ってな!!」
早口で言っているがカミトからすれば渡りに船であった。
エリスの成績は上級生を抑えてえトップランクなのだ。
エリスのチームに加入すればグレイワースからの依頼を成し遂げられると
考えているのだ。
然し自分はそのグレイワースからクレア・ルージュを監視するようにと言われているためここは話を濁そうと考えていると・・・カフェの扉が勢いよく開いた。
「ここに淫じゅ・・・カゼハヤ・カミトはいますか!?」
「おれは淫獣じゃねえって・・・いいかけたなこの子。」
然し息を切らしている手前何か緊急の事でもあったのだろうと思って文句を心の中に閉めて手を挙げた。
「俺はここだけどどうしたんだ?」
「学院長が緊急の呼び出しです!!至急学院長室に来るようにと!!」
「・・・グレイワースが。」
カミトは何事かと少し嫌な顔をしていると『シラヌイ』がこう言った。
「(何か嫌な予感がするなあ。)」
次回はフィアナとの自己紹介。