精霊使いの装甲機竜   作:caose

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 それは簡単な手品と一緒である。


その力の正体。

「おらあっ!」

 「くそが!」

 カミトがテルミヌス・エストを振り下ろすとジオ・インザーギは剣精霊を召喚して

弾くとカミトはテルミヌス・エストを持って更に踏み込んで剣を横薙ぎに振ると

ジオ・インザーギはそれを紙一重で回避して・・・蜘蛛のように天井に張り付くと

カミトに向けてこう言った。

 「はっ!前戯無しかよ!少しは会話を楽しめないのかよ!?

『レン・アッシュベル』!」

 「悪いが俺に騎士道精神なんてこれっぽっちもないんだよ。お前と同じ・・・教導院出身なんでな!」

 「なっ!!」

 ジオ・インザーギはそれを聞いて驚くとカミトは壁を蹴り上げて跳躍して

ジオ・インザーギ目掛けてテルミヌス・エストを振るってジオ・インザーギの剣を

粉々にして砕くとそのまま壁を蹴って方向転換して『シラヌイ』のソード・デバイスを振るって斬ろうとすると左手から新たな剣精霊を召喚した。

 形状からして刺突用のレイピア型と思われるがカミトはそのまま神威を集中して

ソード・デバイスでその剣精霊を砕いた。

 そしてそのまま踵落としの応用でジオ・インザーギの頭に叩き込んだ。

 「グオオ!」

 そしてカミトはそのまま着地して見てみるとジオ・インザーギが砂煙から

忌々しい表情で出てきた。

 「くそが・・・滅茶苦茶するじゃねえの・・・。」

 するとカミトはジオ・インザーギに向けてある事を言った。

 「閉鎖環境での高次立体移動は教導院じゃ真っ先に教え込まれる技だ。・・・まあ、あんたほど徹底してないがな。」

 するとジオ・インザーギはカミトに向けてある事を聞いた。

 「なああんた・・・魔王再臨の実験って知ってるか?」

 「・・・まあそれなりにな。」

 「(確か僅かに交感能力を持った少年を使って、催眠、薬物投与、精霊憑依をして

人為的に魔王を作るって言う阿保じみた計画だったな。)」

 まあ全部失敗だったがなと『シラヌイ』がそう締めるとジオ・インザーギは声を

高らかにこう言い放った。

 「そして俺がその成功例だ!!そして俺は精霊使いとしては手前よりも

格上なんだよ!」

 そう言いながら笑っている中カミトはと言うと・・・

 「かわいそうなくらい残念だなお前。」

 「・・・何だと?」

 ジオ・インザーギは目を見開いて憎らしそうな表情に歪むとカミトはこう続けた。

 「お前が使っているのは全部・・・封印精霊だろ。」

 「・・・!!!」

 ジオ・インザーギはそれを聞いて驚いている中カミトは更にこう続けた。

 「第一にお前が何体もの同じ精霊を使っていることだ。伝承によれば

魔王スライマンは数多もの異なる精霊を使役していた。なのにお前はそうじゃなく同じタイプを使役していた。」

 「・・・くう!!」

 「第二に剣精霊の耐久値が低い事も理由の一つだ。耐久力においては最硬の剣精霊がたやすく砕けるのもおかしい。」

 「第三に・・・それだ!」

 するとカミトはテルミヌス・エストを手放すと服の袖から短刀を抜いて・・放った。

 そしてそのままジオ・インザーギの左の袖に当てた。

 「なああ!!!」

 するとジオ・インザーギの切り口から大量の・・・精霊鉱石が出てきた。

 「お前が同じ奴を使うときにはそれを出してたんだよ。恐らくお前は風や火と言った精霊をその鉱石に、剣や槍は封印精霊として使っていた・・・偽物だったって

ことだ。」

 「貴様!!」

 するとカミトはジオ・インザーギ目掛けて突進するとジオ・インザーギはこう

呟いた。

 「-顕現せよ、楯精霊(エイジス)」

 すると目の前に楯が現われた。

 本来、盾精霊は剣精霊の攻撃すら弾くほどであるのだがカミトはそのまま

テルミヌス・エストに向けてこう言った。

 「エスト!俺達の力を見せつけようぜ!」

 「ハイカミト」

 するとテルミヌス・エストが光り輝いた瞬間・・・身の丈すら超える

巨大な大剣にへと姿を変えた。

 「なん・・・だと・・・!?」

 「うおらああああ!!」

 そのままバスターソードになったテルミヌス・エストを振るった瞬間・・・盾が真っ二つに切裂かれた。

 「馬鹿な・・・剣精霊が盾精霊を破壊するだと!!」

 「これが俺達契約精霊と精霊使いの力だあ!!」

 そしてそのままバスターソードを振り上げた瞬間・・・ジオ・インザーギが右手を

掲げるとそこには・・・紅く輝いた勾玉が埋め込まれていた。

 「〈!??〉」

 カミトは言い表せない何かを感じた瞬間テルミヌス・エストがその石に

触れた瞬間・・・エストの剣身に罅が入った。

 「・・・!!」

 カミトがそこから離れると今度はそこから黒いシミのような物が広がっていた。

 「それがあんたの弱点だぜ。」

 するとジオ・インザーギが溶岩のような猟犬を召喚するとそれがカミトに

襲い掛かった。

 「ぐお!」

 カミトはそれを避けながらジオ・インザーギにある事を聞いた。

 「何だそれは!?」

 するとジオ・インザーギはカミトに見せつけるようにこう言った。

 「こいつこそ俺の力の根源・・・数多の精霊を支配することのできる狂王精霊

(ネブガドネザル)だ!!」

 「!!成程、そいつで封印精霊を使っていたのかよ。」

 「(とことんのパチモンだなこいつはよ!!)」

 カミトの言葉に『シラヌイ』がそう続けるとジオ・インザーギは

テルミヌス・エストを見てこう言った。

 「もうすぐその剣精霊は俺のだ。そいつで殺してやるよ。」

 げははははと笑うジオ・インザーギを見てカミトはある事をジオ・インザーギに

言った。

 「おいお前、ここて結構反響するよなあ?」

 「はあ?それが何だよ。」

 「俺が何でお前の力の正体を喋ったと思ってる?」

 「・・・何?」

 カミトの言葉にジオ・インザーギは何だと思っているとカミトはジオ・インザーギに向けてこう言い放った。

 「準備は良いか!?フィアナ!!」

 すると後ろからフィアナがこう言った。

 「ええ・・・準備完了よ!」

 そこには儀式装束を着たフィアナが構えてこう言った。

 「見せてあげるわ。帝国第二王女、フィアナ・レイ・オルデシアの儀式神楽をね!」




 そして鍍金が剥がされる。

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