四年前。
突如フィアナが敬愛する精霊姫「ルビア・エルステイン」が反旗を翻し最強の炎精霊「レーヴァテイン」を奪ったのだ。
その燃え盛る神儀院の中で当時幼かったフィアナはルビア・エルステインを
止めるために祭殿に向かったのだ。
「ルビア様!」
祭殿で見たのは紅い髪をなびかせていたルビア・エルステインであった。
彼女が持っている緋焔の剣と光景から息をのむほど美しかったがその凄まじい殺気にフィアナは立っているのがやっとであった。
「邪魔をーーするな。」
ルビアの無感情な声にフィアナは気丈に睨んでこう返した。
「ここから通すわけにはいきません!」
そして彼女は精霊を召喚するも・・・。
「邪魔をするなら・・・殺す。」
その剣の一閃によって精霊を消滅させた。
「そ・・・んな・・・。」
フィアナはあまりの事に膝から崩れ落ちた瞬間ルビアがフィアナの前に現れた。
「あ・・・あああ・・・あ・・・。」
彼女の下から小水が漏れ出すとフィアナは泣き縋るようにこう呟いた。
「い、・・・イヤ・・・タスケ・・・お願い・・・。」
するとルビアはフィアナの元に腰を屈めると耳元でこう言った。
「フィアナ・レイ・オルデシアーー私の前に二度と現れるな。」
そしてルビアが何処かへと行方を晦ましたと同時に・・・彼女は精霊を召喚出来なくなってしまった。
「(それからは一年間王城に籠っていたわね。両親も、姉妹も、兄弟も、女官たちも私を無視してたわねぇ。)」
フィアナはそう思っていたがある事を思い出していた。
「(でもそんな私を変えてくれたのは三年前のあのブレイドダンスと
アストラル・ゼロの森の中で・・・カミト君に助けられたこと。)」
「(あの時貴方は私に立ち上がる力を分け与えてもらった。・・・だから!!)」
そう思いながらフィアナは神楽を舞っていた。
ジオ・インザーギの精霊が全て封印精霊ならばと直感でこの舞にした。
言葉を覚える前から神儀院で教え込まれた、完璧な演舞の動作。
「儀式神楽第七式ー狂宴の儀、ここに奉納する!」
「があ・・・あああ・・・アア・・・貴様!オレにナニヲシターー!!」
突如ジオ・インザーギの体が捩れて地面に倒れ伏した。
両腕が有り得ない方向にねじ曲がり始めたのだ。
「お前の体は多くの封印精霊を祀っているあの神殿そのものなんだ。」
「(そいつがあの嬢ちゃんの奉納した神楽に反応して)」
「【彼はもう精霊を使う事すらできなくなっているのです。】」
「成程・・・それなら彼はもう。」
カミト、『シラヌイ』、『メイルストローム』、レオノーラの言葉がその真実を
語った。
「くそがあ!!」
ジオ・インザーギは五体の精霊を召喚してフィアナを攻撃するも・・・。
「無駄だよ。」
カミトがそう言った瞬間エリス達がそれを全て倒した。
そしてカミトが『シラヌイ』のソード・デバイスをジオ・インザーギの首元に
当てるとこう言った。
「ジオ・インザーギ、お前を拘束する。ヨルムンガンドの事も含めてじっくり
聞かせて・・・。」
「それは承知できないな。」
「!!」
カミトがそう言いかけた瞬間影から声が聞こえたのでその方向を見た。
そこにいたのは・・・。
灰色に近い銀髪の青年がそこにいた。
「あんたは一体・・・?」
「ああ自己紹介してなかったな。」
青年がそう言うと胸に手を当てて自身の名を明かした。
「俺は元『アーカディア帝国』第一皇子『フギル・アーカディア』だ。
以後宜しみおきを。」
その時のフギルの目はまるで・・・実験動物を見るかのような目つきであった。
そして最悪な展開にへと向かう。