アーカディア帝国
それは機竜を保有する国からすれば最も強大な国家の名称。
世界の1/5をその手に収めその戦力は最高ランクで・・・あった。
「嘗ては男尊女卑と言ってな、女は獣以下の子を成すための存在と言われ、
慰められ、貧富の差も激しくてのお。最悪薬の実験体にされた者たちも
数知れぬじゃ。」
「何て醜悪な。」
「聞くだけで吐き気が出そうだわ。」
マギアルカの言葉に傍にいたエリスとクレアが気分を害した顔をしていた。
オルデシア帝国では女性の軍人が多くおり、そんな国があるとすれば解放の名の下に戦争を吹っかけていたであろう。
「然し5年前に辺境伯であった『アディスマータ伯』がクーデターを起こしてのお。
本人は戦争で死んだがアーカディア帝国の王族の殆どを討ち取って生き残りは
確か恩赦の代わりに雑用全般を命じられておるそうじゃ。」
そしてその国はアディスマータ新王国になったのじゃと言うとマギアルカは
こう続けた。
「只生き残りの中には他国に逃げ延びた奴がいると聞くがこんな所に身を
潜めておったとはのう。」
マギアルカはそう言いながら『エクス・ドレイク』を起動させるとフギルは
こう返した。
「そちらの御仁は何を思っているのか知らないが俺はもう『アーカディア帝国』など粗末な事だ。」
「・・・ほお。」
マギアルカは武器をそう返しながら武器を構えるとフギルはさらにこう続けた。
「俺が求めるのはたった一つ・・・『英雄』の存在だ。」
「「「「「「?」」」」」」」
カミト達はその言葉にはっ?と思うとフギルはこう続けた。
「この世界は歪んでいる。貧困、格差、汚職、賄賂、戦争、疫病。それらが
蔓延している。それらをひっくり返す存在、弱者のための英雄が必要となっている。」
今この瞬間にもと締めくくるとマギアルカはフギルに向けてこう問いた。
「ほほう。それを聞く限りお主がその『英雄』に相応しいと言いたげな
そぶりじゃな?」
然しフギルはマギアルカの言葉をこう返した。
「いや俺は『英雄』を選別し、道を差し示す『先導者』だ。『英雄』などと言うのはおこがましい事だ。」
「・・・オ・・イ・・・。」
フギルが言い終えた瞬間足元にいたジオ・インザーギがフギルの足を掴むと
こう言った。
「はや・・・ク・・・俺を・・・タスケロ・・・・。」
するとフギルはジオ・インザーギを・・・冷ややかな目でこう言った。
「やれやれ魔王どころか精霊使いでもなく、暗殺者としても半端ものが俺に
何の用だ?」
その言葉にジオ・インザーギはこう言い放った。
「俺は・・・マオウ二・・・なるんだ!!最強を・・・タオシテ・・・俺は!」
ジオ・インザーギは血を吐きながらそう言うとフギルは懐からある物を二つ出した。
「「「「「「!!!!!!!」」」」」」」
カミト達は身構えると出してきたのは木箱であった。
そしてそれを開けるとそこにあったのは・・・何かの札と虹色の液体が入った容器であった。
するとフギルはジオ・インザーギの元を屈むとカミトが『シラヌイ』の
ソード・デバイスをフギル目掛けて振ろうとすると・・・。
「避けるのじゃ!!」
「!!」
マギアルカの言葉にカミトは跳躍するとそのいた場所にはハルバードが
刺さっていた。
「エスシス。時間を稼げ。」
「了解。」
水色の髪の少女、「エスシス」が「エクス・ワイアーム」を纏ってカミト達の元に
向かうとマギアルカはブレスガンとブレードを出してカミト達に向けてこう言った。
「こ奴はわしがヤル!!」
そしてマギアルカはエスシスに挑み、カミト達はジオ・インザーギを
捕まえようとすると黒い電撃がカミト達の行く手を阻んだ。
「彼は貴重な実験サンプルだから勝手に持ち出されちゃ困るわ。」
「レスティア!!」
レスティアがカミト達の行く手を遮っている中フギルはジオ・インザーギに向けて
こう言った。
「貴様みたいな出来損ないでもまあ・・・こいつの良い実験体にはなるだろう。」
すると注射器にあるその虹色の液体の針に札を刺すとそれ事ジオ・インザーギに
刺した。
「アグウ!!手前何・・・ヲ!!・・・・・」
突如刺されたフギルの体がうねうねと文字通り畝っていた。
「何だ?・・・何が起きて・・・。」
「一体あれはナニ?」
カミトとレスティアがその光景を見てそう言うとフギルがレスティアに向けてこう言った。
「今のうちに逃げないと・・・喰われるぞ。」
そう言ってエスシスに撤退するぞと言うとそれに従うようにフギルの元にへと
向かった。
「待つのじゃ!」
マギアルカがそう言うとエスシスはマギアルカに向けてこう言った。
「それでは何れ。」
そう言って出口に向かって一直線に逃げた。
「おい、見ろ!!」
カミトが大声でそう言うとジオ・インザーギの右手が紅い精霊鉱石に包まれて
いたのだ。
「グウオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
ジオ・インザーギは人では出せないような悲鳴を上げると今度は体も変わり
始めたのだ。
肌は赤黒い肌から黒一色に。
目は瞳孔が黒く染まり。
背中から剣や槍が生えだした。
右腕は精霊鉱石で出来たように金属に変貌し。
左腕は手甲で覆われ始め。
足は鋭く尖った虫の足のようになり。
顔はまるでミイラのように乾いたような感じになり始めた。
そして変身し終えたジオ・インザーギは最早・・・人でもなく、精霊でもなかった。
(見た目は「NARUTO」の「十尾」の第二形態の顔に「ヴァンガード」の「絆の根絶者 グレイオン」の体を足した感じ)
そして右肩に「72」の文字が浮かんだ瞬間・・・ジオ・インザーギだったものがけたたましい雄叫びを上げた。
オリェエエエエエエエエエエエエエ!!
それは世界で最初の幻魔人(ノクターン)の誕生であった。
狂気はさらに強く。禍々しく。